「質感」を表現してみたい。
前回は、たくさんの画材を使って「1ページの絵本コンテスト」に挑戦したふたり。今回は第2回に続き、イラストレーターでイラストレッスンの講師も務める、作家のhiishさんにアドバイスをいただきます。
hiish
眺めても身につけてもたのしめる、“思い出”を絵日記のように描きおこして形にしたブローチを制作。
https://minne.com/@hiish
https://minne.com/@hiish
光と陰を描き分けて、陰影を表現。
以前に教わった「陰影」の表現に加え、多色使いや濃淡を使って「明暗」を描き分け、その質感も表現します。
hiishさんに教わった新たな手法はふたつ。
左は、平面的に色を何回も塗り重ねて「濃淡」で明暗を表現した、日本画のような猫ちゃん。
右は、立体的なほおずきを、左右の輪郭と中央の「細かな柄」で明暗を表現した、ちょっと複雑なテクニックです。
「描きたいタイプによって、方法を変えるとたのしめると思います。ただ本物のように描くだけではなく、実際には1色に見えるものを10色で描いてみたいするのもおもしろいですね」とのこと。
それぞれに取り組み、どんな作品に仕上がったか、お互いに見せ合います。
ライター・せんせいの場合
せんせい
見た目が先生っぽいことから「せんせい」と呼ばれるようになる。新作スイーツのチェックが日課のminneスタッフ。
せんせい
今回は、以前に「minneとものづくりと」で紹介した、鉱石イヤリングのレシピ記事より、このきれいな鉱石をモチーフに、明暗を描きたいと思います。hiishさんにおしえていただいた「多色で明暗を描く」ことにチャレンジします。
せんせい
まずは、シャープペンで鉱石の形を下書き。ABTのインクを水筆でとり、淡く色を塗ります。“光が当たる明るい部分は白地を残す”これはvol.2「陰影を学ぶ編」で学んだ技。プラス、今回は透け感を表現するために、淡い色を重ねていきます。
せんせい
すこしずつ、色を重ねたり、逆に水筆の「水」を多めに出して、ティッシュで拭き取りながら色を引き算。ところどころに想定外の滲みができてしまいました。大丈夫かなあ...。
せんせい
ABTの10色をすべて使うことができました。多色で明暗を描くことははじめてでしたが、ちょっと幻想的なムードもあっておもしろいですね。遠目で見ると、まあまあいい感じ?もうすこし、色が薄いほうが透明感が出るかなあ。
せんせい
水を多めに足していったら、ところどころの紙が薄くなってしまいました...!リアルに立体感が生まれてしまった。これ以上、色を重ねるのは危険なので、今回はここまで。ちょっぴり失敗してしまいましたが、また個人練習を重ねたいと思います。
めるの感想
複数の色を使って、ちゃんとそれぞれの面のプリズムのような光の反射の具合や輝きが表現されていてすごいと思いました…!水で紙が弱ってしまった様子も目立ってませんよ!とってもきれいですね。
ライター・めるの場合
める
minneとお買いものが大好きなライター。息をするようにお金を使ってしまう。アイスコーヒーを飲まないと眠ってしまう。
める
先日、誕生日プレゼントとして「プリンを乗せる器」をもらいました。しかし生憎、プリンは冷蔵庫に入っていなかったため、「すいかのゼリー」を乗せてみることに。
今回は、これを描いてみます。(スプーン置きともセットになってるんですよ)
今回は、これを描いてみます。(スプーン置きともセットになってるんですよ)
める
まずは、おおよその形を色えんぴつと毛筆ペンで描いてみました。ここから、毛筆ペンの赤・朱色・オレンジなどでゼリーを着色していきます。
める
果肉部分や光のテリが見える部分を残して、赤と朱色のペンを何度も持ち替えながら塗り重ねて、濃淡を意識して埋めていきます。果肉部分には色えんぴつの赤色とオレンジをあとから薄く追加しました。
める
白のアクリルガッシュを使って、光を描き加えます。対角の部分の赤色をより濃くし、器部分のグレーも深い色を重ねていきます。これは以前習った「陰影」ですがなかなか難しい…。
める
こんな感じでいかがでしょうか。ゼリーの透明感を表現するには、やっぱりまだまだ技術力が足りなかったようです。
める
しかし光の具合や、果肉が入っている様子はすこし伝わる気も…。今回はこれで良しとしたいと思います!
める
描いている間に徐々に崩れはじめてしまったゼリーは、描き終わった頃にはこんな様子に。ずいぶん元の形からかけ離れてしまいました。
急いでスプーンで口に運ぶと、これがおいしい。頑張って絵を描いたあとは、夏の終わりをちょっぴりさみしく思いながら、崩れたすいかゼリーを堪能したのでした。
急いでスプーンで口に運ぶと、これがおいしい。頑張って絵を描いたあとは、夏の終わりをちょっぴりさみしく思いながら、崩れたすいかゼリーを堪能したのでした。
せんせいの感想
ゼリーの透け感、中にある果肉までしっかり描けていてすごいです。ゼリーだけでなく、器のごつごつした質感も伝わってきました。ゼリーがこんな姿になるまで...!これは大作といって良いのではないでしょうか。おつかれさまでした◎。
次回のふたり
今回はここまで。
次回は、ガラスや水など「透明」の表現にも挑戦できればと思います。ひきつづき、どうかあたたかで長い目で、見守っていただければと思います。