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minne作家さんがデザイン『ジョゼと虎と魚たち』のブックカバーができるまで

【PR】アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』の公開を記念して、minne作家さんとのコラボレーションが実現。原作小説のイメージからインスピレーションを受けて描かれたイラストを元にした素敵なブックカバーが完成しました。

名作『ジョゼと虎と魚たち』

©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

昨年のクリスマスに公開されたアニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』。原作は1984年に発表された、短編恋愛小説ってご存知でしたか?
実写映画やアニメ映画などさまざまな展開を経て、今もなお長く愛され続けている大人気作品です。

アニメ映画版では、主人公のジョゼが「絵を描くことが大好きな女性」として描かれていることもあり、なんと今回、水彩画家としてminneでも活動されているmiyaco hyperの西尾都さんに、あるコラボレーションのお話が舞い込んできました。

それは、小説版『ジョゼと虎と魚たち』のブックカバーイラストを描いていただくこと。

月日を経て完成したブックカバーがこちらです。どこか幻想的で美しいデザインに仕上がりました。

今回は、このブックカバーが完成するまでをお届けします。

「余白」の魅力

さかのぼること数ヶ月前。KADOKAWAさんから「minneの作家さんに『ジョゼと虎と魚たち』のブックカバーを制作いただきたい」というお話をいただきました。

アニメ映画版のヒロイン・ジョゼと同じように「絵を描くこと」に日々向き合っているクリエイターさんの目には原作小説の世界はどんな風に映るのだろう、と思われたのだといいます。

KADOKAWAさんとお話を進めていく中で、今回はminne作家の西尾都さんにお願いすることに決定しました。

西尾都さんのギャラリーページより

KADOKAWA
西尾都さんの作品は、あたたかくてやさしくて、鮮やかで生き生きとしていて...。特に「余白」のあるデザインが魅力的だと感じました。描かれたモチーフを包み込む「空気」そのものを感じられるような、作品の「余韻」のようなものを感じてずっと見ていたくなりました。

KADOKAWA
角川文庫『ジョゼと虎と魚たち』も、物語を包む「空気」と「余韻」が魅力的な1冊です。表題作「ジョゼと虎と魚たち」は本書に収録された9つの短編のうちの1篇ですが、「余白」があるからこそ、抜群に想像力をかきたてられる物語です。そんな原作小説と、そこから生まれたアニメ映画は、それぞれが独自の魅力を持っています。西尾都さんなら、ふたつの「ジョゼ虎」をつなぐ架け橋になってくれるはず。そう思って、カバー制作を依頼させていただきました。

原作小説の世界観

実は、西尾都さんは最初にブックカバー制作の話を聞いたとき、「結婚して子どもを産んでという経験を経たわたしが、改めて女性の恋愛小説というものに果たして共感ができるのか」と自信を持てなかったのだといいます。

「それでも短編小説ということもあり、一度読んでみることにしたんです。すると、女の人の本質ってこうなんじゃないかなという深い共感がありました。どんどんとイメージが膨らんでいって。あっという間に描きたいデザインが浮かびました」とmiyaco hyperさん。

さまざまなイメージが湧き上がったということで、今回は特別にA案、B案、C案の3つのデザインを描いていただき、Twitterの投票で最も多くの票数を獲得したデザインをブックカバーに起用することにしました。それぞれのイラストを、改めてご紹介します。
西尾都さんには、どんなテーマで描かれたのかもおしえていただきました。

<A案>

西尾都
女性が人生で大切にする“何か”を抱きしめているような絵を描きました。それは、片想いであったり、叶わぬ恋であったり、既婚者であっても配偶者の死別など、永遠には続かないかもしれない幸せ。永遠に続かないとわかっていても、だからこそ抱きしめずにはいられない、そんな宝物のようなイメージです。

<B案>

西尾都
小説『ジョゼと虎と魚たち』に出てくるシーンをわたしなりに描いてみました。印象的だった海底の水族館と、ホテルで月明かりに照らされてふたりの関係性を悟る、ジョゼの絵です。miyaco hyperの「深海の人魚」というイラストのイメージに近い、引きの絵を描いてみました。

<C案>

西尾都
いちばん最後に描いた絵です。女性が抱く憧れや妄想の中の世界を素直に表現しました。表情と色彩で作中の女性を表現してみました。

どの作品も「かわいい」「イメージとぴったり」など反響を呼びましたが、中でも最も多くの票を集めたのが、C案でした。西尾都さんは「最後に描いたこともあり、肩の力も程よく抜けていて、自分でもお気に入りです」と語ってくれました。

KADOKAWA
データを開いた瞬間、あまりに素敵すぎて叫びそうになりました。3つの作品それぞれが異なる雰囲気で、「ジョゼ虎」の世界をいろいろな角度から眺めているような、とても贅沢な気持ちになりました。1冊の文庫から、これだけの世界を引き出していただけるなんて感激です。作品を拝見した段階では、投票結果がどうなるのかまったく予想できず、開票日までわくわく、そわそわしてしまいました。

ぜひ手に取ってみて

西尾都さんデザインのブックカバーは、3月上旬から順次、書店に並ぶ予定です。ぜひ、実物をご覧くださいね

また、今回ブックカバーに選ばれなかったイラストも含め、描いていただいた原画をもとにした作品を西尾都さんのギャラリーで限定販売予定です。合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。

最後に、西尾都さんからみなさんへメッセージをいただきました。

西尾都
外へ外へと広がって形が掴めないメディアが多い中で、手の中に収まる一冊の本のうれしさ。オフラインになって濃密な時間を過ごせるのは本の良いところだと感じる今日この頃です。
『ジョゼと虎と魚たち』は短編集なので、ふとしたときに少しずつ読み進めるのにおすすめです。その入り口として、miyaco hyperの絵もたのしんでいただけるとうれしいです。

miyaco hyper
水彩画家・デザイナー。目を惹くいきいきとした鮮やかな色使いが特徴。
作品ギャラリーを見る

2月26日〜3月31日までの期間限定で、西尾都さんが描いた原画が「ダヴィンチストア」にて展示公開中。ぜひ足を運んでみてください。

住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
営業時間:10:00〜20:00(年中無休)
HP:https://davinci-store.jp/

 
執筆 / 西巻香織  撮影(書籍分) / 真田英幸  進行 / 中村瑛美里

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