ハンドメイドマーケット minne(ミンネ)
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コラム① 幻の ✪ベルリンガラス✪

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ベルリンガラスは、ガラスの内部にブラックのスカラップ柄(✪❂←このような)を施したハンドメイドのアンティークガラスです。 2000年頃までは、まだ稀にであっても見つけられたベルリンガラス。 アイリスガラスやサフィレットガラス等と同じ、しかし遥かに珍しいコレクターズアイテムでしたが、今や幻のガラスと言っても過言ではないレアガラスに…  元々はジョージアン ブラック ポイント ペーストという、オールドカット(後述のように平らなキューレットを持つダイヤモンドはマイン、ヨーロピアンとありますが、キューレットがより大きく黒く見えるのがオールドマイン)ダイヤモンドの模造ガラスの模造ガラスとしてドイツで生産されたものがベルリンガラスです。 ジョージアンブラックポイントペーストとは、文字通りペーストの底部にブラックのポイントを入れたペーストガラスで、ラウンドブリリアントカットのように底面(キューレット)が尖っていない、平らなオールドカットのダイアを模した、ジョージ王朝時代のミミックガラスです。オールドカットダイヤモンドは、正面から見ると中央の底面部分のキューレットが黒い点状に見えるので、黒い塗料を底面に入れたペーストがオールドカットダイアに似て見えるのです。  しかし多彩なガラスの産地であったドイツ、ベルリンガラスも単なる模造ガラスの模造ガラス(ジョージアンダイヤモンドの模造ガラスであるジョージアンブラックポイントペーストの模造ガラス)に留まっていたわけではありません。ジョージアンのダイヤモンドジュエリーの特徴の一つに、地金にダイヤモンドそのものを埋め込む形のものが見られます。その地金に、スターバーストという星型の放射状のジュエリーのように見立てて、中心に置いたダイヤが光を放っているように見える線を形作る型があるのですが、そのダイヤモンドと地金のコンビネーションをひとつのガラスによって模したものがベルリンガラスなのです。他にはないとてもユニークで大胆な発想で、はっきりとしたコントラストの色の組み合わせも当時としてはかなり前衛的と言いますか、モダンなものであったと想像出来ます。また、フォイルバックでゴールドカラーのメタルと組み合わされているものが多くあり、シルバーカラーによく合う冷たい硬質なペーストガラスの輝きとはまた一味違って、これもまたジョージアンの地金に包まれた温かみのあるダイヤモンドの色合いを見事に再現しています。一目でそれと分かるその一風変わった魅力は、画像でも十分感じて頂けると思います。ベルリンガラスは、ベルリンアイアンと共にダイヤモンドの代用品を超えた芸術性をもつドイツを代表するジュエリーと言えます。  残念なことに、現在ベルリンガラスを探すことには少々困難が伴います。2000年頃までは、数は少なくてもサフィレットガラスやアイリスガラスと並ぶコレクターアイテムでしたが、今やそれらの比にならない遥かに希少なガラスとなっています。ベルリンガラスの元々のインスピレーション源であるジョージアンのダイヤモンドジュエリー、ジョージアンブラックドットペーストのジュエリーの市場は活況(それでもペーストの絶対量からは少ない)ですが、ベルリンガラスは生産数自体が少なかったと思われ、今では殆ど見られなくなってしまいました。このままでは数の意味以外にも、知る人自体少ない幻のガラスになってしまうかも知れません。 ちなみに、海外でベルリンガラスと呼ばれているのはスカラップ模様の入ったガラスです。イギリスのヴォクソールガラスを後にチェコスロバキアでも生産したように、チェコスロバキア製のブラックの様々な模様入りのガラス(サフィレットの一部にブラックのペイントが入ったものも含む)もありますが、それらもベルリンガラスと呼ぶのかは分かりません。それぞれのコレクターには定義を厳密に捉える原理主義的な方も居て、そのような視点から見ると、サフィリーンがサフィレットとは異なるように、本来はヴォクソールガラスはイギリス製のもの・サフィレットはチェコスロバキア製のもの・ベルリンガラスはドイツ製のもの、となるでしょう。他国で生産されたものや模様の異なるものはベルリンガラスのバリエーションの一つではあるのでしょうが、ドイツ産の、ジョージアンブラックドットペーストの模造ガラスまたはジョージアンダイヤモンドジュエリーの模造ガラスという、ダイアモンドのミミックガラスであるというベルリンガラス本来のポジションとは、意味合い的に異なって来ます。
