古く美しい美術館のように、歴史と物語を感じるような作品がずらりと並ぶ、正方形型のデザイン。「これは」と手を止めて見入ってしまうようなカードに出会いました。ミステリアスな魅力にあふれた作品たち。作り手のムムリク舎さんにお話をうかがいました。
ムムリク舎
「ストーリーのある刺繍をブローチに」をコンセプトに、どうぶつやオバケなど不思議な生きものたちを刺繍する作家さん。
https://minne.com/@mumurik-sya
https://minne.com/@mumurik-sya
不思議な美術館のよう
小さめのサイズですが、目に飛び込んでくるような存在感ですね。小箱が、絵画の額縁のように見えて、とてもおもしろいです。このカードは、いつごろから使われているものでしょうか?
ムムリク舎さん
実は、先月新調したばかりなんです。カードを見ただけで、「あ、あの作品をつくっている人だ」とわかってもらえるように意識しました。自分の代表作をショップカードにしたいと思ったんです。
でき上がったばかりのカード。昨年の「minneハンドメイドアワード」でゲスト審査員賞を受賞した作品『プリンセス・メデューサの物語ブローチ』が、正方形の中に美しく収まっています。
作風に合わせた新調
以前のカードも頂戴していました。どちらも素敵ですが、並べて見ると、ずいぶん印象が違いますね。
ムムリク舎さん
前回のカードも、うれしい声をたくさんいただいていました。友人にデザインしてもらったものだったんですが、どうぶつたちのレイアウトも可愛くて、とても気に入っていたんです。
新調されたのは、なにかきっかけがあったんですか?
ムムリク舎さん
やっぱり、自分の作風がすこし変わってきたことですね。どうぶつの刺繍から、ダークでちょっと不思議な作品を多く手がけるようになってきたので。
ブランドのイメージがちょっとずつ変わってきたんですね。
ムムリク舎さん
そうですね。あとは、いつもminneに登録するとき、作品の写真を正方形型で撮ることが多いんです。そのままショップカードの写真として使いたいなあと思い、今回試してみました。
裏側は、シンプルにアカウントやアドレスが並んでいます。
渡すたのしみ
これから名刺交換されるのが、たのしみですね。
ムムリク舎さん
そうですね、お客さまにどんな反応をしていただけるか、イベントなどでお配りするのがとてもたのしみです。
絵画のようにたのしむカード
長い長い物語から、そっと切り取ったワンシーンのような作品たち。実際に、「イラストに描き起こすときは、この子はどんな性格かな?なにが好きでどんなふうに暮らしているのかな?と想像しながら刺繍しています」とムムリク舎さん。そんな作品の持つ、不思議な魅力がカードにもしっかりと詰まっています。
ムムリク舎さん
ショップカードは、名刺ケースなどにしまっておくことが多いかと思いますが、このカードを小さな額やカード立てで飾っていただけたりすると、とてもうれしいですね。また違ったたのしみ方をしていただけるかと思います。
カードそのものも、作品として絵画のようにたのしむことができそうですね。
最後に、ムムリク舎さんのものづくりを覗いてみましょう。
おすすめの2作品を選んでいただきました。
鳥を見守る者(ブローチ)
少年が一羽の小鳥を助ける、そんな物語といっしょに生まれたブローチ。「金属パーツを刺繍の中に埋め込む、という手法にはじめて挑戦した作品です」とのこと。
銀色の雨が降る〜船出〜
ゲスト審査員賞を受賞した『プリンセス・メデューサの物語ブローチ』の続きが描かれているという刺繍作品です。6月19日から開催される展示イベントに向けて制作されたそう。
扉を開いて
ミステリアスな魅力に包まれたムムリク舎さんの作品たち。ギャラリーページは、まさに美術館のようですが、その世界観があまりにもしっくりとカードに投影されていて、とてもおもしろく感じました。わたしも小さな額に入れさせていただきます。(聞き手/ 中前結花)
ハリイト ~ 5つの手が生む刺繍のはなし ~
個性豊かな5組の作家によるグループ刺繍展。ムムリク舎さんの「銀色の雨が降る〜船出〜」をはじめ、素敵な刺繍作品の実物たちをぜひご覧ください。
開催期間:2019年6月19日〜6月23日
場所:吉祥寺ギャラリー「re:tail」
詳細はこちら
開催期間:2019年6月19日〜6月23日
場所:吉祥寺ギャラリー「re:tail」
詳細はこちら
【連載】扉を開けたくなるカード
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