特集

【新作おしえて】硝子アクセサリー作家・トキシル・ハさんの「にゃん小皿」

SNSで編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。硝子アクセサリー作家・トキシル・ハさんの「にゃん小皿」です。

作り手は、トキシル・ハさん
ガラスの透明な色の重なりを利用し、身につける人の心がほんのり癒されるようなアクセサリーを手づくりしているガラス作家。
https://minne.com/@tokisiruha

トキシル・ハが生まれるまで

トキシル・ハ
作品づくりを始めたきっかけは、大学の芸術祭でした。多摩美術大学のガラス学科に通っていた当時、友達とグループを組んで、アクセサリーなど自分の好きなものを手づくりして販売していたんです。軽い気持ちで始めましたが、普段は大きなオブジェなどを課題でつくってばかりだったので、それよりもずっと身近で、小さなアクセサリーをつくるということに心が躍りました。

見る角度によって表情が変化する、物語性を感じるオブジェ。「硝子オブジェ エデン」シリーズ

トキシル・ハ
初めての販売はドキドキで、「自分の作品が本当に売れるのだろうか?」と不安に思っていました。そんな中、大学の後輩やOGの方が作品を迎えてくれて。今でもその瞬間やどんなピアスが売れたのかをはっきり思い出せるほど、大切な思い出です。

心も体も健康であることで、良い作品が生まれる

ガラスで繊細な美しさを表現する、トキシル・ハさんの作品。制作においてのこだわりをうかがってみました。

雨粒をそのまま身につけているような、うるうるツルンとした指輪たち。「Happy bag glass ring 3点セット」

トキシル・ハ
作品をつくるうえで「心も体も健康に」というのが、ここ最近のテーマです。アクセサリーづくりは大学を卒業してから始め、今は息子を育てながら制作を続けています。そして痛感しているのは、子育てと仕事が本当に相性が悪いということです。

トキシル・ハ
息子は周りの子に比べて病気をしやすく、保育園に入ってからは毎週のように風邪をもらってきていました。ちょっと免疫がついてきたかな?と思ったら、またすぐに流行りの病にかかり、わたしも看病しながら遅れて同じ症状にかかるため、夫と交代で休みながら繁忙期をなんとか乗り切っている、という感じです。

ガラスとガラスの間に金箔を封じ込めた、神秘的なデザイン。「私だけのちいさな星 ~天動説~ green star」

トキシル・ハ
わたしは好きなことを仕事にできた、とっても幸運な人です。わたしの「好き」や「綺麗」が生まれるのは、心も体も整っているとき。だからこそ、家族を大切に、自分のことも大切にするーーそんな当たり前が、実はとても幸せなことなんだと、ちゃんとわかる自分でいたいと思っています。その気持ちを忘れずに、ものづくりに向き合い続けています。

新作は「にゃん小皿」


「ころんと小さな『にゃん小皿』B-02」「ころんと小さな『にゃん小皿』B-03」

トキシル・ハ
新作は、星降る夜会~glass cat~というシリーズがきっかけで生まれた「にゃん小皿」です。

「夜空を眺める猫の目」をイメージしたガラスの耳飾り。「猫目シリーズ」

トキシル・ハ
通称「猫目シリーズ」と呼んでいるこの耳飾りは、完成した当初から人気でたくさんの方に愛されてきました。リニューアルを重ねながら、10年ほどつくり続けてきたのですが、こんなにも長く愛されているからこそ、ここから生まれる新たな作品をみなさんに届けたいと思い、「にゃん小皿」が誕生しました。

トキシル・ハ
「にゃん小皿」を制作するうえで、まずぶつかった壁が、これまでずっとアクセサリーばかりをつくってきたということでした。

トキシル・ハ
学生の時に小皿は一度だけつくった記憶があって、その時のレシピのようなものを漁ったり、温度調整のための本を読み返したりしながら、あらためて勉強し直しました。

トキシル・ハ
わたしのガラス作品は、電気窯という機械の中にガラスを入れて溶かす技法なのですが、その機械にも個体差があり温度の調整がむずかしく、ガラスの溶け具合も何度も実験してサンプルを取る必要がありました。

トキシル・ハ
溶かしすぎてデロデロになってしまったり、パーツを溶け合わせる工程を分けてみたり、お皿状に曲げるための資材を調べたり、たくさんの試行錯誤を重ねました。そして、約3カ月かけてようやく、自分でも納得のいく小皿が完成。その様子をSNSで皆さんに報告すると、一緒にわくわくしてくださって、とても嬉しかったのを覚えています。

最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。

トキシル・ハ
わたしひとりで、ただものづくりをしていただけでは生まれなかった『にゃん小皿』です。
たくさんの人の目に触れて、愛されてきた「猫目シリーズ」があったからこそ誕生しました。これからも日々を大切に過ごして、わたしの中で育った美しさを形にしていきますので、どうか見ていてくださいね。

ころんと小さな『にゃん小皿』A-04
https://minne.com/items/42722145
ころんと小さな『にゃん小皿』A-05
https://minne.com/items/42722713
ころんと小さな『にゃん小皿』A-02
https://minne.com/items/42720205
ころんと小さな『にゃん小皿』A-03
https://minne.com/items/42720242
ころんと小さな『にゃん小皿』A-01
https://minne.com/items/42720184

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文 / 堀田恵里香

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