作品の物語
minneが誕生したのは2012年のこと。たくさんの作家さんに恵まれ、想いを込めた作品のひとつひとつが集まって、このたびminneの公開作品数が1,000万点を突破しました。
多くの作品が日々生まれていく中でも、はじめて制作した作品、転機となった作品など、作家さんにとっての特別な作品があるに違いありません。そこでSNSにて作家さんにとってのかけがえのない「1,000万分の1作品」を募集。その作品にまつわるエピソードを語っていただきました。
百々歳 hundred-year-oldさん
「走るオオカミブローチ」
「走るオオカミブローチ」
— 百々歳hundred-year-old (@momo_sofar) 2019年6月19日
絵を描くのが好きだったのに、パタッと描けなくなって、描きたい気持ちもなくなって数年…このままじゃ嫌だ!と勢いで大好きな狼を描きました。
今日まで多くの方々に支えて頂き、やってこれました。感謝しかありません。#ミンネ1000万分の1作品https://t.co/YZ3DsWjphG pic.twitter.com/UuirQC1lN2
描きたいけれど思うように描けない、ということは時々ありました。ところがいつの頃からか一体なぜなのか、絵を描きたいという気持ち自体がわいてこないことに気付いたのです。
このまま絵を描くこともなくなるのかなと、寂しい気持ちと両親へのとても申し訳ないという気持ちでした。
そうしているうちに結婚して、子どもを授かり、子育てに追われながら毎日を過ごしていたある日、SNSを通して友人たちの活躍、奮闘ぶりを知りました。当時の自分にはそれが眩しすぎて「わたしも今、何か行動を起こさなければ」と…
当時、子ども服を購入するのにminneアプリを使っていました。そこにわたしも自分の作品を出品しようと思いました。絵は描かなくなっても、ものづくりが大好きな気持ちは変わっておらず、育児中は娘のスタイやベストをつくったり、パンを焼いたり、とにかく何かをつくり続けていました。
「走るオオカミブローチ」を制作したことは、人生のターニングポイントだったと言ってもいいほどだと思っています。今でも、あのときの自分に「ありがとう」と言いたくなります。再び大好きな絵を描きはじめる、そしてハンドメイドの世界に一歩踏み出す勇気ときっかけをくれた大切な作品です。
百々歳 hundred-year-oldさんにとって「走るオオカミブローチ」は、自身が再び大好きな絵を描きはじめる、再出発のきっかけとなった作品でした。
てまり樹さんの
「真珠-Pearl-」
柔らかな雰囲気に纏まるよう、妻と娘たちに好きな色を聞きながら色合わせをした最初の作品です。今は男性作家だと知られると驚かれる事も度々ありコンセプトでもある”宝石のように可愛らしくて美しいてまり”を作れているのかな?と嬉しく感じていますhttps://t.co/FneIeVC7hE #ミンネ1000万分の1作品 pic.twitter.com/o50mfWmBW9
— てまり樹 (@temariju) 2019年6月22日
ある日、妻に「てまりストラップ」をつくってプレゼントしようと思い、好きな色を聞きました。「ひとりでは選びきれないから」と娘たちを呼び、みんなでワイワイ盛り上がりながら色選びをしていました。
妻と上の娘が好きな淡いピンク、そして下の娘が好きな紫色を取り入れて制作をすることに。てまりのモチーフはかがる順序が決まっているので、組み合わせ次第では全くイメージと異なる雰囲気に仕上がってしまうこともあります。数種類ある色をよりイメージ通りに纏めるために、使う色の順番を何度も頭の中で組み合わせて配色パターンを試します。妻と娘たちの好きな色をベースに、色の足し算や引き算をしながら納得できる配色に仕上げていきました。
後にリクエストでミニバージョンの「真珠-pearlてまりストラップ」も制作しました。ミニてまりバージョンは、チェーン金具やパーツ合わせ、てまり表面の装飾などの最終仕上げにも、妻の好みを取り入れ、より繊細に可愛らしく仕上げています。
わたしはデザイン専門学校に通っていたので、パッと目を惹くコピーやパッケージがあれば、ノートやPCに記録したり写真で残したりしています。色選びは、花・木や風景などの自然からくるインスピレーションをヒントに制作をすることが多いのですが、家族の意見を参考にすることで、自分ではあまり選択しない配色やパーツ選びなど、仕上がり後に新たな発見に気づくことがありました。
てまり樹さんにとって「真珠-Pearl-」は、家族の“好き”を詰め込み、つくりあげた思い出の作品でした。
ひとつひとつの作品に、まつわる物語があります。Twitterでハッシュタグ「#ミンネ1000万分の1作品」で検索をすると、さまざまな作家さんの「作品」に関するエピソードをご覧いただけますのでぜひ、チェックしてみてください。
次回の「語りたい作品」をおたのしみに。
取材・文 / 西巻香織