特集

【連載】描きたいふたり vol.2 〜陰影を学ぶ編〜

「絵を習いに行こう」と語り合ってから、かれこれ半年以上が経つのに、まだなにも始めていない、編集部のライター2人が、素敵な絵手紙交換できるようになる日を夢見て、あれこれと自宅で練習を始めました。2回目の今回は、作家さんから「陰影」について学びます。

「光」と「影」を描いてみたい。

絵をすこしずつ自主練習するうち、「影を描き足すと、ちょっとうまく見える」ということに気づいたふたり。そこで、今回は、イラストレーターでイラストレッスンの講師も務める、作家のhiishさんにアドバイスをいただきました。

hiish
眺めても身につけてもたのしめる、“思い出”を絵日記のように描きおこして形にしたブローチを制作。
https://minne.com/@hiish


最初に習得したい、光と陰の描き方は、大きく分けると3つあるそう。
左から順に、「重なり合ったときの陰影」、「平面的に付けた陰影」、「反射の光を意識した陰影」。

hiish
光が当たっている部分をイメージしたら、そこには何も色をつけず、地の白色を活かすといいです。着彩の順番は、どんな画材も淡い色から。水彩であれば、乾いてから濃い色を重ねていきます。淡い色から使うことで失敗が少なくなります。光と影の境界線は少し水でぼかして描くと、より陰影感が出るので試してみてくださいね。

こんなふうに描き分けるのですね。モチーフに「重なり」を取り入れて、さっそく練習してみることに。


ライター・せんせいの場合

せんせい
見た目が先生っぽいことから「せんせい」と呼ばれるようになる。新作スイーツのチェックが日課のminneスタッフ。


せんせい
今回、わたしは「いちご」のイラストに挑戦してみようと思います。凹凸部分で陰影の練習ができたらいいなと思って。まずはhiishさんのアドバイスを参考に、インクを水筆でとり、全体的に淡い色から紙に乗せていきます。使用画材は、前回同様にブラッシュペンABTです。


せんせい
右から光が差し込んでいる様子をイメージして、右側の凹凸部分にはすべて着彩せず、白い部分を残しました。


せんせい
色が乾いたら、濃い色を、また乾いたら、濃い色を、と塗り重ねていきます。少しずつ立体感が出てきたような...。いい感じ。


せんせい
陰影の境界部分を少し水でぼかして、できあがり。白い部分を残す、淡い色から順に重ねる、影の境界をぼかす、この3つに気を付けるだけで、簡単に描くことができました。

めるの感想
すごすぎます…!まさに、hiishさんのアドバイスとお手本を活かすことができていますね。いちごの重なりだけじゃなく、その下に落ちている影もとっても上手。前回よりもかなりレベルアップしてますね、驚きました!


ライター・めるの場合

める
minneとお買いものが大好きなライター。息をするようにお金を使ってしまう。アイスコーヒーを飲まないと眠ってしまう。

める
前回、アクリル絵の具の使い方がかなり難しかったので、カラーの毛筆ペン(48色!)を購入してみました。ちょうど、贈りものをしてくれた会社の先輩にお礼の手紙が書きたかったので、便箋を自作してみることにします。


める
いい具合に線が引けたので、贈りものとして購入した、このクッキーの缶とクッキーを描いてみたいと思います。


める
カラーの筆ペンで配色して、上から黒ペンで細かい輪郭を描いていきます。今回、缶は主役じゃないので、このくらいにして。


める
自分用に購入したクッキーを見ながら、缶の横に描き足します。ちょっとサイズが小さくなってしまいそうですが、うまく重なりを表現できるしょうか…。

める
黄色い筆ペンの上から、茶色い色鉛筆で影を描き足していきますが、これはかなり難しい…!同系色のペンでまわりを縁取ってしまったことで、イラストタッチになってしまい、リアリティがいまひとつ出ませんね。なんとか重なりの部分は濃い色で表現できたものの、これはちょっと失敗。

める
失敗してしまいましたが、お手紙の本文でなんとか心を込めるようにしたいと思います!(笑)。陰影はとっても難しい。また休日に、hiishさんのアドバイスを参考にしながら、花や野菜をモデルにして練習してみようと思います。

せんせいの感想
缶とクッキーのかわいらしい雰囲気に合った、色鉛筆ならではのやわらかい影、とってもいいと思います。スタートを色筆ではなく、色鉛筆から描き始めていたらより陰影が出せていたかもですね。罫線も美しいしイラストもかわいらしい。世界にひとつの素敵な手づくり便箋です。

次回のふたり

今回はここまで。
次は、光と影をさらにうまく表現するため「明暗」について勉強していきます。うまくできるでしょうか…!ひきつづき、どうかあたたかで長い目で、見守っていただければと思います。

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