インタビュー

モビール作家ひらまりさん「心おどるシルエットモビールができるまで」

128名の作家さんといっしょにつくった、minneのクリスマスCM。今回は、そのクライマックスに登場する「モビール」を制作してくださった作家・ひらまりさんに、お話を伺ってきました。ロマンチックなモビールが届けてくれるのは、お気に入りに囲まれて過ごすたのしい時間です。

128名の作家さんといっしょにつくった、minneのクリスマスCM。今回は、そのクライマックスに登場する「モビール」を制作してくださった作家・ひらまりさんに、お話を伺ってきました。ロマンチックなモビールが届けてくれるのは、お気に入りに囲まれて過ごすたのしい時間です。

プロフィール

Image 02

ひらまり

モビール、ガーランド、切り絵をオリジナルデザインで制作する。

くるくる踊るシルエット

黒画用紙から切り出されたとは思えぬほどしなやかな動きを見せてくれる二人のシルエットは、モビール作家・ひらまりさんが今回のために制作してくださったオリジナル作品です。

その制作の裏側には、なんと20体ものシルエットが。

たくさんの制作、本当にありがとうございました。

ひらまり
最初は、ポーズちがいで70枚制作することになっていたので、すこし焦ってしまいましたが、実際のモビールを触りながらスタッフの方といっしょに打ち合わせしていく中で、モビールの特性や独特な動きをみなさんにご理解いただいて、絵コンテが変わっていきました。

シルエットが回転しながら上ってくる様子は、まさにモビールならでは。

ひらまり
打ち合わせも含めて、制作はとても楽しかったです。

ひらまり
モビールは、勝手にパーツがくるくると回ってしまうので撮影が大変だったと思います。それぞれのパーツを、糸で留めるべきか細い針金を使うべきかで制作スタッフの方も迷っておられましたね。ただデザインや動きを見たときに「糸で制作するほうが、ひらまり屋の作品”らしさ”が表現できる」という話になり、今回は糸を使用させていただきました。




判断の基準となった、ひらまりさんの作品”らしさ”。その作品へのこだわりや込める想いを伺うべく、今回はひらまりさんが作業されているご自宅までお伺いしてみました。

お気に入りに囲まれた作業スペース

まず迎え入れてくれたのが、愛犬のメルモちゃん。人懐っこく、愛嬌たっぷりです。いつもひらまりさんの制作を見守ってくれているんだとか。

天井の高いお部屋には、ご自身で制作されたモビールがたくさん吊られています。

作品が、お部屋のインテリアにたくさん取り入れられていますね。

ひらまり
そうなんです。部屋のインテリアにあわせて、モビールやガーランドなどいろいろと飾っていますね。普段からこのリビングで、自分の作品に囲まれながら制作していることが多いんですよ。

テーブルの上に広がる、今回の作品の図案を早速見せていただきました。




ひらまり
糸の長さで全体の印象がずいぶん変わるので、ミリ単位でデザインを決めてから制作しています。いつもはパソコンでカッティングデータをつくってしまって、機械で切り出しているんです。

ひらまり
今回はひとつひとつ違うポーズを細かにつくらなければいけなかったので、すべて手で切りました。ちょっと緊張しましたね(笑)。

「あったらいいな」が制作のはじまり

デザインはどこかで学ばれていたんですか?

ひらまり
実は絵をかくのも得意ではないですし、そういった技術を誰かから教わったことは、1度もないんです。独学と言いますか、自分でいろいろと試しながら、つくり続けて7年目になります。

モビール制作のきっかけは、あるひとつの商品との出会いだったそう。

ひらまり
オーストラリアに移住したころ、「引っ越ししたら飾ろう」と決めて購入したモビールがあったんです。きっとそのころから、モビールに興味はあったんですね。それが届いたとき、なんとなく「両端にもうちょっと飾りがあったらかわいいのにな」と感じたのが、きっかけだった気がします。購入したものに、自分の手でちょっと付け足してみたのがはじまりでしたね。

そこからオリジナル作品を生み出すようになったひらまりさん。




とても楽しみながら制作されている印象を受けます。

ひらまり
そうですね、本当にたのしみながらやれています。特にオーダーメイドは、とってもおもしろいですね。デザインの部分にかなり時間がかかってしまいますし、最初が大変なんですが。結婚式で使ってくださったり、ドラマで使用してもらえたり。よろこびの声をメッセージで届けていただいたりすると、本当にやる気になります。

ひらまり
特に「minne」のレビューがうれしくて。海外生活も経て思うのは、日本人って褒める文化があまりないのかもしれないですね。海外のマーケットで販売していると、買う気もないのにみんな「才能がある!」「最高だね!」なんて褒めてくれるんですよ(笑)。日本人は、素直だし遠慮がちなのでそういうことをあまり言わないですけれど、「minne」のレビューでは本当にうれしい言葉で褒めてもらえるので。どんどん頑張ろうと思えちゃうんですよね。

「他にはない」が最高の褒め言葉

褒めてもらっていちばんうれしいところはどんなところでしょう?

ひらまり
やっぱり「他にはない」と言ってもらえるのがうれしい気がします。たとえば、キャラクターに鍵や時計を持たせたり、糸を使わず連結させたり、他ではあまり見たことのない細かな工夫もたくさん凝らしているので、「これは見たことがない」「ひらまり屋らしい」と言ってもらえるのが、いちばんうれしいです。

ひらまり
今回も、実はずいぶん下絵の参考でいただいたものからは変わっているんですよ。女性らしいシルエットで、長い手足をやわらかに動かすとヒラヒラとスカートが舞うような。それでいてダンスはポップなテイストだったので、デザインに可愛らしさも必要だと思いました。シルエットも自分なりに書き起こして、まわりには月や雲、星をパステルカラー3色で追加してみました。恋で「世界がきらきら見える様子」を、モビールでなんとかあらわしたくて。

劇中ではその様子が、見事に表現されていました。二人のシルエットといっしょにくるくると動く、星や雲。心がおどるように、跳ねるように、そんなたのしい瞬間を、ひらまりさんのこだわりが演出してくれています。

小さな工夫と大きなこだわりをたいせつに

ひらまり
完成したCMを拝見して「こだわってよかったな」と思いましたね。本当に感動してしまいました。今回の参加はとても良い経験になったと思います。

ひらまり
やっぱり小さな工夫にこだわるのが好きなので。これからも、誰も見たことのないような小さな工夫で、「お部屋をたのしい空間にするアイテム」をどんどんつくっていきたいと思います。

ひらまりさん、素敵な作品を本当にありがとうございました!

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