特集

【今月の道具】 三協ファスナーのYKKファスナー

【PR】毎月、ものづくりに欠かせない「定番のアイテム」を1品だけご紹介する連載「今月の道具」。今回の主役は、バッグやポーチ、洋服や靴…注意して身のまわりを見わたせば、その数に驚かされるはずの「ファスナー」。その中でも定番として愛されている「YKKファスナー」について、三協ファスナー株式会社にうかがってきました。ご応募いただいた方の中から抽選で特別なプレゼントも。

応募はこちらから

あらゆる「開閉」を担う

ひと針ひと針丁寧に仕上げられた刺繍、手染めされた革や、編み上げられたニット、そんなこだわりの素材たちが、バッグや洋服といった「作品」に生まれ変わっていく工程があります。

ー 作品の全貌が見えてくるようで、たのしい。

そんなふうに語ってくださる作家さんも多い、加工の作業。そんな工程で登場することの多い「ファスナー」が今回の主役です。手芸を愛するひとから、有名ブランドのデザイナーまで、絶大な信頼を寄せているのが、言うまでもなく定番の「YKKファスナー」。あらゆるアイテムの開閉を担う、頼もしい存在です。

今回は、YKKファスナーの正規加工販売会社である、三協ファスナー株式会社にお邪魔し、数千種類のファスナーを見せていただきました。永く愛される理由や今後の展開についてお話いただきます。

心おどるショールーム

東京・浅草橋の営業所に構える、この4月にオープンしたばかりの「ショールーム」で、代表取締役の薩摩さんにお話をうかがいました。

 

色ごとに分かれていて見事ですね…、並べるとこんなに素敵な眺めになるなんて驚きました。

薩摩さん
ありがとうございます。まだ完成していない棚もあるのですが、大急ぎで準備しました。念願のショールームなので、たくさんの方にご覧いただきたいですね。

 

このショールームにいらっしゃるのは、どのような方でしょうか?

薩摩さん
今は、お取り引きのある既存のお客さまにご覧いただいていますが、今後は個人の作家さんを含め、さまざまなお客さまにご覧いただきたいと考えています。テープの色はもちろん、ファスナーチェーンの種類、引き手や留め具の種類をお選びいただいて、この場でご希望のサイズにカットしてご提供することができますので、ぜひ1度お立ち寄りいただければと思います。

ショールームの詳細は、4月中に特集記事でご紹介予定です。

おたのしみに。

600色から無限に広がる組み合わせ

 

それにしても、たくさんの色がありますね。「赤」や「青」と言っても、絶妙な色味の違いで、こんなに印象が変わるものなんですね。

薩摩さん
ここにあるだけでも600色はそろっていますね。おっしゃる通り、少しずつですが受け取る印象が違いますよね。各ブランドのデザイナーの方々も、そのデザインにぴったりとくるファスナーの色味を、これだけの色の中から選んでいるということなんです。

 

ファスナーのテープの色も、全体に関わる大事なデザインのひとつなんですね。

薩摩さん
そうなんです。さらには「エクセラ®︎」や「エバーブライト®︎」など、選ぶファスナーチェーンの種類によって光沢も変わってきます。チェーンのサイズはもちろん、金具の選び方で、数万通りの「ファスナー」がありますから。

 

それだけの中から、作り手のみなさんは「これ」という組み合わせを選ぶわけですね。希望を実現できる一方で、こだわればこだわるほど、その選定にご苦労も多いかもしれませんね。

薩摩さん
ところが、しっかり「選ぶ」ことをできているのは、ごく一部の方々だけ、というのが現状の課題でもあるんです。

 

そうなんですか?

薩摩さん
手芸店などで流通している商品は、型がほとんど決まってしまっているんです。長ささえも自由に選ぶことができず、ファスナーの長さに合わせて作品のサイズを決める、というような作り手の方も多いと聞きます。
 
これだけの種類を拝見すると、すこし残念に感じてしまいますね…。

薩摩さん
ファスナーはいくらだって、こだわることができるんです。引き手つき金具も、その作品にぴったりなものがきっとあるはずだと思います。まずは、これだけの種類があること、それをお好きな長さでお求めいただくことができる、ということを知っていただいて、その環境を早く整えていきたいです。

 
ファスナーへの愛情と、その先にあるものづくりへの丁寧な想いに、お話をうかがいながら感激してしまいます。

必要なひとに、必要なものを届ける



70年以上の歴史を誇る、老舗の定番ブランドとして愛され続けるYKKファスナー。

 

日本のみならず、これだけ広く永く愛されているわけは、どこにあると思いますか?

