名作『ジョゼと虎と魚たち』
昨年のクリスマスに公開されたアニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』。原作は1984年に発表された、短編恋愛小説ってご存知でしたか?
実写映画やアニメ映画などさまざまな展開を経て、今もなお長く愛され続けている大人気作品です。
アニメ映画版では、主人公のジョゼが「絵を描くことが大好きな女性」として描かれていることもあり、なんと今回、水彩画家としてminneでも活動されているmiyaco hyperの西尾都さんに、あるコラボレーションのお話が舞い込んできました。
それは、小説版『ジョゼと虎と魚たち』のブックカバーイラストを描いていただくこと。
月日を経て完成したブックカバーがこちらです。どこか幻想的で美しいデザインに仕上がりました。
今回は、このブックカバーが完成するまでをお届けします。
「余白」の魅力
さかのぼること数ヶ月前。KADOKAWAさんから「minneの作家さんに『ジョゼと虎と魚たち』のブックカバーを制作いただきたい」というお話をいただきました。
アニメ映画版のヒロイン・ジョゼと同じように「絵を描くこと」に日々向き合っているクリエイターさんの目には原作小説の世界はどんな風に映るのだろう、と思われたのだといいます。
KADOKAWAさんとお話を進めていく中で、今回はminne作家の西尾都さんにお願いすることに決定しました。
原作小説の世界観
実は、西尾都さんは最初にブックカバー制作の話を聞いたとき、「結婚して子どもを産んでという経験を経たわたしが、改めて女性の恋愛小説というものに果たして共感ができるのか」と自信を持てなかったのだといいます。
「それでも短編小説ということもあり、一度読んでみることにしたんです。すると、女の人の本質ってこうなんじゃないかなという深い共感がありました。どんどんとイメージが膨らんでいって。あっという間に描きたいデザインが浮かびました」とmiyaco hyperさん。
さまざまなイメージが湧き上がったということで、今回は特別にA案、B案、C案の3つのデザインを描いていただき、Twitterの投票で最も多くの票数を獲得したデザインをブックカバーに起用することにしました。それぞれのイラストを、改めてご紹介します。
西尾都さんには、どんなテーマで描かれたのかもおしえていただきました。
<A案>
<B案>
<C案>
どの作品も「かわいい」「イメージとぴったり」など反響を呼びましたが、中でも最も多くの票を集めたのが、C案でした。西尾都さんは「最後に描いたこともあり、肩の力も程よく抜けていて、自分でもお気に入りです」と語ってくれました。
ぜひ手に取ってみて
西尾都さんデザインのブックカバーは、3月上旬から順次、書店に並ぶ予定です。ぜひ、実物をご覧くださいね
また、今回ブックカバーに選ばれなかったイラストも含め、描いていただいた原画をもとにした作品を西尾都さんのギャラリーで限定販売予定です。合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
最後に、西尾都さんからみなさんへメッセージをいただきました。
『ジョゼと虎と魚たち』は短編集なので、ふとしたときに少しずつ読み進めるのにおすすめです。その入り口として、miyaco hyperの絵もたのしんでいただけるとうれしいです。
作品ギャラリーを見る
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
営業時間:10:00〜20:00(年中無休)
HP:https://davinci-store.jp/
執筆 / 西巻香織 撮影(書籍分) / 真田英幸 進行 / 中村瑛美里