みなさんこんにちは。透明愛好家のtomeiです。
全3回のコラム連載もあっという間で最終回になりました。
今回は私が愛用している「道具」と、「アトリエ」についてお話したいと思います。
私が集めているもの
みなさんは、「好きで集めているもの」はありますか?
透明愛好家として、透明スイーツをつくりSNSで配信することが多い私ですが、 透明なものを集めることも大好きです。
それは昔からで、幼い頃はよく、海に落ちているシーグラスを集めていました、砂浜を訪れては「海のカケラ」を集めるような気持ちで探していたことを今でも思い出します。
そんな私が集める透明アイテムは、普段料理に使う調理器具、食器、小物をはじめ、ジャンルは垣根なく、形も用途もさまざまです。
まずは、透明スイーツをつくる際の愛用道具をご紹介します。
スイーツづくりに活躍してくれるお鍋やデカンタも、実は透明のものを愛用しています。
透明スイーツをつくる過程も、透明の道具ならよく見ることができます。
pyrexの片手鍋はセレクトショップで購入しました。デカンタはplakiraのもの。
材料をはかるのに便利なビーカーは、IWAKIのコニカルビーカーを使っています。
どれもただ透明だから、というだけではなく、サイズやフォルムなど美しさにこだわりを感じたものばかり。
ほのかに色味が入った透明の器は、透明スイーツと相性抜群。立体的なデザインなので、落ちる影もまた美しいです。
「透明」という軸を大切にしていると、おのずと空間に統一感が生まれて、使う際はもちろん、集めて並べるたびにたのしみが増していくような気がします。
お気に入りの透明
ここからは、集めた透明アイテムの中から、仕事道具以外のお気に入りをふたつご紹介します。
まずは、Sghrの透明な虹色風鈴です。
空に漂うシャボン玉をずっと眺めていられるような特別感。
光に触れると虹のようにキラキラ輝いて、風に揺られるたびに音を奏でるその姿が美しくて、飾る季節が待ち遠しくなってしまいます。
次にご紹介するのは、デザイナーの吉岡徳仁さんとISSEY MIYAKEとのコラボレーションウォッチ「o」。
家族からの贈りもので今でも大切に使っている時計です。吉岡徳仁さんは尊敬するデザイナーのひとりで、手がける作品は紙やガラス、ストローといった身近な素材を使用し、常に新しい価値観を生み出されています。
私自身もそういった考え方に影響を受け、作品をつくるときには、身近な題材や、見過ごしてしまいそうな“当たり前”の中にある素材をもう一度じっくり見つめてみることを心がけています。そうすると、美しいもののインスピレーションは常に日々の中に隠れていることに気付いたりします。
私にとって透明を集めることは、ものを集めるだけでなく、透明スイーツをつくる際の新しいアイデアや気付きさえも与えてくれるもの。
そして何より、こんなにも永く透明を集め続けているのは、幼い頃に「透明」を見つけたときのうれしかった記憶が今でもずっと心に結びついているからかもしれません。
余白の中でつくる
透明愛好家tomeiが発信する透明スイーツはどんなところで作られているのか。
興味を持っていただける方も多い中で、今回はじめて「アトリエ」について綴りたいと思います。
いつも透明のものづくりをしている空間は、アトリエ兼自宅です。
作品づくりが生活と共にあるので、朝に透明スイーツをつくり、朝ごはんと一緒に食べたり、そのまま撮影をしたりします。
また、窓際、キッチン、棚など、生活空間のいたるところに集めた透明が散りばめられています。というのも、私自身、つくる作品も大切にしていますが、ものづくりをする空間も大切にしているからです。 大好きな透明に囲まれて、透明スイーツをつくっています。
そんな透明のアイテムが並ぶアトリエのテーマカラーは「白」。家具のほとんどをシンプルな色合いのもので統一させています。そして、置くものは必要最低限のものだけ。
そういった生活におけるシンプルさは、透明を見つめる上で大切な余白のような役割になっていたりします。ただ、何もない部屋という訳でもなく、好きな本や雑誌などはいつもそばに置いてありますし、生活を彩るようなお花、植物も飾ったりします。
色が少ない空間の中でも、ちょっとしたスパイスを足していくことで創造性をほどよく刺激してくれるような気がします。
自分が好きだと思う空間で、好きなものをつくる瞬間は、この上なく幸せです。
みなさんも、もし自分の好きな趣味があったら、その気持ちをさらに高めてくれるような空間づくり、居場所探しをしてみると新しい発見があるかもしれません。
透明スイーツのレシピ本
今年の夏、私がこだわりの空間の中で生み出してきたスイーツレシピ本が発売されました。
SNSでも反響の多かったレシピをまとめています。
発売後も多くの応援の声をいただき、発売から現在3ヶ月ほど経過しましたが、重版も3刷目となりました。ありがとうございます。
本書籍はスイーツのレシピの他にも、先ほどお話した透明のアイテムに関すること、食器選びや、シンプルな生活が写真にも活きていることなどを含め、「透明の魅力」と「透明を引き出す魅力」が詰まった1冊になっています。よろしければぜひご覧ください。
さて、今回でコラムは最終回となりました。本当にあっという間で、それほどに綴っていてたのしかったです。 ここまで読んでいただきありがとうございます。
このコラムをきっかけに少しでも「透明」というものに興味を持っていただける方が増えたらなうれしいなと思います。
これからもtomei/透明愛好家をどうぞよろしくお願いいたします。
写真 / tomei
編集 / 西巻香織