おでかけ

素敵な器でいただきます。vol.13「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」

食事をするとき、その器が素敵だとおいしさも倍増するような…とってもしあわせな気持ちになりませんか。目でみてたのしめる、味わってたのしめる、そんな豊かな「いただきます」の時間を堪能できるお店をご紹介します。第13回目は、サンフランシスコ発のダンデライオン・チョコレート日本1号店「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」にお邪魔してきました。

チョコレートファクトリー

蔵前駅から徒歩5分。公園の前に構える雰囲気あふれる大きな建物が今回の目的地。「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」です。

ここは、サンフランシスコのBean to Bar(ビーントゥバー)チョコレート専門店「ダンデライオン・チョコレート」の日本第一号店。Bean to Bar チョコレートとは、カカオ豆からチョコレートになるまでを一貫して自社の工房内で行うことを言います。


「最近は日本でもBean to Bar チョコレートのお店が増えてきました。ダンデライオン・チョコレートはシングルオリジンのカカオ豆とオーガニックのきび砂糖のみを使い、産地ごとにカカオ豆の味を引き出すようなチョコレートをつくっているのが特徴なんですよ」。お話してくださったのは広報の芹沢茉澄さん。


1Fのファクトリーは、カフェスペースからも見られるようになっており、カカオ豆の選別から、焙煎やメランジング、テンパリング、ラッピングまで。その全行程を眺めることができます。


現在は約8つの産地のカカオ豆が保管されています。豆は原産地、またはサンフランシスコの本店を経由して麻袋に入ったまま届くのだそう。そこからさらに選別をして使用します。

ファクトリーでつくられたチョコレートを使ったペストリーやドリンクはテイクアウトしたり、スタンドでいただいたり。2Fのカフェスペースで嗜むことができるんです。


特注の「大谷焼」

2Fにあがると、広々とした天井と木のぬくもりがいっそう伝わってくる、心地よい空間に。もともと倉庫だった建物をリノベーションして店舗にされたそう。「サンフランシスコの店舗もそうなのですが、古いもの、もともとあったものを活かして使うということは意識していますね」。


大きな窓から見える公園の木は、四季折々の風景を彩り、お客さまだけでなくスタッフまでもを癒してくれると言います。「スタッフが居心地の良い場所で働くことで、その良い空気がお客さまにも伝わり、心地良い空間をつくることができると考えています」。


そんな店内で使用されているのは、徳島県の大谷焼の磁器「SUEKI CERAMICS」の器。「使いやすさ、手に馴染むフォルム、触れたときの心地よさ、がそろった器です。もともとサンフランシスコではHEATH CERAMICSの器が使用されており、日本に進出するときに選んだのがこの器でした。ホットチョコレートを飲むときに手にすっぽりとおさまるような丸みのあるかたちや色など、すべて特注してお願いしたものです」。


落ち着いた色使いがチョコレートのやさしい甘さを引き立ててくれそう。裏面には「DANDELION CHOCOLATE」の手彫りの刻印入り。店内で購入することも可能です。


「サンフランシスコのダンデライオン・チョコレートもこの器を気に入り、今では向こうでも使用されているんですよ」。と芹沢さん。しっとりとした重みが心地いい器でした。


今日はこちらの素敵な器で、Bean to Bar チョコレートのスイーツをいただくことにしましょう。


出来立てを「いただきます」


まずオーダーしたのは、人気メニューの「スモア」と、“飲むチョコレート”こと「ヨーロピアンホットチョコレート」です。1Fのカフェスペースで目の前でつくっていただけます。

「スモアはご注文をいただいてから焼き上げるので、すぐにお召し上がりいただくと温かさとトロッとした食感、香ばしい風味もたのしむことができます。チョコレートはドミニカ共和国産のカカオを使用したもの。ホームメイドのマシュマロに加えて、下にはグラハムクラッカーが敷いてあるのでくどくなく食べることができますよ。ヨーロピアンホットチョコレートは、チョコを欲しているときにはいちばんのおすすめです。濃いコクのある味わいをおたのしみいただけますよ」。メニューについてお話くださったのは、バリスタの鶴田さん。


