作り手は、チヨさん
チヨ
レターセットを中心とした紙雑貨『おいしいステーショナリー』と、babyビブ『おいしいスタイ』シリーズなどを展開。
https://minne.com/@cho-chiyo
https://minne.com/@cho-chiyo
100%、自分らしさで表現したい
『おいしいステーショナリー』として、さまざまな紙雑貨を制作しているチヨさん。幼い頃、お母さまに褒めてもらったことが絵を描きはじめるきっかけになったのだそうです。
チヨ
1度はウェブデザイナーの仕事に就きました。クライアントさまからいただく仕事もやり甲斐がありましたが、「100%、自分の想いを形にできるデザインがしたい」という気持ちが強くなり、現在の作家活動をスタートさせたんです。
人気シリーズ『おいしいステーショナリー』は、かつ丼やおにぎりなど、おいしそうな食べものが、やわらかなタッチで表現された、ユニークな作品ばかり。
チヨ
「おしゃれ」「かわいい」「ユニーク」な商品はたくさんありますが、わたしが求めていたのは「かわいいのに、どこかユニーク」「おしゃれなのに、なんだかユニーク」…そんな特別な組み合わせでした。食いしんぼうのわたしならではの、大好きな食べものをモチーフにした作品『おいしいステーショナリー』シリーズは、そんな発想から生まれたものでした。
基準は「自分が欲しい」かどうか
チヨさんの作品といえば、その、やさしい色使いやタッチも魅力。普段、どのような気持ちで作品づくりに取り組まれているのでしょうか。
チヨ
わたしの作品づくりは、まずモチーフとなる食べものを決めるところから。そのモチーフを「chiyo.ten」らしさでもある「かわいいのにユニーク」「おしゃれなのにユニーク」なデザインに昇華させていきます。自分自身が、「お金を出してでも欲しい」そう思えるデザインが完成するまで試行錯誤を繰り返すので、新作を制作するスピードはどうしても遅くなってしまいますね(笑)。
チヨ
『おいしいステーショナリー』の作品をつくるときは、自分が最初のお客さんとして「早く使いたいなあ」と思いながら、いつも制作しているんです。「自分が欲しいと思う作品以外はつくらない」ということは、とても大切にしているこだわりですね。
そんなチヨさんの、新作をご紹介します。
新作はおいしそうなあんみつ柄のスタイ
素材はすべて国産のものにこだわっているのだそう。
チヨ
出産を機に「自分がデザインしたものを子どもにも身につけてもらいたい」という想いが強くなりました。そうして生まれたのが、このスタイです。毎日の献立や好きな食べものを選ぶように、スタイを選んでもらえたらたのしいですし、きっと笑顔も増えるはず…そんな願いを込めて『おいしいスタイ』を展開していくことにしました。
洗濯表示や品質表示のタグ、パッケージなど、細かい部分までご自身でデザインされています。「すべてを含めて“ひとつの作品”になっています」とチヨさん。
チヨ
まず取り掛かったのは、生地のデザインでした。ふわっとした色合いを布地で表現するのが難しくて、最初は苦労しました。そしてデザインと並行して、縫製をお願いする職人さんを探しました。しかし何件か当たってみたところで、「自分の考えが甘かった…」ということを思い知ることになりました。「“縫製”のことは分からないので、すべてお任せします」、という状態では依頼することも、一緒にものづくりを実現することもできないことがわかりました。そこからは、縫製の知識やベビー衣料の基準など、わたしの猛勉強の日々がスタートしました。
「芯となる素材はいくつか取り寄せ、洗濯を重ねることによる生地の縮みなどの経過観察を続け、 より良いものを選びました。 裏地のガーゼ生地は、やさしい高品質のものを選びました」とチヨさん。
チヨ
スタイがかたちになるまでに、約半年間、20社以上の企業さんとお話しました。門前払いもあり悔しい思いをしましたが、縫製技術はもちろんのこと、人柄にも心から惚れこんでしまうような最高のパートナーと出会えたことは、本当にうれしく思っています。
完成した作品を娘につけたときは、思わず涙があふれるほど感動しました。最初のお客さんになったんです。娘がすこしずつ言葉を覚え、スタイを指さしながら「ばなな!」とニコッと笑った瞬間、かわいくてかわいくてたまりませんでした。
『おいしいスタイ』シリーズは、フルーツあんみつのほかに、“カレーライス”と“半熟たまご”のラインナップも。どれも思わずニヤリとしてしまうかわいさです。
チヨ
「フルーツあんみつのスタイ」が、わたしたち家族だけではなく、子育て中のお父さん、お母さん、お子さま、そしてプレゼントにと手にとってくれた方々を笑顔にできたら、こんなにうれしいことはありません。わたし自身これからも、ワクワク・ニヤリとしてしまうような『chiyo.tenらしい』作品をつくり続けることができればと思います。
連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。
文 / 堀田恵里香