minneのアトリエ 神戸で開催された、鳥待月さんによるつまみ細工のワークショップの様子をご紹介。今回は「はんくす」と呼ばれるレトロでかわいいダリアのお花のクリップをみなさんで手づくりしました。
プロフィール
つまみ細工の鳥待月さん
minneのハンドメイドマーケット2018の会場でもワークショップを開催された人気つまみ細工作家の鳥待月(とりまちつき)さん。絹だけにとどまらない多様な生地選び、繊細なグラデーションや配色など、こだわりのつまった作品を手がけられています。
江戸時代より伝わる伝統工芸
「つまみ細工」とは江戸時代より伝わる伝統工芸の技術で、名前のとおり正方形の生地をつまんで折りたたみ、組み合わせることによって形をつくっていきます。さまざまな技法があり、それらを組み合わせることで多彩な世界を表現することができます。
今回のワークショップでは、ちりめん生地を折りたたみ、とがった花びらをつくる「剣つまみ」という技法を用いてダリアのヘアクリップを手づくりしました。
大中小の正方形の布から生まれるダリア
いよいよ作業スタート!
鳥待月さんが準備された、はんくすの土台、使用するパーツ、接着剤、大中小の大きさにカットされた正方形のちりめん布を大きさ順にわけて並べます。
ちりめん素材やピンセットの扱いに早く慣れるために、小さい布から折っていきます。
小さくカットされた布を指で折っていくのはひと苦労。最初の慣れないうちはピンセットで持つだけでも大変です。
利き手にピンセットを持ち、反対側の人差し指と親指で小さなちりめんをつかみ、ピンセットを上手に使いながら、慎重にちりめんを折りたたんでいきます。
鳥待月さんは、ひとりひとりのもとをまわり、みなさんに見えやすいようにと折り紙を使って丁寧に丁寧に折り方を説明されていました。
剣つまみのつまみ方
まずは「剣つまみ」のつまみ方を学びます。
ピンセットを使って四角のちりめんを三角になるように半分に折ります。
さらに半分に折っていき、布の裁ち目にボンドをつけます。
ボンドをつけたところをぎゅっとつまめば「剣つまみ」が完成です。
今回はこの剣つまみの花びらを合計36個つくっていきます。
一見シンプルな作業ですが、生地がとても小さいので、みなさん集中して作業されていました。
その間も、鳥待月さんはみなさんがつくった剣つまみを見て回り、ピンセットの動かし方やボンドの分量など作業工程のひとつひとつを丁寧におしえてくれます。
なかでも印象的だったのは「つまみ細工は布選びがとても重要」ということ。そして、その布に合ったのりを使うことも上手につくるポイントだそうです。
初心者の方はもちろん、今までご自宅でつくられていた方にとっても、鳥待月さんのお話は目から鱗の情報がたくさん。
逆に、参加者のみなさんからは美味しい神戸のパン屋さん情報をおしえてもらうなど、とてもたのしい雰囲気で作業がすすみました。
花びらができあがれば、再びボンドを使って土台の「おちりん」に接着していきます。
1列目は、小さいサイズの花びら6枚を「おちりん」の真ん中に合わせて均等になるようにのせていきます。花びらをのせたあと、ボンドが乾かないうちにピンセットを使ってバランスを整えていきます。
2列目は、中くらいのサイズの花びらを1列目の花びらと花びらの間に並べていき、ボンドが乾かないうちに花びらが「おちりん」の真ん中から対角線上に並んでいるかを確認しながら微調整します。
3列目は、中くらいの花びらに少し空気を含ませふっくらさせて、2列目の花びらの間にふたつずつ並べていきます。同じサイズの花びらでも少しボリュームを出すことで全体的に丸みがあり、どこから見ても綺麗な仕上がりになります。
4列目は、大きいサイズの花びらを3列目の花びらの間に並べていき、全体のバランスを整えたら、いよいよ完成間近。
最後に金具用の接着剤で座金とパールをつけて完成です。
完成した作品は、アトリエ内の撮影ブースを使って、みなさん思い思いのかわいい角度を探しながら記念撮影をたのしまれていました。
赤、白、ピンク、水色。色とりどりの作品が並ぶとさらに華やかですね。
完成した作品は崩れないように箱にしっかり固定してお持ち帰りいただきました。
会場には、鳥待月さんが普段制作されている作品や、ご出版された作品集も。繊細で美しい作品に、みなさんうっとりされていました。
鳥待月さんのワークショップは、つまみ細工の魅力をさらに知ることができるとても素敵な時間でした。ぜひ完成した作品を身につけて、おしゃれをたのしんでくださいね。
鳥待月さん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
minneでは、随時さまざまなイベントを開催しています。ぜひチェックしてみてください。