アトリエハトリベ
デザインと皮革工芸を学んだ職人によるオーダーメイド革工房。「おしゃれ=こだわり+遊びゴコロ」「普通じゃない普通」をコンセプトに制作。
https://minne.com/@hatoribe ファッション雑貨、インテリア、ステーショナリーなど幅広いカテゴリーのレザーアイテムを手がけるアトリエハトリベさん。minneのギャラリーページには、丁寧な手作業でつくられるこだわりを効かせた一品が並んでいます。中でも、発売時からオーダーが絶えない人気作品が、目玉焼きをモチーフにしたユニークなマウスパッド。一度目にしたら忘れられない、遊び心あふれるデザインが特徴です。
今回は、そんなアトリエハトリベさんの「目玉焼きマウスパッド」ヒストリーに迫りました。
デザインと機能
「目玉焼きマウスパッド」が生まれたきっかけをおしえてください。
アトリエハトリベ
2015年の夏頃、 パソコンをお仕事で毎日使うお客さまから、マウスパッドのオーダーが入りました。どんなものがいいかとヒアリングをする中で、手首が疲れるというお悩みがあることがわかりました。
それならば、アームクッションを備えたマウスパッドをつくろう!と考え、まず思いついたのは「肉球マウスパッド」でした。
アトリエハトリベ
試作を完成させると、アームクッションとしての使い勝手は良かったものの、マウスパッドとしての機能を考えたとき、どうしても肉球をデフォルメせざるを得ないデザインになってしまい、いちから見た目と機能を追求し直すことに。
もっともっと「おもしろい」と感じてもらえるものをつくりたい…。そうして思いついたのが「目玉焼きマウスパッド」です。
正直、この機能性でこれ以上のデザインは無い、と思うほどの完成度に仕上がりました。
この作品以降は、新たなデザインはつくっていません。
納得のいく作品が完成するまでに、試行錯誤された部分をおしえてください。
アトリエハトリベ
白身と黄身のバランスです。
マウスパッドの機能として最適なサイズ感と、目玉焼きとしての見た目が両立するように製図しました。
左利き用、右利き用、橙黄身、黄色黄身バージョンが展開されています。
特別な一品に
そのまま身につけて持ち歩きたいくらいに、なんとも絶妙なフォルムがかわいいです。
アトリエハトリベ
ありがとうございます。
目玉焼きマウスパッドを気に入ってくださった別の方からのオーダーで、持ち歩き用のミニサイズが生まれたり、同じつくり方で、ぷにぷにする目玉焼きのブローチも制作しました。玩具メーカー「セガトイズ」さんとのコラボで、おもちゃの素材ジェルを使った目玉焼きマウスパッドを制作させていただいたこともあります。
ひとつのオーダーから生まれ、今ではたくさんの方にたのしんでいただいている作品なんですね。
アトリエハトリベ
先にも触れましたが、この機能性を持ったデザインとしては、これ以上のものは無いだろうと感じるほどの自信作なので、単純にそれをおもしろいと感じていただけたり、共感していただけることをうれしく思います。また、この作品はプレゼントにお選びいただく機会も多く、大切な人のために選んでいただけるというのは、より特別なよろこびを感じますね。
常に「遊びゴコロ」を
制作する上でのこだわりをおしえてください。
アトリエハトリベ
目玉焼きマウスパッドに限らず、すべてのアイテムを手縫いで仕立てています。「妥協することなく」を心がけ、デザイン、製図、縫製とひとりで制作しています。
自分の場合、製図が完成した段階で、もうできあがっていると言いますか、あとはシンプルにつくるだけなので、作品ごとのこだわりはありません。ただ、すべての作品に「遊びゴコロ」を持って制作しています。
「目玉焼きマウスパッド」はご自身にとって、どのような存在ですか。
アトリエハトリベ
オーダーメイドをメインに制作しているので、数あるアイテムのひとつなのですが、こうして取り上げていただく機会も多く、完成度の高い自信作ですので、アトリエハトリベを代表する作品だと思っています。
最後に、新作情報または、今後の夢をおしえてください。
レザーならではの柔らかなフォルムが特徴の「革花の髪飾り」。ヘアスタイルに品をプラスしてくれそうな一品です。
アトリエハトリベ
新作は「革花の髪飾り」「革花の指飾り」です。今後もオーダーをメインに、ひらめきで生まれる新作のラインナップも増やしていければと思います。「普通じゃない普通」をコンセプト、理想にしているので、そういった作品も多くつくっていければと思います。
今回ご紹介した「目玉焼きマウスパッド」は、ご自身用にも、贈りものにもおすすめです。味気ない仕事机もユーモアたっぷりの空間に変えてくれること間違いなし。新作を含め、アトリエハトリベさんのギャラリーにはバリエーション豊富な革作品が並んでいるので、あわせてぜひチェックしてみてください。
次回の作品ヒストリーもおたのしみに。
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取材・文 / 西巻香織