オラ、コモエスタス。スペイン語で「やあ、ご機嫌いかが」だ。
これからガスパチョの作り方を“悪い猫軍団の団長”こと俺様が紹介するぜ。コック帽被った猫さんが紹介するはずだったが、奴さんはシャイで人前には出たくねえってもんだから、「クマと小鳥」の広報部長でもある俺様の登場とあいなった。それにしてもアロハシャツの前面にデカデカと登場してるくせしやがって、シャイもへったくれもないぜ。へったくれってなんだ?まあいい。前置きはこれくらいにして早速レシピの紹介に入るぜ。
野菜の準備。まずはトマトだ。青っちょろい奴より、熟れた赤い方がいいんだが、八百屋であんまり物色すると、怒られるから気をつけろ。俺様の場合、爪でトマトを傷だらけにしちまうからなおさらだ。こんな時はどんなに甘ったれた声で泣いても人間はとろけやしない。サザエさんばりに声を張上げるばかりだから、こっちもトマトをくわえて逃げるだろ。そうすると向こうは裸足で追いかけていく。みんなも笑ってるし、お日さまも笑ってる。ルルルルルルの一丁上がりだ。何の話だ。
そういうわけで、値段も安いし、安定してるからトマト缶を買うのが一番だ。皮を湯むきするメンドーも省けるしな。これぞ一石二鳥ってもんだ。
次にキュウリ一本とパプリカ、ないなら赤ピーマン、場合によっては緑ピーマンでもいいぜ、を一つ。あれ系があればいいんだよ。それにセロリと玉ねぎだ。
キュウリは皮をむいて、細かく切る。パプリカも同じだ。ちゃんとヘタの周りも使うんだぜ。セロリは葉の部分と茎の部分、お好みで適当だ。俺様も適当にやってんだから、他に言いようがない。
だいたい野菜の形はマチマチなのにレシピ本の奴はきっちりチマチマ書いてやがる、そっちの方がおかしいぜ。だろ?
玉ねぎは四分の一くらい、気持ち程度だ、をみじん切りにする。丸々一個使っても止めはしないが、目がシバシバするからやめておいたほうがいいぜって、そっちかい❗️
で、大きめのボウルにこれらをブチ込む、そんな親の仇みたいに扱わなくても普通に入れても問題はないぞ。
語尾を「ぜ」から「ぞ」に変えるだけで、とたんにクッキングパパに早変わりするぞ。
次に食パンを千切りながら加える。耳は入れるんじゃないぜ、耳を食べながら加えるのがお利口さんなやり方ってもんさ。
全部入れ終わったら、マッシャーか何かで潰すわけだ。言ったところで、トマトとパンがぐじゃぐじゃに混ざるだけだけどな。これをAとする。Aが出るからBもある。続いてBの準備だ。
まずニンニク2、3かけに唐辛子一本だ。ちゃんと国産にしなよ。スペイン産もムイビエンだ。
ニンニクはみじん切り、唐辛子は輪切りだ。輪切りの私ってね。何点かニャン。
しかし面白くないダジャレをオヤジギャグで片付けて、責任を全部オヤジになすりつけるのって男性蔑視表現にならないのか⁉️
このニンニクと唐辛子を多少深さのある小皿、なんでもいいぜ、豆腐の空きパックでも使えば、洗い物も減るって話だ、に入れる。
これにクミンを少々ふりかける。パッパッというところだ。続いてコショウ、こいつもパッパッとふりかける。
次に塩。塩は小さじ2、3杯だ。こいつは野菜どもの量に左右されるんだが、4杯は加えない方がいい、多分。
しかし士農工商の時代は終わっても、台所じゃ塩コショウの時代が続く。外交じゃ首脳交渉が物を言う。何の話だ。ガスパチョの話ニャン。
続いてオリーブオイルを大さじ4杯、ビネガー、酢っていいなよ、も大さじ4杯投入だ。豆乳は投入するんじゃねえぞ。
最後にレモンの野郎を半分、絞りこむ。この時、地場産のレモン、福岡なら糸島産だ、を使うと間違いなく種が入る。それが嫌な方はサンキストな奴でも使ってくれ。これらをよく混ぜたらBの出来上がりだ。
さっきのAにBを加え、よくかきまぜ、冷蔵庫で寝かせる。寝かせるだけに一晩だ。一晩も寝かせられないぜってセッカチさんは、ま、二時間は寝かせてくれ。
さあ、夜が明けたぜ。一番早い汽車に乗らなくていいから、最後の仕上げだ。
まずトマトジュースをコップ一杯くらい加える。コップ一杯って100ccか。まあいい。細かいことは気にするな。塩を入れすぎてたなと思ったら、多めに加えればいいだけの話さ。トマトジュースは食塩無添加の奴な。間違っても塩入りでするんじゃねえぞ。
加えたら、ハンドミキサーでガーガーガーだ。野菜の形が見えなくなるまでガーガーしろ。
ガーガーし終わったら、ザルでこす。ザルがなかったら濾し器でもいいぜ。濾し器は持ってねえから、ここではザルでのやり方の紹介だ。鍋かなんかにザルを置き、レードルで数杯すくっては、木ベラなんかでこす。すくってこすの繰り返しだ。で、めでたくガスパチョの完成だ。
ウンモメントポルファボール、スペイン語で「ちょっと待って下さい」だ。
ザルにはこした残りカスがあるはずだ。これを捨てるのはもったいない。台所を眺めると、ガスパチョを作る時に使わなかったセロリや玉ねぎの残りが所在無げにいるはずだ。こいつらを全部みじん切りにして、残りカス共々、豚ミンチと一緒に炒める。ニンニクも参加させるんだぜ。これにカレー粉とクミンを加えさらに炒めれば、即席キーマカレーの出来上がりだ。半分残ったレモンもカレーにかければ、材料は全て使い切って完了って寸法さ。
コラージュアロハ「ガスパチョの作り方」の背中に図解が描いてあるから、そっちも参考にしてくれ。
これで俺様こと“悪い猫軍団の団長”の料理教室はおしまいだ。
分からないことがあったら質問してくれ。
じゃあな。アディオス‼️