https://minne.com/@tokisiruha
吸い込まれるほどに美しいガラスアクセサリーを手がけるトキシル・ハさん。窯で800度に熱して溶かした「フュージングガラス」を重ねてつくられる作品は、唯一無二の輝きを放ち、たくさんの人を魅了し続けています。中でも、ガラスの中に金箔を組み合わせた「私だけのちいさな星ネックレス」は再販を繰り返す大人気作品。
今回は、そんなトキシル・ハさんの「私だけのちいさな星ネックレス 」ヒストリーに迫りました。
発想の源
ある日、透き通るガラスにキリッとした表情を取り入れたいと考え、金箔といっしょに溶かしてみることに。それが思いも寄らない模様をつくり出し、これをネックレスにしたらどうなるだろうとワクワクしながら制作したのがはじまりです。
重ねるガラスの色や金箔の分量も、安定するまで何度も何度も窯の中で溶かしました。電気窯で溶かし、時間をかけて冷ましていき、実際に取り出してみてはじめて金箔の模様がどうなっているのかが分かります。時間をかけた試行錯誤がしばらく続き、やっとの想いで完成したことを覚えています。
最近ではカラーバリエーションを増やしたり、ネックレスのチェーン部分を革紐にするなど、お客さまからのご要望にもお応えできるまでになりました。
かけがえのない一品に
あるお客さまから「産んであげられなかったあの子を想ってこのネックレスを購入しました」とメッセージをいただいたことがありました。その言葉は、わたしにとって衝撃的で悲しく、それでも手にとっていただけたことがうれしくもあり、複雑な気持ちになりました。
小さなガラスの中に大切な誰かを乗せて、今日もネックレスを身につけてくれているのかなと思うと、自分がつくり出すひとつひとつの星が、かけがえのない一品であるように感じました。他にも、みなさんさまざまな想いをもって購入し、メッセージをくださいます。胸の内を伝えてくださる方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
誰かの「希望」に
時間に追われて机に向かう深夜にも、最後にはキラキラと美しい輝きを見せて癒してくれます。自分がガラスの美しさの虜になっていることに気が付きました。
どんなに苦しい状況があっても、このガラスたちの輝きを、ずっとそばで見ていられるのならいいのかもしれないと思える存在です。
幻想的でありながら、生命力のような力強さも感じさせる「私だけのちいさな星ネックレス」。ガラスと金箔が織りなす独特の美しさは、手にする人にとっての特別な一品、かけがえのない一品になること間違いなしです。ぜひギャラリーページへ足を運んでみてください。
次回の作品ヒストリーもおたのしみに。
作品ギャラリーを見る
取材・文 / 西巻香織