今回は作品づくりの、のりや接着剤、テープを使ったシーンに注目してみました。見えてきたのは、「ほんの些細な注意の払い方」「道具の使い方」が生み出す、作品の完成度の違い。
“貼る”は「つくる」の基本なのです。
「貼る」でつくる
作家さんにとって、“貼る”とはどういう作業でしょう。普段から“貼る”をたいせつに作品を制作されている、ぺーパークラフト作家のマゴクラフトさんにお話をうかがいました。
「わたしたちが使っている『紙』は不思議な素材で、薄くてやわらかいのに、折り曲げて接着すると途端に強度が高まります。そのため、組み立てるためだけではなく、強度が不足する部分にあえてのりしろをつけたりと、設計段階から常に“貼る”ことを意識して制作していますし、道具選びもとても重要です」。
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「貼る」をあたらしく
「貼るって、こんなに変われる。」をコンセプトに登場したコクヨの「GLOO」。スティックのり、テープのり、瞬間接着剤、テープカッターといった、お馴染みの“貼る”道具たちに、「ああ、ずっとこんなふうに使いたかったんだ」と気づきを与えてくれるような機能が備えられています。どんなインテリアやシーンにも馴染んでしまう、飾って眺めていたくなるほどのシンプルで美しいフォルム。それでいて、あっと驚くような機能性。“貼る”を見つめなおし、あたりまえを変えることで“貼る”をより豊かなものにしたいという願いが込められたプロダクトです。
カドまで「貼る」
実際に、GLOOを使って「おうち」を組み立ててみます。
面積の小さい部分には「テープのり」を使用します。普段は両面テープを使われることが多いそうですが、「テープのり」を使えば「長さを測ってあらかじめ両面テープを切る」「紙を剥がす」といった手間もなく、簡単に組み立てることができます。
組み立てたフレームを背面に貼り付けるのは「スティックのり」で。
組み立てると、おうちの形の壁掛けフレームが完成しました。スティックのりや、テープのりを使って、カドまでしっかり貼ることができているので、強度にも不安がありません。
ここからは、おうちモチーフを使ってデコレーションをほどこしてもらいます。GLOOを使ったペーパークラフトコレクションをおたのしみください。均一に「貼る」
芝のペーパーに「テープのり」をつけて、おうちモチーフの背面に接着します。素早く均一に接着面をつくることができるので、広い面積の使用にも便利。
フックを裏面に仕込んで接着すれば、壁掛けタイプの「ブローチホルダー」が完成しました。このままギフトとして贈るのもいいですね。強力に「貼る」
金属パーツの接着には、「瞬間接着剤」を使用します。 赤色の液体なので、接着面や使用量も目で見てわかりやすいのがうれしい。約15分経つと光に反応して色が消えるため安心です。
アイスの棒でつくった、お城のような扉です。そっと開けば…
フォトフレームになっています。背面に、テープのりで写真を接着しているんですね。
特殊なノズルで、「点」としての接着以外にも「線」を描いて接着することも可能です。 容器の先が半透明になっているので、接着剤が出てくる様子もよくわかり、「液体が飛び出してしまう」「つい、出し過ぎてしまう」という心配もありません。
ミニチュアのキッチンが完成しました。お部屋のインテリアにぴったり。小物のパーツ類は瞬間接着剤を、背面のタイルシートはテープのりを使って、それぞれ接着しています。片手で「貼る」
仮止めや、大胆に接着したいときはセロハンテープが便利です。GLOOのテープカッターは、片手でもテープが切れるよう、底面に軟質シリコン樹脂製の吸盤が付いています。
木目のような、吸盤がつきにくい素材で使用する際は、同封されている専用の補助シートフィルムを使用すれば、安心して片手で使うことができました。垂直に持ち上げると、この通り。通気口のある特殊な吸盤なので「くっついて、離れない」ということはありません。ボディも軽く、持ち運びもらくらくです。「貼る」を掛け合わせる
スティックのり、テープのり、瞬間接着剤、テープカッター、4種類のGLOOを掛け合わせ、さらにたくさんの「おうち」を制作いただきました。
ピアスを引っ掛けることができる「ピアスホルダー」。背面は、なんとミラーになっています。パーツのサイズや素材にあわせてGLOOを使い分け、大きな面、小さな面、複数の接着を叶えています。
砂利をしいて完成した、和の雰囲気たっぷりの石庭。
芝や小石は瞬間接着材で強力に。砂利の模様は、陰影をプリントした台紙にスティックのりを全面に塗り、砂を撒いて表現しています。
「自撮り用LEDクリップ」を瞬間接着剤で取り付けて完成したのが、この作品。カバーは光を透過する素材を加工して制作されています。
ひとサイズ小さい「おうち」を重ねてテープのりで接着してつくる、「GLOO専用巣箱」。テープのりが、小鳥のようにかわいく収納できるのです。
黒板シートを接着すれば、小さなメモボードの完成です。煙突には、チョークがすっぽり。「貼る」の可能性は無限大
こうして“貼る”を掛け合わせ、マゴクラフトさんに合計8点の「おうち」の壁掛けをつくっていただきました。“貼る”の可能性を見直すことで、溢れ出すアイデア。まだまだたくさんの作品を生み出すことができそうです。
何かと何かをくっつけ、新しい何かを作り出す作業。思いも寄らない組み合わせを生み出してくれるのも“貼る”というアクションです。機能的で、美しい。だから、使いたくなる、つくりたくなる。そばに置くアイテムで、“貼る”のたのしさがきっと変わります。みなさんの「貼る」もお待ちしています。
マゴクラフトさんに、改めてうかがってみました。
あなたも「GLOO」で、あたらしい“貼る”に挑戦してみませんか。
取材・文 / 中前 結花 撮影 / 真田 英幸