TSUTAYAさんに聞きました「作り手が主人公の映画」5選

「スティーブ・ジョブズ（2015）」

あのスティーブ・ジョブズの3つのプレゼンテーションを描く伝記映画。常識にとらわれず、細部にまでこだわりを貫き通す姿勢が、周囲の反感を買ってしまいますが、それは「すばらしいもの」をつくることへの情熱があってこそ。不可能と思われているものを実現してきたジョブズの人生哲学までもが見えるような作品です。

「パッドマン ５億人の女性を救った男」

舞台はインド。安価で衛生的な“生理用ナプキン”を普及させた男の実話がベースのフィクション作品です。「穢れ（けがれ）」ともされた女性の生理を扱う主人公の行動は、周囲から拒絶されますが、そんな中でも家族や妻のためにと開発を進めていく姿に胸を打たれます。こんな前時代的な慣習や偏見が残っていたのかと驚きつつも、たのしめる一本です。

「サン・ローラン」

フランスを代表するデザイナー、イヴ・サン＝ローランが成功を収めたあとの、約10年間のできごとを描く伝記映画です。膨大な仕事量に、周囲の期待、愛人との危険な関係や、薬物依存など、多面的な姿が描かれ、プレッシャーの中でものをつくり続けた天才の繊細さや孤独にフォーカスを当てています。ヴィジュアルや衣装も美しく、特に1976年の「バレエ・リュス」のシーンは一見の価値ありです。

「ウォルト・ディズニーの約束」

『メリー・ポピンズ』の映画化をめぐる、原作者のトラヴァース夫人とウォルト・ディズニーたちとの対立を描いた伝記的映画です。映画化に反対するトラヴァース夫人は、ディズニー側の提案をことごとく拒絶し、困らせますが、背景には作家としてのプライドとこだわり、そして彼女の人生そのものがあり...。無理難題の中で、それでも良いものをつくろうとするディズニーたちの情熱や努力も描かれた、見応えたっぷりの一本です。

「アマデウス」

天才作曲家でありながら、素行が悪く下品なモーツァルトと、まじめで凡庸な作曲家サリエリの対立を描いた作品。理不尽な天才と、天才に嫉妬する凡人という構造は、音楽というジャンルや世代を超えて、万人に刺さるはず。劇中で使われている音楽・オペラのシーンも素晴らしく、クラシック音楽の魅力を改めて感じさせられる作品です。1984年度アカデミー賞8部門（作品・監督・主演男優賞他）を獲得しています。モデルが実在する「作り手」が描かれた映画は、教訓や発見など、観る人にあたらしい刺激を与えてくれそうです。お家で過ごすひとときに、ぜひTSUTAYAのレンタルDVDでチェックしてみてはいかがでしょうか。

次回のテーマ、ラインナップもおたのしみに。

編集 / 西巻香織