薩摩さん
そのひとつは、我々のような「加工して販売する会社」をいくつか置いたことが、現在のシェアにつながった策のように感じますね。たくさんあった会社も、現在は数を減らして、弊社で担っている割合も大きくなっているのですが、全国、そして海外へと津々浦々でお求めいただく中で、お客様にご不便をおかけしないよう、そういった各会社で対応してきたことが良かったのかもしれません。

 

ファッションアイテムや生活雑貨を制作するうえで欠かせない素材ですから、幅広いものづくりの現場で、その場その場の幅広いニーズがありますよね。

薩摩さん
そうですね。ただ、これまでも本当にたくさんの方にご愛用いただいてまいりましたが、わたしたちの役割や立場も見直すタイミングが来ているのだと思っています。商材だけなく、しっかりサービスとして「必要としてくださる作り手に、本当に必要なものを届ける」ということをしなければいけない。

薩摩さん
これからは、発信して知ってもらうこと、選んでいただくこと、しっかりお届けすることに努めたいと考えています。

「溶けるファスナー」の提案

「洋服やバッグ以外のものづくりにも役立てれば」そう言って見せてくださった、このファスナー。

 

他のものより、ずいぶん軽いですね。

薩摩さん
そうなんです。これは、ちょっとおもしろいんですよ。実際に見ていただきたいので、この場でお湯につけてみますね。

 

お湯ですか?

 

あれ、テープの部分がふわふわ溶けてきました。

薩摩さん
そうなんです、これは「溶けるファスナー」なんですよ。洋服やお財布の開け閉め以外にもファスナーの需要があるようなので、こんな素材を制作してみました。これは、このまま「アクセサリーづくり」にぜひ活かしていただきたいんです。

 

これは、おもしろいですね。アイデア次第でピアスやキーホルダーなど、いろんな作品が完成しそうです。

薩摩さん
そう言っていただけるとうれしいです。通常、右と左が重なって一本のファスナーになりますが、「エクセラ®︎」というチェーンのおもしろいところで、これは、たとえば右の一本だけを、くるっとループさせて引き手つき金具をつけることもできますし、いろんな加工をたのしんでいただけると思います。

 

「溶けるファスナー」を使った作品の登場がたのしみですね。

薩摩さん
はい。我々が考えもしなかったようなアイデアが出てくることを、たのしみにしてるんですよ。

多くの作り手に「選ぶ自由」を

安定したシェアや現状のニーズに止まらず、ショールームの開設や「溶けるファスナー」の提案など、新たな挑戦を続ける想いをおうかがいしました。

薩摩さん
わたしは、「minne」さんのサービスを見て、とても共感していいなあと思ったんですよ。日本各地の作り手の方に、いろんな可能性を提供していらっしゃるじゃないですか。我々も、場所に関係なく求めてくださる方にお届けして、ファスナーで各地のものづくりのお役に立ちたいんです。

 

お話をうかがっていて、この「選ぶ自由」を各地の作家さんにお届けしたいと本当に思いました。

薩摩さん
それに、なんと言っても「ファスナーが付いていると安心だ」と言っていただけると、すごくうれしいんですよね(笑)。

 

紛失や盗難の心配が、ぐっと減りますもんね。

薩摩さん
商品を通して、たくさんのご安心をお届けできていれば、何よりですね。

一部ですが、こちらからファスナーのパーツをご購入いただけるよう、三協ファスナーさんにご準備いただきました。ぜひ、ご覧ください。

ギャラリーはこちら

近日中に、ショールームについて特集記事でご紹介予定です。おたのしみに。

今月のプレゼント
ファスナー詰め合わせセット

「溶けるファスナー」を含めた、ファスナーの詰め合わせを、抽選で10名様にプレゼントします。記事の感想を書いて、ぜひご応募ください。

  • ・応募締め切り 2019年4月30日

  • ・当選は発送をもって代えさせていただきます

  • ・種類は選べません、あらかじめご了承ください


締め切りました


取材・文 / 中前結花  撮影 / 真田英幸

【連載】今月の道具
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