μερμήριξε δ᾽ ἔπειτα βοῶπις πότνια Ἥρη
ὅππως ἐξαπάφοιτο Διὸς νόον αἰγιόχοιο:
ἥδε δέ οἱ κατὰ θυμὸν ἀρίστη φαίνετο βουλὴ
ἐλθεῖν εἰς Ἴδην εὖ ἐντύνασαν ἓ αὐτήν,
εἴ πως ἱμείραιτο παραδραθέειν φιλότητι
ᾗ χροιῇ, τῷ δ᾽ ὕπνον ἀπήμονά τε λιαρόν τε
χεύῃ ἐπὶ βλεφάροισιν ἰδὲ φρεσὶ πευκαλίμῃσι.
そこで牛眼の女神へレは考えた、
どうやってアイギス持つゼウスの心を騙そうかと。
そしてこの最上の考えが心に浮かんだ、
―しっかりと身支度をしてイデ山へ行くこと―
そうやって彼が欲に駆られて肌を寄せて
添臥しようとしたら、彼の瞼と抜け目ない心に
安らかで温かい眠りをふりかけてやろう。
(『イーリアス』14.159-65)
紀元後2世紀のローマで作られた冠のデザインをもとにしたカチューシャです。
かつては高貴な身分にしか許されなかった紫色と、蠱惑的で艶やかな赤色のビジューで彩り、
端には神々の王ゼウスの聖鳥である鷲と、その妃ヘーラーの聖鳥である孔雀のチャームをつけました。
(参考文献:河島思朗『古代ローマ ごくふつうの50人の歴史 ――無名の人々の暮らしの物語』2023、さくら舎)
μερμήριξε δ᾽ ἔπειτα βοῶπις πότνια Ἥρη
ὅππως ἐξαπάφοιτο Διὸς νόον αἰγιόχοιο:
ἥδε δέ οἱ κατὰ θυμὸν ἀρίστη φαίνετο βουλὴ
ἐλθεῖν εἰς Ἴδην εὖ ἐντύνασαν ἓ αὐτήν,
εἴ πως ἱμείραιτο παραδραθέειν φιλότητι
ᾗ χροιῇ, τῷ δ᾽ ὕπνον ἀπήμονά τε λιαρόν τε
χεύῃ ἐπὶ βλεφάροισιν ἰδὲ φρεσὶ πευκαλίμῃσι.
そこで牛眼の女神へレは考えた、
どうやってアイギス持つゼウスの心を騙そうかと。
そしてこの最上の考えが心に浮かんだ、
―しっかりと身支度をしてイデ山へ行くこと―
そうやって彼が欲に駆られて肌を寄せて
添臥しようとしたら、彼の瞼と抜け目ない心に
安らかで温かい眠りをふりかけてやろう。
(『イーリアス』14.159-65)
紀元後2世紀のローマで作られた冠のデザインをもとにしたカチューシャです。
かつては高貴な身分にしか許されなかった紫色と、蠱惑的で艶やかな赤色のビジューで彩り、
端には神々の王ゼウスの聖鳥である鷲と、その妃ヘーラーの聖鳥である孔雀のチャームをつけました。
(参考文献:河島思朗『古代ローマ ごくふつうの50人の歴史 ――無名の人々の暮らしの物語』2023、さくら舎)