まずはスモアから。シンプルな器に乗ったスクエア型のマシュマロがなんだかスタイリッシュなムードです。ひと口食べると、香ばしさと甘さが混ざり、新鮮な美味しさでした。マシュマロ、チョコレート、グラハムクラッカーとさまざまな食感がたのしめるのもいいですね。


とろみのあるヨーロピアンホットチョコレートは、フリーのマシュマロをディップしていただくことも可能。濃厚な色味を裏切らない、インパクトのある深い濃い味わいでした。クールな器の配色が大人っぽくてかわいい。


また、店内では季節限定のチョコレートスイーツをたのしむことができます。取材時の限定スイーツは「ストロベリーマフィン」。「ザクザクとしたチョコレートチップと、なめらかなチョコレートカスタードに、いちごのフレッシュさを組み合わせていて、春らしい一品です」。見た目だけでなく、味わいにも華があるような、甘さと酸味の見事なマッチングでした。


最後にいただいたのは、ファクトリー&カフェ蔵前限定のホットチョコレート「クラマエホットチョコレート」です。「こちらは、お店の近所にあるお茶屋さんNAKAMURA TEA LIFE STOREのほうじ茶で香りづけをしてつくったもの。甘すぎず、根強いファンも多いんですよ」。


チョコレートの甘さの中にほんのりと漂うほうじ茶の香り。この組み合わせは、初めての体験です。さっぱりとしていて美味しい...!手のひらで包み込める、カップのまあるいフォルムにも癒されほっこりとあたたまることのできる一杯でした。


「縁」をつないでいく

良質のカカオ豆をつくる生産者との出会いを求め、世界中どこへでも出かけるというスタンスを持つダンデライオン・チョコレート。人や地域、他企業との縁も大切に、これまでさまざまなコラボレーションをかたちにしてきたのだそう。


京都のテキスタイルブランド「SOU・SOU」、京菓子「亀屋良長」とトリプルコラボレーションをした和菓子は、贈りものにもぴったり。


スタッフひとりひとりとの縁も大切にされています。店内で販売されるチョコレートバーには、焙煎の温度や砂糖を入れるタイミングなどの条件を決める「ローストプロファイル」を行なったスタッフの名前を明記。ひとつひとつの商品を、丁寧に想いを込めて大切につくられているんですね。


また、隣接されたダンデライオン・チョコレート Bean to Bar Lab 蔵前では、チョコレートにまつわるワークショップも随時開催。さまざまな人があつまり、チョコレートやBean to Bar チョコレートへの知識を気軽に深められる場になっています。

そして、なんと今年からはminneにもダンデライオン・チョコレートの商品が登場。


「このたびminneでも一部の商品をご購入いただけるようになりました。ホットチョコレートミックスや木箱入りのガトーショコラなど、ギフトにもぴったりのラインナップになっていますので、ぜひご覧いただけたらうれしいです」。


現在は、「緊急事態宣言」の発令に伴い、当面の間、テイクアウトのみの販売になっています。よろしければぜひminne内のギャラリーページもチェックしてみてくださいね。上質なカカオでつくるBean to Bar チョコレートならではの、深みのある味わいに癒されること間違いなしです。


ギャラリーページを見る
 

さて、次回はどんな素敵な器とごちそうに出会えるのでしょうか。
乞うご期待。

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前
住所:台東区蔵前4-14-6
営業時間:10:00~17:00(現在テイクアウトのみ)
定休日:※不定休
公式サイト:https://dandelionchocolate.jp/pages/factory-cafe-kuramae

 
※営業情報は4月26日時点のものです。
営業時間等は変更になる可能性もありますので、詳しくはこちらをご覧ください。
https://dandelionchocolate.jp/blogs/news/09


取材・文 / 西巻香織   撮影 / 真田英幸

【連載】素敵な器でいただきます。
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