今回は、和の雰囲気のアイテムをつくるときにおすすめしたい、和様(和風)のファインペーパーをご紹介します。
「和紙のような雰囲気で印刷できる紙」をお探しの方は多いのですが、和紙のような雰囲気とひとことでいっても、みなさんの頭の中のイメージは、柔らかい透け感のあるもの、揉み皺をつけたもの、繊維がはっきりと見えるもの、光沢をほどこしてあるものなど、本当にさまざまです。
和のアイテムをつくりたいという方に、よくおすすめする紙がありますので、いくつかをピックアップし、ご紹介します。
“地合い”のゆらぎが美しい「新局紙」
紙を光にかざしてみてください。透け方が均一なものと、不均一で、濃いところ薄いところがもやのように見えるものがあることに気づかれると思います。こうした繊維の分散の具合いを、専門的には“地合い”といいます。紙づくりの上で、その紙の個性を決定づける大きなポイントです。
こちらの「新局紙」は、明治時代につくられた越前の流れを汲む和紙「局紙」を、オフセット印刷にも対応したファインペーパーへと再現した紙です。“地合い”をあえて不均一にしてつくられた、かすかに透けるゆらぎが美しく、さりげなくも品のある印象を残します。
雅な輝きの「シャイナー」
和紙の製法には鉱物や貝、箔などを粉末にしてまぶし、紙に輝きをほどこす加飾技法がありますが、シャイナーはそんな和の輝きをイメージしてつくられたファインペーパーです。
カラーバリエーションは全6色。紙地に雲母のような輝きが敷きつめられ、雅な雰囲気がただよっています。
手揉みのような風合い「OKミューズガリバーもみしぼ」
こちらは、手揉み和紙の風合いをエンボスで再現したファインペーパーです。凹凸のある紙ではありますが、表面に印刷用の塗工をほどこしたラフ・グロスシリーズの紙ですので、オフセット印刷での発色が期待できるところも特徴です。
さいごに
透け感、輝き、手揉み風の質感といった3タイプをご紹介しました。東京・神保町の「見本帖本店」では、4月9日まで、和様のファインペーパーを用いた装画・装丁展を開催しています。今回ご紹介した「新局紙」「シャイナー」「OKミューズガリバーもみしぼ」の3種類に同じ絵柄を印刷した書籍カバーを展示していますので、質感を比較していただけますよ。
また、和様のファインペーパーはまだまだ種類がございます。36銘柄306種類でおつくりした梅の花のかたちのカードをご用意しました。おひとりさま5枚お持ち帰りいただけます。ぜひお近くのかたはお立ち寄りください。
それでは、次回もおたのしみに。
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編集 / 西巻香織 撮影 / 真田英幸