筆文字サインペン「筆之助(しっかり仕立て)」
趣味でアートをたのしむひとから、プロのデザイナーやアーティストまで。長く愛用され続ける文具メーカー「トンボ鉛筆」の筆文字サインペン「筆之助(しっかり仕立て)」は、文字書き、イラスト、ハンドレタリング、と1本で幅広い表現ができる便利なツールです。
描きやすさの秘密は、ほどよい硬さの「ハードエラストマー筆芯」。
筆圧のコントロールがしやすく、まさに筆で描いたような大胆な太い線から、繊細な極細の線まで、さまざまな線を自在にたのしむことができます。
カラーバリエーションが豊富で、一度乾かせば耐水性もあるため、水彩表現との組み合わせをたのしむこともできます。
また、ゆっくりとじっくり線を描いても、液だまりや滲みにならないため、イラスト初心者にもおすすめです。
筆之助を使ったイラストはもちろん、ハンドレタリングや他画材との組み合わせ技まで、さまざまなアートが紹介されているので、ぜひ公式のInstagramもチェックしてみてください。
今回はそんな「筆之助(しっかり仕立て)」を使って、2名の作家さんに「お正月に送りたい」年賀状をつくっていただきました。
作家さんのユニークなデザインと「筆之助」ならではの表現との融合をおたのしみください。
気楽にまいりましょう
まずご協力いただいたのは、オリジナルのユーモアあふれるイラストと手動の活版印刷機で手がける、味わい深い世界観が人気の、活版イラストレーター・河童堂さんです。
作品にも多々登場する、愛してやまないというカエルと猫が年賀状にもお目見え。
何やらたのしそうな雰囲気の下書きに、「筆之助」を使って、アウトラインを入れると、イラストがくっきりと浮かび上がってきました。筆ペンだからこそ描ける、節々や曲線のさりげない強弱が立体的を演出し、今にも踊り出しそうな、活き活きとしたイラストに。
アウトラインが乾いたら消しゴムをかけ、今度は「筆之助」のペン先を立てて色付けをしていきます。
色を「塗る」のではなく、それぞれの生き物の柄のように「描く」ことで、より風合いのあるイラストに仕上がりました。
そうして完成した年賀状がこちら。タイトルは「気楽にまいりましょう」。
ふと頬がゆるんでしまうような、遊び心を感じさせる作品です。
年賀状の思い出をうかがってみると、「幼稚園のときに先生から届くのがたのしみのひとつで、うれしかったんですよね」と河童堂さん。
たとえ毎日会う人からでも、新たな年を迎えるお祝いとともに自分だけに届く一通はかけがえのないもの。そして、そのよろこびは、子ども心にもずっと残り続けるものです。
肩の力がすっと抜け、思わず笑顔になってしまうような作家さんのイラストが、「筆之助」ならではのメリハリある線と、カラフルさとでよりいっそう味わいを増し、受け取った相手をまさに“ほっこり”と癒してくれるような、年賀状が完成しました。
「メッセージカード」のように
次にご協力いただいたのは、身近な野鳥や植物などをモチーフにしたデザインで作品を手がけられている、デザイナーのitsukonakaさんです。
まず取り掛かられたのは、「筆之助」の描き心地やカラーのバリエーションを試すところから。
全10色で描かれたとは思えないほどにカラフルなイラストの中から、今回の年賀状のイメージに合った色の組み合わせを選んでいきます。
itsukonakaさんが選ばれたのは、パキッとしたコントラストが美しいブルーとオレンジの2色です。
咲き誇るお花の上を、鳥さんが追いかけっこをしているような、たのしいイラストに。色味が統一されているので、華やかながらもすっきりとした印象です。
真ん中には新年に向けたメッセージもプラス。
椿をモチーフにした年賀状も、色数を抑えつつ、色味のコントラストをきかせることで、モダンかつ印象的な仕上がりに。
そして完成した年賀状がこちら。
「モチーフには、自分が好きなもの(鳥)、友人が好きなもの(猫)、みんなが好きそうなもの(お花)を選びました」とitsukonakaさん。
独特のイラストと色使いが、大人かわいい年賀状ですね。
こちらはご友人向けにと描かれた、猫の年賀状。絡み合うカラフルな毛糸がキュートです。
「送る相手をイメージして、あの人ならどんなイラストを添えようかと考えてみる時間もたのしいものです」とitsukonakaさん。
毎年送り合う年賀状の中でも、手にしてずっと記憶に残っているものは、どれも直筆、手描きのイラスト入りだと言います。
送る相手を思って描き、相手のイメージに合わせて彩ることも、手描きだからできること。イラストも文字も思いのまま描ける「筆之助」と、作家さんの自由なモチーフ選び、色使いで、かしこまりすぎない、メッセージカードのようなたのしい年賀状が完成しました。
「手描き」だから伝わるものを
イラストからレタリングまで、太い線も極細の線も自在にたのしめる、筆文字サインペン「筆之助」はまさに、年賀状にぴったりです。
おうちで過ごす時間が増えたこの冬こそ。
大切なあの人とも、なかなか会えなかったからこそ。
今年の年賀状は「手描き」ならではのぬくもりを添えて送ってみませんか。
誰しもにとって、良い年となりますように。
詳細はこちら
文 / 西巻香織 撮影 / 真田英幸
企画・ディレクション / 中村瑛美里・中前結花