特集

あの人の作業机 vol.2 アクセサリー作家・あおの目青子さん

作り手が日々向き合う机の上には、こだわりの道具たちが所狭しと並んでいます。気になるクリエイターのみなさんにお声がけし、作業机や作業部屋を見せていただくことに。今回は、宝石のような「景色標本」を手がけるアクセサリー作家・あおの目青子さんの机です。次にここから生まれるのは、どんな作品でしょうか。

あおの目青子さん
レジンで、直径10mmの丸い縁取りに景色を閉じ込めた「景色標本」のアクセサリーを手がける。
https://minne.com/@aonome-aoko

時代を感じる書斎机



アンティークな雰囲気の作業机がとっても素敵ですね。いつからこの場所で作業されているんですか?

あおの目青子さん
作家活動を始めて1年とすこしなのですが、実は昨年末まで食卓を作業机にしていたんです。本格的に活動を開始した今年からは、毎日の生活と作家活動の線引きがほしく、この机を購入しました。古い書斎机なのですが、時代を感じる風合いがとても気に入っています。



作業机には気になるアイテムがたくさん置かれていますが、特にお気に入りのコーナーはありますか?

あおの目青子さん
机の上のサイドテーブルがお気に入りの場所ですね。有田で磁器をつくっている照井壮さんのくまのオブジェや和蝋燭(わろうそく)、インク、生花(この日は、“コデマリ”が飾られていました)を置いています。ふと目をあげると、そこにしっとりとやさしい景色が広がっていて、いつも癒されています。

オンオフを切り替えてくれるたくさんの香り



作業をするとき、欠かせないアイテムはありますか?

あおの目青子さん
「香り」がとても好きなので、作業机にはお香やアロマなど、色々な匂いを常備しています。生活と作家活動の線引きをしたとはいえ、自宅での作業はオンオフの切り替えがどうしても難しいときがあるので、香りでリセットしたり、気持ちを入れ替えたりしています。

わたしも最近は自宅で仕事を行なっているので、気分転換をするためにアロマキャンドルを購入したところでした。

あおの目青子さん
キャンドルは、やわらかい灯りを眺めるだけでもリラックスできるのでわたしもついつい購入してしまいます。このキャンドルはminneで購入した、queueさんのソイキャンドルです。とてもお気に入りのもの。

queueさんの「soy candle NEROLI」

あおの目青子さん
ほかにも、作家活動に欠かせないのが「お客さまからいただいたお手紙」ですね。いつでも取り出せるよう引き出しの上段にしまって、読み返しては励みになったり、ほっこりと癒されたりしています。

作品づくりに欠かせない本たち



辞典や小説など…いろんな種類の本が目の前にたくさん並んでいますね。本からインスピレーションが生まれることもあるんでしょうか?

あおの目青子さん
そうですね。作品のイメージを膨らませるために辞典や詩集を目の前に置いています。ひとつのものに対してたくさんの表現があるので勉強にもなりますし、読んでいる時間はとってもたのしいです。



たくさんのものを並べていると、収納や整理の仕方にルールが必要そうですね。

あおの目青子さん
本の周りには小引き出しやケースを使って道具を収納していますが、配置などをガラリと変えて気分転換をすることがよくあります。そうするとテンションがあがって作業が捗るのですが、置いた場所を忘れてしまうこともあるので、よく使う道具はなるべく利き手側に置くようにしています。毎月つくっている、満月のアイテムの参考になる月の暦の本は右側に置くのが決まりなんです。

「わたしの定番」を決める



レジンや絵の具など、制作に使用する道具は普段どのように選ばれているんですか?

あおの目青子さん
レジンを始めるとき最初に手に取ったもののほとんどが、「パジコ」の製品でした。それから一筋で使用しています。そのほかの道具も大きな変化はなく、選ぶときはなるべく長く使えそうなものを惜しまずに購入することにしています。定番の道具を決めておくと安心するので、他のものを試すことは比較的減りましたね。

あおの目青子さん
ただ、作品の台紙に作品のタイトルや作家名を手書きしているのですが、それに使用していた0.25mmのボールペンが廃盤になってしまったんです…。なので、今は後継者となってくれるボールペンを探しているところだったりしますね。




最後に、制作環境で大切にしていることをおしえてください。

あおの目青子さん
ひとりで制作を行なっているので、以前より人と話す機会が減ってしまったのですが、最近は作業中の風景をSNSでライブ配信をしていて、フォロワーさんとお話をしながら制作をしているんです。

それは、素敵なお取り組みですね。SNSを通して、同じように活動されている作家さんやファンのみなさんと交流されている方は、近頃一層増えてきている気がします。

あおの目青子さん
どこにいても人とのつながりはとても大切なものだと思います。作業部屋という閉塞的な場所を、すこしオープンにすることでいい刺激がうまれ、よりよい作品づくりにつながれば、と考えています。

取材・文/中村瑛美里

  • Xでポストする
  • Facebookでシェアする