皆様こんにちは、「リーゼの庭」店主のリーゼ・ロッテでございます。
今回は、時間をかけてしっかりと乾燥させた「乾燥マンドレイク」のお話をいたします。
そもそもマンドレイクはどういった植物なのかと申しますと、ナス科の植物で根が人のように見える薬草でございます。
アルカロイドのアトピン、スコポラミンという毒成分を持ち、根には幻覚や幻聴、時には死に至るほどの神経毒を含みます。
薬草の知識を持つ魔女たちは、毒草を薬草にし、鎮静薬や鎮痛薬を作り出したのです。
当店では開店当時からマンドレイクを扱っており、出来るだけ新鮮な個体をと採れたてのマンドレイクをご用意しておりました。
とはいえ、収穫数が見込めない時期もありどうしたものか…と考えていた時に乾燥させて長持ちさせればよいのでは?と思いついたのです。
乾燥させることによって栄養が凝縮され、そして長期保存も可能になる。先人の知恵というのは素晴らしいですね!
準備を始めたのは、真夏の収穫祭の頃。
たくさんのマンドレイクが収穫できたので土を洗い落とし、いくつかの個体を麻紐でくくって風通しのよい暗い窓際で干しておりました。
根が固いので見ただけでは乾燥した様子が分からず半年ほど干して様子を見ていたのですが、冬の乾燥した風のお陰でようやくシワが入りいました。
硬さがあり太いので、やはり乾燥させるのに向いているのは秋~冬頃ですね。
さてこの「乾燥マンドレイク」をどのように扱うかですが、冒頭でもお話した通り薬草としてお使いいただくとよいでしょう。
長期保存が可能なのでそのまま保存するならば、保存瓶に入れるか麻紐でくくって風通しの良い日陰に干します。
旅や冒険の回復アイテムとして持ち歩くならばナイフで使いやすい大きさに切り分け、小瓶や小袋に入れて保管してくださいね。
薬にする方法は2つ。粉薬か煎じ薬です。
どちらにせよ苦みとえぐみが強いので、飲み込みやすい方を選ぶか装備に合わせて作ってください。
粉薬にするなら乳鉢で粉状になるまでよくすり潰します。凝固の魔法が使える方は粒状にすると飲みやすいですよ。
煎じ薬は、「乾燥マンドレイク」を家の目立つ場所に置き3日間放っておきます。そして、水に入れ一晩かけて戻します。
この工程を行うことで、「乾燥=冬眠状態」のマンドレイクの励起(エネルギーを呼び起こすこと)ができ、より効果の強い薬を作ることが出来ます。
最後に戻し汁と共に戻したマンドレイクを煮出して煎じ薬の完成です。
煎じ薬は少々手間がかかりますが、励起させることによって得られる効果も上がりますよ。
そういえば「乾燥マンドレイク」を戸棚にしまった時に、奥からやけに古い瓶詰めを見つけたんです。
せっかくですし次のレターではその瓶詰のお話でもいたしましょう。
それでは皆様、また次回お会いいたしましょう。
Riese