作り手は、seabreamakieさん
seabreamakie
陶の持つやわらかな雰囲気のアクセサリーや、日常をちょっと明るくたのしく過ごすための小さい一輪挿し、菓子器などを制作。
https://minne.com/@korokoroake
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seabreamakieが生まれるまで
高校の授業で陶芸と出会い、その自由度の高さや、素朴な風合いのとりこになってしまったというseabreamakieさん。もっと詳しく学びたいという想いから、大学では陶芸を専攻したのだといいます。
seabreamakieさんの代表作「ちいさな一輪挿し」
seabreamakie
今のものづくりの方向性は、大学院生のときに出会った陶芸史(陶芸の歴史を学ぶ授業)の影響を強く受けています。陶器に描かれている模様にはそれぞれ意味があり、昔の人はその意味を知った上でさまざまな模様を使い分けていることに魅力を感じて、吉祥文様や縁起の良いとされる模様を自身の作品に落とし込むようになりました。
繊細で鮮やかな模様
それが“陶器”であることを忘れてしまうくらいに色とりどりの細やかな模様が特徴的なseabreamakieさんの作品。制作においてのこだわりをうかがいました。
花器のような見た目をした「香炉」。使っていないときも、インテリアとしてたのしめます。
梅模様が入った香炉も。
seabreamakie
一輪挿しや蓋物(ふたもの)や香炉は、実際にお花やお菓子、お香を入れて使うことがメインですが、その場に置いておくだけでも気持ちが明るくたのしくなるような、色味や模様を意識して制作しています。
seabreamakie
一輪挿しに関しては、庭に咲いている小さな花や枯れてしまいそうな中にひとつだけ残った花を挿すイメージで、手のひらで包めるほどの愛らしいサイズ感を意識して制作しています。日々の生活にちょっとしたたのしさと優しさが感じられるような、そんなものづくりを心がけています。
そんなseabreamakieさんの新作をご紹介します。
新作は、鳥模様のさんかく花入
seabreamakie
さんかくの模様は古代から魔除けの意味合いなどがあることから、三角形の一輪挿しを以前から制作していました。今回は、その「さんかく花入」に鳥の模様を描きました。
型紙を使ってパーツを切り分けていきます。「クッキーをつくっているような感覚で、たのしい作業のひとつです」。
seabreamakie
鳥も古くから壁画や土器などに描かれているモチーフのひとつ。過去の資料を調べていると、とてもユニークな形をした鳥を発見しました。昔の人はこんなにユニークに鳥をデフォルメするのかと思い「こんな模様の一輪挿しがあったら見ているだけでもたのしそうだな」と、さんかくの花入に描くことにしました。
seabreamakie
こ器の模様に「窓絵」というものがあります。文字通り、窓枠の中に絵を描いている模様なのですが、今回は魔除けの意味をもつ三角を窓枠にしてその中に鳥を4羽描きました。全ての鳥は少しずつ模様や形が違う方が見ていておもしろいだろうと思い、さまざまな鳥のバリエーションをスケッチブックに描いてお気に入りの鳥を選んだのがこだわりです。
seabreamakie
また、やさしい色合いの花入に仕上げつつ鳥模様も強調させたかったので、真ん中の1羽と、他の鳥の色味を変えたのもこだわりのひとつ。画面に奥行き感が出て良かったなと思います。
最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。
seabreamakie
今まで当たり前だったことが特別に感じるようになる日々の中で、少しでも、生活の中にちょっとしたたのしさと優しさを届けることができれば…という想いで、これからもものづくりを続けていけるよう努めますので、よろしくお願いいたします。
連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。
文 / 堀田恵里香