全国の「陶器市」が中止や延期に
例年、各地が賑わいを見せる大型連休も、今年は移動を控え、自宅や制限の中での活動が求められています。
4月から5月にかけ、全国各地で開催される予定だった「陶器市」も、今年は中止や延期の発表が相次ぎました。陶器市といえば、作り手の方との交流も深めながら、器を手に取ることのできる人気イベント。
日ごろの卸先である店舗の休業なども重なり、現在、全国の窯元さんにとっては非常に苦しい状況が続いています。
おうちでたのしむ、新たなかたちに。
このような事態を受け、各地の新しいものづくりをクラウドファンディングというかたちで支援してきた「Makuake」と、日本のものづくりに特化したECサイト「CRAFT STORE」の両サービスが手を取り合い、日本各地の窯元さんや作家さんを応援するため、自宅でたのしむことができる「オンライン陶器市2020」を共同で開催されるそう。
2020年4月28日(火)より、特設ページ「オンライン陶器市2020」内で、有田焼、波佐見焼、清水焼をはじめとする全国各地の陶磁器のさまざまなプロジェクトが掲載されるとのこと。どんな作品と出会えるのか、とてもたのしみな内容になっています。
(5月12日まで新たに参加を希望する窯元さんや作家さんを引き続き募集されています)
窮地を転機に
たくさんの産地のみなさんが参加を決心された背景には、やはり、陶器市の中止によって直面してしまった、大きな「損失」があります。
販売する予定だった商品の在庫が行き場をなくし、また新しい商品を生産するための資金につなげることができない、という課題を抱えることとなり、各地で深刻な問題となっていました。
陶器市は、「いつも工房で制作に取り組んでいるわたしたちにとって、お客さまの希望や感想を直接聞くことができる貴重な機会でもあったんです」という、大切なふれあいの場。
直接的なふれあいは叶いませんが、今回の企画は、毎年たのしんでくれている人に、そしてまだ出会ったことのない自宅で過ごす人々にも商品の魅力を届ける、絶好の機会となりそうです。
応援の気持ちとともに
これまでも、オンラインで各地の陶磁器と出会うことができる「陶器市」を実施されて来られたCRAFT STOREさんは、「窯元さんや作家さんの背景や製作工程、込める想いを知ったうえで、応援の気持ちとともに作品を購入いただけたらと思っています」と、このイベントにもとても熱い気持ちを寄せられています。
自宅にいながら、全国の丁寧なものづくりと出会い、産地を応援することができる、という体験をたっぷりとたのしむことができそうです。
今年は自宅で。
自宅で過ごす時間が長くなり、器をはじめとする日用品が与えてくれる「癒し」や「たのしみ」に気づくことも多くなりました。
慣れないことや不安な状況が続きますが、それぞれがそれぞれの場所でできることを。
実際の「陶器市」同様、宝さがしのようなたのしい時間は、産地のみなさんだけでなく、わたしたちの心もちょっぴり救ってくれることと思います。
開催は4月28日から。ぜひのぞいてみてください。