特集

あの人の作業机 vol.12 布小物作家・No-ticcaさん

作り手が日々向き合う机の上には、こだわりの道具たちが所狭しと並んでいます。気になるクリエイターのみなさんにお声がけし、作業机や作業部屋を見せていただくことに。今回は、おにぎりやお豆腐などをモチーフとしたユニークな布雑貨を手がけるNo-ticcaさんの机です。次にここから生まれるのは、どんな作品でしょうか。

No-ticca
"布で自由な表現を"をテーマに大人かわいい、ちょっとシュールな、くすっと笑える作品を手がける。
https://minne.com/@no-ticca

家族の思い出が詰まった作業机

ここは作家活動専用のアトリエのような場所でしょうか。

No-ticca
そうなんです。4年ほど前に自宅横にプレハブを置いて、アトリエとして使うようになりました。

 

アトリエのこだわりやお気に入りのスポットはありますか?

No-ticca
作業部屋で特にお気に入りなのは、このブラウンの作業机ですね。ここでは主に、がま口の口金付けや発送作業、書類づくりや写真撮影などをおこなっています。

味のある色合いですね。長く愛用されているのですか?

No-ticca
実は、これはダイニングテーブルとしてリビングでみんなと一緒に生活してきた机なんです。くぼんできたり、はげてきてしまったので処分しよう、という話になりましたが、家族との思い出が詰まっているものなのでどうしても捨てられず、こうしてわたしの作業机になったんです。

 

長く連れ添った、大切な机なんですね。

No-ticca
はい。机の盤面は傷だらけでしたが、家具に貼るシールを使いリメイクしました。ずっと使ってきた机なので、座るとすこしホッとするような、見守られているような気持になります。

アトリエには最低限のものを

アトリエの整理術や、アイデアを生み出すための工夫をおしえてください。

No-ticca
基本的には机にあまりものを置かないようにしていますね。どうしても増えていってしまうのですが、ごちゃごちゃしていると頭がクリアにならないような気がして。

 

たしかにアトリエが全体的に整理されていて物が少なく、すっきりとしている印象ですね。

No-ticca
必要なものだけをアトリエに置くようにすることで、なんとかスペースを確保しています。「いつか使うかも…!」と思って数年手が出ていない資材などは心を鬼にして処分するか、友人に譲る、などしていますね。でもわたし自身、片付けはあまり得意なほうではないんです(笑)。

 

なんと!それはとても意外です(笑)。

長く働いてくれる相棒を探す

No-ticcaさんの作品づくりに欠かせないものはやはりミシンですよね。

No-ticca
やはりそうですね。そのほか、生地を切る裁ちばさみや、ポーチやがま口に組み立てる時に必要な道具などでしょうか。

制作に使用する道具は普段どのように選ばれていますか?

No-ticca
「長く相棒として働いてくれるかどうか」ということを大切にしているので、快適でタフに使用しても壊れない、平均よりもすこし高価な道具を選んで使っていますね。裁ちばさみひとつとっても、裁断した生地の仕上がりや作業効率がまったく違うんです。

 

すこしお値段が張っても、丈夫で使い勝手のいいものを…ということなんですね。

No-ticca
そうですね、自分に合ったものをしっかりと選ぶようにしています。発送に必要な梱包材などの消耗品はたくさん必要なので、沢山買うと割引のあるものを大口で注文したり、手に入れやすいものを探したり、と適材適所で考えています。

最後に作品づくりで大切にしていることをおしえてください。

No-ticca
常々思っているのは、わたしにとっては100点の中の1点であっても、買ってくれた方にとっては1点の中の1点なのだから、手に取った瞬間に笑顔になれるような作品をつくって、すこしでも感動を届けたいということです。1度の出会いを大切に、作品ひとつひとつに丁寧に心を込めて、これからも制作していきたいと思います。

 

取材・文/中村瑛美里

 

今後もminneとものづくりとでは、みなさんの「作業机」を募集しております。「#わたしの作業机」(「#minneとものづくりと」をお忘れなく!)の投稿をお待ちしております。

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