出会いの「きっかけ」となる写真
作品写真は、出会いの「きっかけ」。
第一印象を大きく左右し、場合によっては「それきり」となってしまうことも多いのが実際のところです。
写真撮影や、画像の補正は避けて通れない工程ですが、肉眼で見るよりもずいぶんと暗く見えたり、鮮やかさや質感のぬくもりが写真ではうまく伝わらないことも。
サイトやSNSを巡る作品の魅力の語りべとして、「写真」は、とても重要な役割を任されていますが、その仕上がりに悩みを持っているクリエイターは実は多いようです。
アクセサリー作家「のの製作所」さんの場合
「ペーパークイリング」という技法を使い、紙で作品を制作するアクセサリー作家・のの製作所さんは、これまで「作品写真の制作」が、どこか「心の負担」になっていたといいます。
今回はそんなお悩みをうかがいながら、「魅力的に見せる方法」を編集部でも一緒に考えさせていただき、スマホアプリ「Adobe Photoshop Lightroom」を使って、のの製作所さんにギャラリーページの「一新」に取り組んでいただきました。
まずは、撮影のコンセプトを決めて
はじめに、作品の最大の「魅力」「ポイント」はどこか、を考えます。
のの製作所さんの作品は、なんと言っても「紙」を素材にした軽やかさと、その鮮やかさが魅力。「同じ紙を使ってみるのはどうでしょうか?」とご提案し、紙を敷いて作品を撮影してもらうことに。
「Lightroom」を使えば「修復ブラシ」で、はみ出たソフト粘着剤を消すこともできるので、安心です。
Lightroomに触れてみる。
ここからが画像の編集です。スマホアプリ「Lightroom」を使って明るさや傾き、彩度などを調整していきます。スマホで作品写真の編集を行うのははじめてのことだそう。
◆ 「明るさ」「彩度」を調整して、作品の色味をよりリアルに
トリコロールカラーの鮮やかなイヤリングは、「明るさ」や「彩度」を調整することで、その鮮やかさはもちろん、紙の重なりや、作品がもつ“ふわり”とした軽やかさまでが、わかりやすくなりました。
写真を見ながら、スライダーバーで簡単に調節することができます。
◆ 「カラーミキサー」を使って、実物の色を再現
ぱっと目を惹く「黄色」は、写真では暗くマスタードカラーに見えています。
そこで、「明るさ」をプラスし、さらに、実物をよく見ながら「カラーミキサー」機能を使って調整することで、肉眼で見えている色味に近づけることができました。
◆ 「テクスチャ」や「明瞭度」を調整し、リアルな質感に
紙とパールビーズを合わせた作品は、その質感までよく伝わるよう、「明るさ」に加え、「テクスチャ」や「明瞭度」も調整して、よりリアルに。
ピンクの甘さと上品さが程よくミックスされた作品の魅力が、しっかりと表現できました。
◆ さらに、カバー画像の変更も
「紙の魅力」が詰まった、素敵なデザインのカバー写真も「明るさ」を調整してみることに。
より華やかで明るい、作品にぴったりなトーンに仕上がりました。
そして、ギャラリーページが…
これが、「Lightroom」を使う前のギャラリーページです。
作品の繊細さは充分伝わってくるものの、全体的にすこし暗い印象でした。
新しいページには、明るさ、鮮やかさ、そして統一感が生まれ、さらに「紙」にこだわる、のの製作所さんの想いもしっかりと反映されています。
スマートフォン(webページ)は、どうでしょう。
画像の編集に挑戦してみて
繕う加工から、実際の魅力を引き出す“編集”へ
写真上で「映えさせる」、写真だけで「理想の色味に仕上げる」。
そんな、足りない点の補完や、不都合を修正する「加工」には、いい出会いの「きっかけ」を生むことはできないはず。
最大限に勝負ポイントを引き出す「編集」で、本来の魅力をたっぷりと伝えましょう。
誰でも手軽に操作できる「Lightroom」アプリで、あなたもギャラリーページを「一新」させてみませんか?
ご協力 / のの製作所
取材・文 / 中前結花 撮影 / 真田英幸