chiko
“かんたんかわいい”を合言葉に、毎日のおでかけをふんわり彩る「咲き編みアクセサリー」を制作。
https://minne.com/@sorrindoflor
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1枚の布を裂き、独自の手法で空気感を演出しながら編み込んでつくりあげる、chikoさんの「咲き編みアクセサリー」。おでかけ前に一点プラスするだけで、コーディネートがグッと華やかに、おしゃれに仕上がるとあって大人気の作品です。
今回は、そんなchikoさんの咲き編み作品の中でも原点である「咲き編みシュシュ」ヒストリーに迫りました。
大自然の中で誕生
chikoさんが手がける咲き編み作品は、ニュアンスカラーなど繊細な色使いも魅力だと感じます。
chiko
ありがとうございます。実はわたし自身はもともと理系女子、いわゆる“リケジョ”で毎日白衣ばかりを着て、都会で忙しく色のない生活を送っていたんです。
それは意外でした。色のない日々を過ごす中で、どのようにカラフルな「咲き編みシュシュ」が生まれたのでしょうか。
chiko
長女を出産したあとに訪れた大島で、目の前に広がる圧倒的な大自然に感銘を受けたんです。細胞全部が解き放たれるような感覚を抱きました。この気持ちを何かで表現したいなと思いました。
chiko
ちょうど同じ頃、自分でつくったウエディングドレスを娘のワンピースにつくり変えようとトレーンをびりっと裂いたとき、その自由な風合いの虜になってしまって。
身の回りのあらゆる布を裂いて回る中で「オーガンジー」に出会い、その絶妙な色味と軽やかな質感を手に、大自然を目の当たりにしたときの心地よさに似たものを感じて、これだ!と思いました。
身の回りのあらゆる布を裂いて回る中で「オーガンジー」に出会い、その絶妙な色味と軽やかな質感を手に、大自然を目の当たりにしたときの心地よさに似たものを感じて、これだ!と思いました。
「ヘアアクセとしても、腕につけても気軽にたのしめる、シュシュに仕立てたんです」とchikoさん。ボリューミーなので、1点取り入れるだけでもとっても華やか。
chikoさんの作品は、単純に綺麗、というだけでなくどこか自由でのびのびとした雰囲気、大胆さを感じていたのですが、根底に「大自然」があるからなのですね。
chiko
大自然の空気をたっぷりと感じられるように、というイメージで裂いて編み込んでつくっています。お花が空間に溶け込んでふんわりと咲くようだったので、「咲き編み」と名付けました。
女の子の味方に
「咲き編みシュシュ」はどのように人気が広がっていったのでしょう。
chiko
わたしがつくった咲き編みシュシュを見て、島の女の子が「かわいい」と言ってくれたことをきっかけに、販売を始めたんです。その後1点だけ販売をしてみると、そこから口コミが広がり、瞬く間に咲き編みの世界が広がっていきました。
インターネットを介することで、一気に広がっていったんですね。
chiko
そうですね。お客さまが書いてくださるレビューのひとつひとつからもどんどん輪が広がっていく印象でした。お客さまに引っ張っていただき、今年で咲き編みシュシュは8年目を迎えます。
その間ずっと支持を得続けるというのはすごいことですね。
chiko
よりたくさんの方のファッションのポイントにしていただくために、編み方の緩急をつけたり、裂く生地をミリ単位で調整したり、リケジョよろしく研究をたくさん重ねては、自分でも身につけてみたりして。自然や空間、ファッションに溶け込む色合いを日々見つけ続けてきました。
咲き編みシュシュをつくり続けてすこし経った頃、お客さまから「かわいい」だけでなく「助かってます」という声が聞こえてきたときはおどろきましたね。
咲き編みシュシュをつくり続けてすこし経った頃、お客さまから「かわいい」だけでなく「助かってます」という声が聞こえてきたときはおどろきましたね。
助かっている?
chiko
わたしの咲き編みシュシュが、朝、ヘアアレンジの時間がとれなかったり、上手に髪を結べない、という女の子たちの「これさえあれば」になっていたんです。わたしにとって、うれしいサプライズでした。
身につけて「うきうきする」とか「自信がついた」、「好きな人に告白をするのでこの色をつけます」など。女の子たちの支えになっていることを感じて、「身も心もかわいくなれるものづくり」を使命として感じ始めました。
身につけて「うきうきする」とか「自信がついた」、「好きな人に告白をするのでこの色をつけます」など。女の子たちの支えになっていることを感じて、「身も心もかわいくなれるものづくり」を使命として感じ始めました。
重要な使命ですね。そんな使命感を持ちつつ、作品をつくるうえでこだわっていることをおしえてください。
chikoさんの咲き編み作品は「自然と調和し、空気を感じるデザイン」がモットー。「身につける女性にすんなりと馴染み、その人らしさも引き立てながら自然とかわいくなれるんです」とchikoさん。
chiko
身につける方にしあわせを届けられるように、わたし自身もしあわせな環境で、しあわせな気持ちで制作することを大切にしています。
これまでも都会での生活が息苦しくなると、自然を求めて旅に出てきました。大地のパワーを持ち帰って日々を過ごしてきたように、わたしの咲き編みシュシュもときに身につける人の安らぎであったり、パワーになれればといいなと思います。
これまでも都会での生活が息苦しくなると、自然を求めて旅に出てきました。大地のパワーを持ち帰って日々を過ごしてきたように、わたしの咲き編みシュシュもときに身につける人の安らぎであったり、パワーになれればといいなと思います。
地球に貢献するために
chikoさんにとって「咲き編みシュシュ」とはどのような存在ですか。
chiko
自信であり、わたしをアゲてくれるものです。そして、「女の子たちをかわいくすること、しあわせにすること」という使命を果たすために、必要不可欠なもの。
「咲き編みシュシュ」をはじめとするchikoさんのものづくりが描く展望があればおしえてください。
chiko
咲き編みを通じて、日本だけでなく世界中の女の子たちをしあわせにするソーシャルグッドなものづくりをしていきたいと考えています。
chiko
咲き編みシュシュの「編み図」をサスティナブルライフの意思表示のモチーフとし、ロゴマークにして、あたらしく服づくりにもチャレンジしています。かぎ針編みのとても基本的な編み図なのですが、よく見ると鎖編みの記号がふたつ並んで、∞(無限)マークになっているんですよ。○(KISS)と×(HUG)のようでもあります。
完成したモチーフのロゴがこちら。
chiko
「わたしたちひとりひとり、愛のある生活を送っていきましょう、地球のことやサスティナブルな生活を気に留めていきましょう」というメッセージを込めました。
未来に向けて、わたしの作品を通して、すこしでも社会に、地球に貢献ができるよう、自分の中では新しいステージでのものづくりが進んでいます。そういった活動もぜひたのしみに見守っていただけたらうれしいです。
未来に向けて、わたしの作品を通して、すこしでも社会に、地球に貢献ができるよう、自分の中では新しいステージでのものづくりが進んでいます。そういった活動もぜひたのしみに見守っていただけたらうれしいです。
chikoさんの咲き編みシュシュは、編み図をもとにしたロゴに形を変えて、社会そして地球への貢献へと広がり・つながりを見せつつあります。サスティナブルに寄り添ったあたらしいものづくりにも注目しつつ、もうすぐ訪れる春にぴったりの彩り豊かな咲き編み作品も、ぜひchikoさんのギャラリーページでチェックしてみてください。
次回の作品ヒストリーもおたのしみに。
取材・文 / 西巻香織