約300銘柄・9000種類ある魅力的な紙の中から、今回は「マーメイド」をご紹介します。
さざ波の風合い
「マーメイド」は、さざ波のような穏やかな風合いを持つファインペーパーです。もしかすると、見たことがある、という方も多いのではないでしょうか。
1956年の発売以来、工作や画材の素材として学校などでも使われているほか、書籍の装丁、カード、パッケージなど、身近なところで広く親しまれています。
この、紙表面のゆるやかな凹凸が「マーメイド」のいちばんの特長です。
これは、“フェルトマーク”と呼ばれる製法によるもの。
紙は、水分をたっぷり含むどろどろの状態から、網の上で均一に伸ばして、徐々に水分を落とし、乾かしてつくるのですが、「マーメイド」は水分を落とすプレスの際に、特殊なフェルト(毛布)を用います。
紙の表面にフェルトの織り模様が転写されることで、波のような穏やかな紙の表情が生まれるんです。
発売当初は「マーメイド・リップル」――人魚の棲む海のさざ波――と呼ばれ、1960年代に現在の「マーメイド」として定着しました。
心おどるカラーラインナップ
「マーメイド」のカラーバリエーションは、2019年に新色が加わり現在、全60色。ペタルピンクやミントなどの透明感のある色から、インディゴ、ショコラ、ダークサファリなどの濃色、ネオ・フラミンゴなどの蛍光色など、とても多彩なラインナップとなっています。
色の組み合わせによってさまざまなイメージをたのしめるのも、新しくなったマーメイドの魅力。「イノセント」「オーガニック」「ジャパネスク」「ポップ」「フォーマル」「クラシカル」の6つのテーマで構成された60色をご覧ください。
「イノセント」
柔らかいペールトーンが特徴です。
「オーガニック」
ニュアンスカラーやクールな色味が集合。
「ジャパネスク」
素敵な和名を持つ色味がずらり。
「ポップ」
パッと目を惹くカラフルなラインナップです。
「フォーマル」
どこか品のあるカラーバリエーション。
「クラシカル」
シックで落ち着いたトーンになっています。
色数豊かな「マーメイド」。使うシーンや好みにぴったりと合うカラーがきっと見つかるはずです。
厚さは3種類から
「マーメイド」は全ての色を、3種類の厚さ(四六判Y目 110kg、153kg、240kg)から選ぶことができます。
封筒を110kgで、カードを153kgで、などと好みの厚さでつくることもできますし、
異なるアイテムを「マーメイド」でそろえると、統一感が出て素敵だと思います。
また、白系の5色はより使っていただきやすいように、9種の厚さがありますので、用途に合わせてお選びくださいね。
さいごに
いかがでしたか。紙の表面にうっすら現れる陰影が、上品な素材感を生む「マーメイド」。
色の魅力もたっぷりです。竹尾の淀屋橋見本帖ではそんな「マーメイド」にフォーカスした展示を開催中。福岡見本帖でも予定していますので、お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいね。
「Mermaid Wave」巡回展
会期中無休
〒541-0042 大阪府大阪市中央区今橋4-1-1 淀屋橋odona1F
土日祝/休
〒812-0042 福岡県福岡市博多区豊1-9-20(福岡支店内)
アートディレクション:関本明子
協力:特種東海製紙株式会社、大洋印刷株式会社
展示の詳細はこちら
それでは、次回もおたのしみに。
編集 / 西巻香織 撮影 / 真田英幸