特集

あの人の作業机 vol.7 木彫り作家・wooden furさん

作り手が日々向き合う机の上には、こだわりの道具たちが所狭しと並んでいます。気になるクリエイターのみなさんにお声がけし、作業机や作業部屋を見せていただくことに。今回は、どうぶつを中心に木彫り作品を手がけているwooden furさんの机です。次にここから生まれるのは、どんな作品でしょうか。

wooden fur
古くから仏像彫刻などにも使われてきた楠(クスノキ)を使用し、ペットのオーダーメイド作品など、どうぶつを中心に木彫りの彫刻作品を手がける。
https://minne.com/@k10ko

楠の香りに包まれたお部屋


いつから、この作業机を使われていますか?

wooden fur
本格的に木彫りをはじめた3〜4年前から使っています。と言っても、ここは作業部屋ではなく、自宅のリビングの一角なんです。

生活空間と作業スペースが同じだからこそ、なにか工夫されていることはありますか?

wooden fur
のこぎりで荒く木取りし、彫刻刀での彫り、着色、仕上げ、梱包…というようにたくさんの工程があるのですが、その道具や掃除道具まで、よく使う細々したものはすべてひとつのワゴンにまとめています。その都度、必要な道具を広げて作業している感じですね。

たくさんの道具がこのワゴンにまとまっているんですね。

wooden fur
足つきワゴンなのですぐ手が届きますし、着色中に彫りに戻ったり、違う工程の作業を並行して行うときも楽なんです。どうしても、机や床が木くずだらけになってしまうのですが、道具をささっとワゴンにしまって、すぐに机と床を掃けるよう工夫して、リセットできるようにしています。

「自分に足りないもの」を意識する

作業スペースのお気に入りポイントをおしえてください。

wooden fur
机の上はそのとき必要なものだけを出すようにしているのですが、この古い木彫りの熊はいつもここに置いてあります。この作品には、「わたしの作品に足りていないもの」がいくつもあるように思うんです。視界に入っていることで作品づくりに良い影響を与えてくれるような気がしますね。

サイズの大きい木材の置き場に困ったりすることもありますか?

wooden fur
そうですね。場所を取るので、どうしても部屋全体が作業場のようになってしまうこともありますが、住空間と作業スペースが一緒でも、作業中気が散らないよう、居心地の良い空間づくりは大切にしています。

長年連れ添った彫刻刀たち

wooden furさんは、「うちの子」作品のオーダーもとっても人気ですよね。

wooden fur
最近はオーダー作品を中心に制作していますね。ペットのオーダー品をつくるときは、頂いた写真をPCやスマホに常に表示して、観察しながら制作しています。

うちの子コンテスト」企画で制作いただいたオーダー作品

作業机にいつも置いている「スタメン」のようなアイテムたちを教えてください。

wooden fur
工程によって違いますが、一番重要なのはやっぱり彫刻刀です。刃の形や大きさが違うものを入れ替えながら使い分けて彫っています。彫りに比べると工程としてのボリュームは少ないのですが、着色の道具も多いですね。パレットに使用しているガラス板が特にお気に入りです。

こんなにたくさんの彫刻刀を使い分けられているんですね。

wooden fur
実家が画材店を営んでいるのと、わたし自身も以前は画材関係の仕事をしていたのでいつの間にか持っていたような道具も多いんですよ。彫刻刀も子どもの頃から良いものを与えられていたんでしょうね(笑)。小学生のときから使っているものもあります。
 
長年連れ添った大切な道具たちなんですね。

wooden fur
長いですね。だけど、画材や道具自体もすごく好きなので、より良いものや新しいものを探すのもたのしいです。ものづくりをされている方には多いかもしれませんが、大きいホームセンターや、画材・文房具専門店「世界堂」なんかに行くと興奮して血圧さえ上がる感じがします(笑)。糸や布、紙や顔料などがずらりと並んでいると、見ているだけでうっとりとしてしまいますね。
 

 

今後もminneとものづくりとでは、みなさんの「作業机」を募集しております。「#わたしの作業机」(「#minneとものづくりと」をお忘れなく!)の投稿をお待ちしております。

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取材・文/中村瑛美里

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