● ウランガラス(ウラニウム着色ガラス)について
UVライト(ブラックライト)の照射で鮮やかな緑色に妖しく光る特殊なカラーのガラスです。
主に純度の高い淡い黄色、ついで緑色(他の資材の混ぜ合わせによる色変化)で占めます。当店では主にチェコで生産されたウランガラスを扱っています。
https://minne.com/items/776719
https://minne.com/items/38962567
● どうして光るの?
着色にウランを使用し、その特性を生かした蛍光色を楽しめます。ウラニウムガラスはウラン酸化物を添加することで製造されます。通常は淡い蛍光色ですが、紫外線光源の下では放射線を吸収して可視光に変換する結果、鮮やかに発光します。
● そもそもウランって何?
ウランは自然界から採れる放射性重金属です。地球上の岩石のほとんどに存在します。海水中からも発生します。
発見者はドイツの化学者マーティン・クラプロートで、当時発見から間もなかった Uranus(天王星)にちなんで名付けられました。
採掘されたウラン鉱石の多くは原子炉燃料として活用されます。ウランは世界の電力の10%ほどを占めます。
https://minne.com/items/5969944
https://minne.com/items/1264931
● ウランガラスの安全性と取り扱いについて
現在生産されているウラニウムガラスに含まれるウランの量はごくわずかであり、微弱な放射線を放出しますが、通常の使用条件下では健康に害を及ぼすものではありません。
自宅に飾ったり、直に触れても支障はありません。ですが、削った粉を口に含んだり、常飲したりしないよう良識的な範疇でお楽しみください。それらは積極的に摂取する行為にあたります。
現在の安全性の基準において生産された食器類の使用は、健康被害の懸念はほぼ問題ありませんが、一方でアンティーク等の経年のある製品は、実用品ではなくあくまで観賞用です。軽微な破損や汚損といったダメージが見受けられることがある上に、国内で流通している舶来品のアンティーク食器類の多くは、食器用途としての検疫検査を通していません(観賞用としての利用目的であれば、届け出のみ、無検査で輸入が可能)。
ウランガラスに限らず、チェコビーズ、雑貨の破損には十分注意し、丁寧にお取り扱いください。
https://minne.com/items/2882254
https://minne.com/items/20771654
● ウランガラスの誕生・生産について
ウランガラスの製造および生産には複数の国、人物、企業が携わっていますが、一般的にはフランツ・リーデルが初の生産者、チェコが起源とされています。
チェコにおけるウランガラスの誕生は、19世紀に当時ボヘミアのハプスブルク家の銀山から抽出されたウランをガラスに添加したことが始まりです。
フランツ・リーデルは製造した黄色と緑のウランガラスにそれぞれ”アンナ・ゲルブ(アンナ・イエロー)”、”アンナ・グリュン(アンナ・グリーン)”と娘の名前を冠しました。
以降、チェコをはじめとして、ヨーロッパ各地のガラス工場でウランガラスが生産されるようになり、20世紀初めまで数多くのウランガラス製品が生まれています。
日本でも米国から製造技術が伝わり生産されるようになりました。
規模の大きい生産地は米国ですが、大戦時下ではウラン供給が政府の元に集約されたため、ウランガラスの生産は一時ストップします。冷戦後の規制が撤廃されて以降は、ピーク時に比べてはるかに少ないものの世界各地(主に米国、チェコ)で生産され続けています。