本との出会い
小さいころから、コスメやコスメのパッケージには並々ならぬ興味があり、母から空になった瓶や空き箱などをもらっては、こつこつと集めていました。
年齢を重ねてもその“好き”な気持ちは消えることなく、コスメ関連の会社に就職。そこで、コスメの特集記事などを書くようになったのがライターのはじまりだったりもします。
コスメを選ぶときは、いわゆる「パケ買い」が多いのですが、古本屋に並ぶファッション雑誌の広告ページで見かけるコスメには、なんだか一層心惹かれるものがあるなあ、と感じていました。
そんなレトロなコスメのパッケージを一度に見られることができるこの本をたまたま見つけたときは、本当にうれしかったです。ずっと眺めていたくなるような一冊との出会いでした。
種類別に、とにかくたくさんのパッケージが並んでいます。その数なんと480点。
小さい頃、お風呂場で見かけたことがある石鹸や、小学生に上がるときはじめて買ってもらった洗顔フォームまで…。懐かしい気持ちでいっぱいになったり、はじめて見る、グッとくるデザインの数々にもうっとりとしてしまいます。
そんな中でも特にお気に入りのページをいくつかご紹介します。
「石けん」の代名詞、赤箱の歴史
石けんが大好きなわたしとしては、大ファンの「赤箱」のパッケージがずらりと並ぶ様子や、「ホネケーキ」の登場に大興奮でした。今でもよく買う商品です。
洗い上がりの良さと、このデザイン性。みんなが心を奪われ続けるロングセラーの理由が本当によくわかります。
無条件に心ときめくパッケージ
キスミーのリップ、明色シリーズのページは、ハサミですべて切り抜きたくなってしまうほど。カラフルなパッケージに心が踊ります。
弥生時代からの美の歴史
「日本の化粧文化史」のコーナーでは、弥生時代から2010年代後半までの、美や美容への価値観・意識の移り変わりがまとめられていて、その変遷がとてもおもしろいです。(眉毛のかたちには、時代性が如実に出ますね)
1950〜1960年代などのファッションが好きなので、メイクの参考にもなりそうです。
読み終えてみて
それぞれのデザインに、手に取ってもらうための、メーカーやブランドの試行錯誤がしっかりと伝わってきます。
いつの時代も、目にするだけでパッと気分が明るくなるようなきらきらとしたコスメや、そんなコスメが叶えてくれるメイクの魔法が、女性を元気にしてきたのだな、と改めて感じる一冊でした。
これからの「メンズコスメ」の広がりにも期待したいところです。
minneでコスメポーチを見る
この本を教えてくれたひと:minneスタッフ める
文 / 堀田恵里香 撮影 / 真田英幸