本との出会い
ウェブニュースをきっかけに出会った本『時間(とき)の花束 Bouquet du temps [幸せな出逢いに包まれて]』。著者は、なんとあの伝説的アイドル・三浦百惠(山口百恵)さん!
30数年にわたり百惠さんが創作されたキルト作品が1冊にまとめられていると知り、キルトフェスティバルに出かけるたび心を踊らせているわたしは、すぐさま購入しました。
読み応え抜群の作品集
ハンドメイドの本というと「つくり方」を紹介するものが多い中で、この本は百惠さんの創作品をまとめた「作品集」になっているというのがポイント。生み出された作品はどれも丁寧な手仕事で、とっても素敵なんです。特にお気に入りのページをいくつかご紹介します。
目を奪われる「表現」たち
作品ごとにテーマや制作のきっかけが記されていて、そのストーリーを読みながらキルトを眺めることで一層、想いを馳せることができます。この作品のテーマは「Snowball(雪玉)」。「ひたすらにたのしんでつくった」という作り手のワクワクとした気持ちがダイレクトに伝わってきます。小さな雪玉の中に閉じ込められたハートに、思わず胸キュンしてしまいました。
ご家族への深い愛
百惠さんがご家族のためにつくられた作品も多数紹介されています。その中でもイチ押しはこのページ。息子さんたちのために、手でつくられた入園・入学バッグの、なんともいえない素朴な可愛さ。完成品を手渡した瞬間の子どもたちの表情を想像すると、愛おしくなります。使い込まれたあと、永く大切に保管されているところにも愛情を感じますね。
ちいさなお針箱
愛用し続けているというお針箱も公開されています。どこのおうちにもありそうな、気取っていないラインナップが素敵で、本当にずうっと大切に使ってきたのだろうなと感じました。お針箱や道具たちとの出会いエピソードにも共感するところが多々あり、勝手に親近感が湧いてしまったページです(笑)。
洗練されたホワイトキルト
とにかくうっとりさせられたのが、ホワイトキルトのページ。いきなり生活にキルトを取り入れるのはすこし抵抗がある、という人にも、シンプルで品のあるホワイトキルトはおすすめです。ちなみにこのランプシェード、陶器の台は旦那さまである三浦友和さんが制作されたそう。さりげない夫婦合作にもまた、うっとりしてしまいますね。
ほかにも、まだまだ紹介したいページはたくさん。ぜひみなさんも本を手にとって読んでみてください。
minneのキルト作品
実はminneにも、キルトの作品はたくさんあります。
最後に、わたしがminneで見つけたお気に入りのキルト作品をピックアップしてご紹介。
ミウミントアロハさんの「ベッドカバーキット」
上品なデザインのカバーは敷物としても◎。キットになっているので、使う前に「つくる喜び」もたのしむことができます。
moonsun227さんの「女の子トートバッグ」
絵本の1ページのような、どこか不思議な世界観のある作品。丁寧なパッチワークで描かれた情景が見事です。
アートのように自由なモチーフ使い、色の組み合わせなど、その表現の幅を知ると「キルトの世界」にグッと引き込まれること間違いなしです。百惠さんの本を通してキルトの魅力に触れ、室内をお気に入りのキルトで彩ってみてはいかがでしょうか。
この本を教えてくれたひと:minneの作家アドバイザー 和田まお
取材・文 / 西巻香織 撮影 / 真田英幸