特集

あの人の作業机 vol.15 陶土作家・•• ito to katachi ••さん

作り手が日々向き合う机の上には、こだわりの道具たちが所狭しと並んでいます。気になるクリエイターのみなさんにお声がけし、作業机や作業部屋を見せていただくことに。今回は、陶土を使ったアクセサリーを手がける•• ito to katachi ••さんの机です。次にここから生まれるのは、どんな作品でしょうか。

•• ito to katachi ••
シンプルなコーディネートに、ちょこっと彩りを。陶土を使い、どこか懐かしさを感じる“くすんだトーン”のアクセサリーを手がける。
https://minne.com/@o-katachi-o

必要なものはすぐ手の届く場所に

いつから、この作業スペースを使われているんですか?

•• ito to katachi ••
以前は自宅から離れた場所にアトリエがありましたが、隙間時間を活用するため、2年前に作業場所を自宅に戻しました。使っている作業机はアトリエ時代からずっと使用しているもので、奥行きと幅、厚みもちょうど良くて手放せない存在です。

たしかに奥行きがあって、机の上に棚をおいても作業スペースがしっかりと確保されていますね。

•• ito to katachi ••
はい。ここに棚を置くことで、必要なものすべてに手が伸ばせるので作業効率がとっても良いんです。

そのほか、作業机の工夫があればおしえてください。

•• ito to katachi ••
作品の色づくりにこだわっているので、色のイメージがつくりやすいよう、机まわりはすっきり色味のないものでそろえていますね。
あとは、ふとアイデアが浮かんだとき、すぐ手に取れるよう、色の本とネタ帳も常に目の前に置いています。

棚の上にあるわんちゃんの置き物はwooden furさんの作品ですか?

•• ito to katachi ••
そうです!木彫作家のwooden furさんにオーダーした我が家の愛犬の置き物を。作業中、ふと顔を上げたとき、このやさしげな表情が目に入ると、いつもほっこりとした気持ちになります。

足元にはモデルになったわんちゃんが。

•• ito to katachi ••
作業中、愛犬はわたしの足元に居ることが多いので、見上げても、見下ろしても、癒しをもらえていますね(笑)。

試作品も見返せるように

棚にクリアケースがたくさん収納されていますね。

•• ito to katachi ••
このクリアケースには、材料やパーツなどを入れて管理しているんです。試作品や思いつきの実験でつくった作品も、とりあえずここに仕舞ってしまうので、どんどんいっぱいになってしまいますね。ときどきクリアケースをすべて開けて、2段の棚に収まるよう整理するのですが、そのとき、保留にしてあった試作品を見つけると、新たな視点で見ることができて、アイデアがまとまったりすることもあります。

 

時間を空けることで、完成につながるというのはおもしろいですね。

このケースに詰まっているカラフルなパーツはボタンですか?

•• ito to katachi ••
はい。作品アイデアの元となるアンティークボタンも、クリアケースで管理しています。区分けされていると、形や模様がとても分かりやすいので、机に並べて眺めながら、次の作品のイメージを膨らませたりしています。

仕上げに欠かせない「布巾」はこれと決めたものを

作品づくりに欠かせない道具たちですね。

•• ito to katachi ••
はい、細かい作業をするときに使用する爪楊枝や、スポンジ、布巾、桐のまな板、絵の具、モールドなどたくさんのものを使用して制作しています。


制作に使う道具は普段どのように選ばれているんですか?

•• ito to katachi ••
制作を始めた頃から、使用するアイテムはほぼ変わっていないんです。基本的には身近で手に入れやすいものばかりですが、磨きに使う「布巾」だけはこの落ち綿の布巾と決めています。目の粗さと布の質感が、仕上がり加減にちょうど良く、欠かせないアイテムになりました。

最後に作品制作で、いちばん大切にされていることをおしえてください

•• ito to katachi ••
陶土の素朴な素材感が引き立つ色づくりでしょうか。懐かしさや、あたたかみを感じる色合いに仕上げることで、華美になりすぎず、つける方の雰囲気にそっと溶け込むアクセサリーを届けたいですね。
かわいいコーディネートでもシックな装いでも、つける方に合わせて表情を変えてくれるアクセサリー、主役ではなく脇役として、やさしく彩りを添えられるような作品づくりをいつも心がけています。


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取材・文/中村瑛美里

 

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