ベルリンガラスは、ガラスの内部にブラックのスカラップ柄(✪❂←このような)を施したハンドメイドのアンティークガラスです。 2000年頃までは、まだ稀にであっても見つけられたベルリンガラス。 アイリスガラスやサフィレットガラス等と同じ、しかし遥かに珍しいコレクターズアイテムでしたが、今や幻のガラスと言っても過言ではないレアガラスに…  元々はジョージアン ブラック ポイント ペーストという、オールドカット(後述のように平らなキューレットを持つダイヤモンドはマイン、ヨーロピアンとありますが、キューレットがより大きく黒く見えるのがオールドマイン)ダイヤモンドの模造ガラスの模造ガラスとしてドイツで生産されたものがベルリンガラスです。 ジョージアンブラックポイントペーストとは、文字通りペーストの底部にブラックのポイントを入れたペーストガラスで、ラウンドブリリアントカットのように底面(キューレット)が尖っていない、平らなオールドカットのダイアを模した、ジョージ王朝時代のミミックガラスです。オールドカットダイヤモンドは、正面から見ると中央の底面部分のキューレットが黒い点状に見えるので、黒い塗料を底面に入れたペーストがオールドカットダイアに似て見えるのです。  しかし多彩なガラスの産地であったドイツ、ベルリンガラスも単なる模造ガラスの模造ガラス(ジョージアンダイヤモンドの模造ガラスであるジョージアンブラックポイントペーストの模造ガラス)に留まっていたわけではありません。ジョージアンのダイヤモンドジュエリーの特徴の一つに、地金にダイヤモンドそのものを埋め込む形のものが見られます。その地金に、スターバーストという星型の放射状のジュエリーのように見立てて、中心に置いたダイヤが光を放っているように見える線を形作る型があるのですが、そのダイヤモンドと地金のコンビネーションをひとつのガラスによって模したものがベルリンガラスなのです。他にはないとてもユニークで大胆な発想で、はっきりとしたコントラストの色の組み合わせも当時としてはかなり前衛的と言いますか、モダンなものであったと想像出来ます。また、フォイルバックでゴールドカラーのメタルと組み合わされているものが多くあり、シルバーカラーによく合う冷たい硬質なペーストガラスの輝きとはまた一味違って、これもまたジョージアンの地金に包まれた温かみのあるダイヤモンドの色合いを見事に再現しています。一目でそれと分かるその一風変わった魅力は、画像でも十分感じて頂けると思います。ベルリンガラスは、ベルリンアイアンと共にダイヤモンドの代用品を超えた芸術性をもつドイツを代表するジュエリーと言えます。  残念なことに、現在ベルリンガラスを探すことには少々困難が伴います。2000年頃までは、数は少なくてもサフィレットガラスやアイリスガラスと並ぶコレクターアイテムでしたが、今やそれらの比にならない遥かに希少なガラスとなっています。ベルリンガラスの元々のインスピレーション源であるジョージアンのダイヤモンドジュエリー、ジョージアンブラックドットペーストのジュエリーの市場は活況(それでもペーストの絶対量からは少ない)ですが、ベルリンガラスは生産数自体が少なかったと思われ、今では殆ど見られなくなってしまいました。このままでは数の意味以外にも、知る人自体少ない幻のガラスになってしまうかも知れません。 ちなみに、海外でベルリンガラスと呼ばれているのはスカラップ模様の入ったガラスです。イギリスのヴォクソールガラスを後にチェコスロバキアでも生産したように、チェコスロバキア製のブラックの様々な模様入りのガラス(サフィレットの一部にブラックのペイントが入ったものも含む)もありますが、それらもベルリンガラスと呼ぶのかは分かりません。それぞれのコレクターには定義を厳密に捉える原理主義的な方も居て、そのような視点から見ると、サフィリーンがサフィレットとは異なるように、本来はヴォクソールガラスはイギリス製のもの・サフィレットはチェコスロバキア製のもの・ベルリンガラスはドイツ製のもの、となるでしょう。他国で生産されたものや模様の異なるものはベルリンガラスのバリエーションの一つではあるのでしょうが、ドイツ産の、ジョージアンブラックドットペーストの模造ガラスまたはジョージアンダイヤモンドジュエリーの模造ガラスという、ダイアモンドのミミックガラスであるというベルリンガラス本来のポジションとは、意味合い的に異なって来ます。
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