Lil tahti(リル タハティ)
シンプルで飽きのこない刺繍ブローチやピアス、イヤリングを中心としたアクセサリーを手がける。
https://minne.com/@0512lil-taht
https://minne.com/@0512lil-taht
母から受け継いだ作業机
作品ともリンクするような、やさしい風合いの空間ですね。淡い色合いの壁紙が素敵です。この作業机はいつから使われていますか?
Lil tahtiさん
この机は、わたしが生まれる前に父が母のためにつくったものなんです。結婚したときに母から譲り受け、キッチンの作業机として使っていましたが、作家活動をスタートしてからは作品づくりの机としても活躍してくれています。
お父さんとお母さんの思い出が詰まった作業机なんですね。作業スペースには扉があるようですが、こちらはクローゼットの中ですか?
Lil tahtiさん
そうなんです。2年前引越しをするタイミングを迎えたとき、とても愛着のある机だったのでこのまま作業机として使いたいと思い、リビングで子どもを見ながら作業ができるようにと、わざわざこの机の大きさに合わせてクローゼットをつくってもらいました。
棚の上にもいろいろと並べられていますが、ここはどのように活用されているんですか?
Lil tahtiさん
棚には作業道具はもちろん、わたしのお気に入りや思い出のアイテムを詰め込んで、飾り棚としても使っているんです。
Lil tahtiさん
骨董市で買ったガラスの瓶には、大学の卒業制作で使った羊毛を入れています。この羊毛でつくった作品は洋服なのですが、大きくてなかなか飾ることができないので、残った羊毛を思い出として飾っているんです。そしてその横には「minneハンドメイドアワード」にノミネートいただいた作品も飾っています。大好きな場所ですね。
自作のアイテムで作業をスムーズに
ご自身が作業しやすいよう工夫されたり、なにかこだわっていることなどありますか?
Lil tahtiさん
何色もある刺繍糸は、自作の台紙に巻き付けています。こうすることで糸が絡まる心配もなく、とってもスムーズに作業を進めることができるんです。
まるで販売しているオリジナル商品のようですね!台紙のデザインもとっても素敵です。
Lil tahtiさん
ありがとうございます。よく使うビーズやアクセサリー金具、道具もすぐ取り出せるように百均アイテムを利用して、使いやすくプチDIYしています。
とっても丁寧に収納されていて驚きました。
Lil tahtiさん
他にも、梱包に必要なペーパーアイテムをすべて同じファイルに収納し作業効率をよくしたり、図案はカードファイルにひとまとめにするなど整理整頓を心がけています。
作品だけでなく梱包に使う資材も工夫して管理されているんですね。
Lil tahtiさん
ペーパーアイテムや作品を詰める箱も含めすべて手づくりしているので、しっかりと管理しています。きっと梱包も含めて、わたしの「作品」なんだと思います。
ワクワクにつながるお気に入りの道具たち
作品づくりに欠かせないアイテムたちをおしえてください。
Lil tahtiさん
作業をするときは、大体いつも刺繍枠に道具箱とノートというのが定番ですね。道具箱やノートはひと目惚れして購入したもの。ピンクッションは手づくりしたお気に入りのものなんです。
ノートには何を書かれているんですか?
Lil tahtiさん
刺繍を刺すときのつくり方や使う糸番号をすべて書いていて、作品づくりに欠かせないもののひとつです。お気に入りのアイテムは、作業するときのワクワクにつながっている気がします。
使われている道具たちは、普段どのように選ばれているんですか?
Lil tahtiさん
子どもが2人おり、なかなか直接お店に足を運んで道具を選ぶということができなくて。なので、自宅にもともとあった道具たちを活用したり、ネットの口コミを見ながら購入することが多いですね。どの道具も、活動した時からずっと同じものを使っていて、愛着も湧いてきたところです。
わたしをつくる環境
机も道具も、長く連れ添った大切なアイテムなんですね。
Lil tahtiさん
そうですね。父がつくった机をはじめ、このスペースには古いものが多いんです。飾り棚に置いてある骨董市で見つけたガラスの瓶やトランクもそうですし、作業するときに座っている椅子も小学校で使わなくなった古い椅子です。
たしかに、どこか見覚えのある懐かしい椅子ですね。
Lil tahtiさん
常にわたしが大切にしている「長く愛されるものづくりがしたい」という想いも、こういったものたちに囲まれている環境から生まれたのかもしれません。
Lil tahtiさん
自分自身もこの作業机から生まれる作品が大好きなので、どの作品も、撮影用兼保存用として、ひとつは大事に手元に残しています。わたし自身も毎日、「今日はどれをつけようかな」とたのしんでいるんです。
取材・文/中村瑛美里