本との出会い
やさしい風合いの「水彩画」が好きで、以前から水彩で描かれたポストカード集めを趣味にしていました。ところが先日、絵具について取材させていただく機会があり「自分で描けなたら、どんなに素敵だろう」と思うように。はじめるきっかけになれば、と手にしたのが、この『旅の時短スケッチ』でした。旅先で水彩画をたのしむ…、そんなことが、不器用なわたしにもできるでしょうか?
まずは道具選びから
初心者にもやさしく、道具選びについても丁寧に説明されています。「旅先でたのしむ」というのがこの本のテーマですから、道具もコンパクトで手軽なものばかり。これなら、構えずにはじめられそうです。「水筆」は使ったことがなかったので、これを機に購入してみました。
もちろん、スケッチの方法についてもしっかり説明があります。ポイントは「影の描き込み」とのこと。なるほど、勉強になります。「描いたあと」の提案も
わたしは「絵日記」に挑戦しようと手に取りましたが、友人に贈る「旅のおみやげ」にさらっと添えてみるのも、素敵なアイデアです。「描いたあと」の提案もしてもらえる一冊になっています。
では、さっそく。
いきなり「旅先」というのも不安ですから、まずは机に座って練習してみたいと思います。「ワンシーンを描く」に挑戦です。
手近なところにあった、「ぽんかん」と「だるま」を描いてみることにします。水に強いというピグマペンでさらさらと。
買ったばかりの水筆を使って色塗りです。濃淡を上手くつけるには…?わからなくなったら、本を見て、またさらさら。
最後に、描き損ねていた影を足してみました。何度でも重ねられて、そこが味になるのがいいですね。読み終えてみて
けっして「上手!」とは言えませんが、準備からはじめて、たのしく10分程度で完成しました。さすが「時短スケッチ」。ちょっとしたお出かけや旅先でも試してみたくなりました。これは、はまってしまいそう。さっそく携帯用のパレットを購入したいと思います。
本の中では、あべまりえさんの美しいスケッチをたくさんたのしむこともできるので、「絵を描いてみたい人」にも「素敵な絵をたくさん眺めたい人」にもおすすめです。春の花の開花がたのしみなこの季節。ぜひお手に取って「時短スケッチ」をはじめてみてはいかがでしょうか。
取材・文 / 中前結花 撮影 / 真田英幸