スパンコットンオーナメントは19世紀のドイツで生まれました。
針金と綿と糊で作られた素朴でユニークな手のひらサイズの人形です。
19世紀のドイツのクリスマスツリーはガチョウの羽根を緑色に染めたものからできていて、
スパンコットンオーナメントはその木を飾る装飾品として
職人によって作られていました。
その羽毛のツリーがドイツ国内で広がっていくとすぐに人気が高まり、
オーナメントは職人だけではなく家庭の主婦が空いた時間に作るようになっていきました。
そのうち羽毛のツリーはオーナメントとともにアメリカやイギリスにわたり、
かなり人気が出たそうです。
テクスチュア―は紙粘土のような印象です。
モチーフは女の子、ねこ、犬、サンタや雪だるまなどいろいろあり
リアルだったり、大胆だったり、様々な表現で作られています。
クリスマス物のせいかキラキラした粉が降りかかっているものが多く
キラキラの粉にもいろんな種類があるようです。
当時のスパンコットンオーナメントの作り方についての情報はほとんど残っていませんが、
現在アメリカやヨーロッパでは専門の作家もたくさんいて、
それぞれの解釈で独自に技術を研究してすてきな作品をたくさん作っています。
端正な美しいお人形もあれば、センスの良いステキなものもあり
ため息が出ます。
私のツボにはまるような脱力感に充ち満ちたキュートな作品には
ハートを撃ち抜かれ、気絶しそうになることもしばしばです。
スパンコットンオーナメントはクリスマスオーナメントとしてだけでなく、
アートとして発展しているのです。
私も試行錯誤しながら、自分なりの解釈で少しづつ作っています。
基本的な材料は針金と綿と糊ですからどこでも手に入りますが
糊の調合や綿の選び方、綿の巻き付け方などなど
簡単なようでなかなかてこずります。
ヨーロッパの方でふんだんに使われているキラキラの粉は
いまのところ日本では手に入らないようです。
似たものはありますが。
職人が作っていたものを、家庭の主婦が作るようになっていったなんて
ステキな話です。
自分も作りたい!自分で作ってみたい!という思いが強かったのですね。
そして今、そんな人形たちにインスパイアされてたくさんの魅力ある作家が育っているのも
素晴らしいことです。
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