特集

新作おしえてvol.25「masuteさんの新作、軽やかスタイ白猫」

この連載では、作家さんにSNSで「新作」を募集。編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。第25回目にご紹介するのは、masuteさんの新作、軽やかスタイ白猫です。

作り手は、masuteさん

masute
吸水性にすぐれ、乾きやすく、洗濯を重ねるごとに柔らかな風合いが増す生地を使い、主にスタイやガーゼハンカチを制作。
https://minne.com/@masute

masuteが生まれるまで

masuteさんの作家活動スタートのきっかけは、息子さんのためにスタイを制作したこと。試行錯誤した結果、ご自身にとっての使いやすさはもちろん、特徴的な素材でほかには売っていないスタイができあがり、自分以外の「誰か」にも使ってみてほしいという想いから、作品として販売することにしたのだそう。

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その「特徴的な素材」とは、masute作品の軸になっている「おむつ布」です。もともとお肌がデリケートな息子の、エコな「おしりふき」として利用していました。ガーゼのような吸水力を持ちながら、細かく織り上げられた凹凸が、肌を何度も擦らずとも汚れをやさしく落としてくれる…これはフラットなガーゼ生地にはない便利さがある!と感動しました。息子が“よだれマシーン”と化し、大量にスタイをつくらなければ!となったとき、真っ先にこの「おむつ布」を使おう!とひらめきました。

masute
おむつ布は白無地なのですが、もともと絵を描くのも好きだったので、作品の形やサイズに合わせた模様をいちから描けるのも自分に合っていました。生地の織り模様のおかげで、ときに絵本のような世界観を出してくれるのは思わぬ発見でした。

自分にしかつくれない作品を

カラフルな色使いと、ひと目見ただけで「masuteさんの作品だ」とわかる、個性的な絵柄。普段の制作の中でのこだわっていることをおしえていただきました。

「猫特有の「フレーメン反応」、ちっちゃな前歯、マズルの黒ボッチ…masuteの大好物全部乗せの、想いのつまった作品です。この三毛ちゃんが売れていなければ、その後の猫ちゃんたちは生まれませんでした」とmasuteさん。

masute
お客さまから「すごく便利!」「こういうのを探してた!」などの反応をいただけるとうれしくてうれしくて震えます。制作しているのがスタイやハンカチなど、ちまたにあふれているアイテムだからこそ、見た目のかわいさだけじゃなく、アイテムに対して必ず自分にとっての「便利ポイント」を入れ込むことが1番のこだわりです。それが差別化に繋がるし、何より自分が自信を持っておすすめしたいので。

実際におむつ布に描いてみて、どんな色になるのかを試し塗り。masuteさんにとっての「カラー見本」。

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例えばスタイ。わたしは第一に清潔であることを求め、こまめに交換するタイプでしたので、たくさんの吸水力よりも乾きやすさを重視し、薄型にこだわりました。表地は「おむつ布」。スタイで口もとを拭くこともあるので、このやさしい凹凸生地が便利なんです。ガーゼに比べて洗濯後のシワが目立ちにくいのもポイントです。芯地は挟まず、裏地はシーチング。水分を受け止めつつ、衣服に水分が染み込むのを防ぎ、適度なハリも保ってくれます。

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それから“色の効果”にもこだわっています。作品を見たときに、ふわっと気持ちが上がるような、そんな色の組み合わせをいつも考えています。スナップ部分とフチの刺繍ステッチは、子どもが身に着けていて、チラ見えする度に「かわいいなぁ」とウキウキしていた自分の気持ちを大切に、今でもこだわって取り入れています。
ちなみにmasuteの猫たちは皆一様に白目をむいています。現在7歳になる息子に「いい加減黒目入れたら?」と諭されますが、「でも、黒目を入れちゃうと、母さんの頭の中で猫ちゃんが動き出してくれないんだよね」と謎の説得をしていつも煙に巻いています。仕様もイラストも、決して万人が求めるものではないからこそ、masuteの作品を選んでくださった方との出会いを本当に「奇跡」であると感じています。そんな皆さまにとってmasuteギャラリーが「とっておき」な場所であり続けたいという想いで日々製作しています。

新作は、軽やかスタイ 白猫

masute
新作を思い付いたら、ほかで似たデザインが無いかをまず調べてみます。ほかにもあれば、自分がつくる意味はないと、潔く諦めます(笑)。デザインが厳選され、やっと新作が完成しても、すぐには販売せず、しばらく寝かせてみたりします。時間を置いて見直したとき、「違うかな」と思えば、修正するなり、販売しないこともしばしば。
ジャッジするのは自分1人。だからこそ、自分に「嘘」がないように心がけています。

「masuteの猫は、自分にとって馴染みのある子たちから順につくっていきました。その後はお客さまからのご要望に応える形で次々に仲間が増えていきました」とmasuteさん。

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自分の作品を見ていてふと思いました。「あれ…白猫ちゃんがいないぞ?いいの?あんなに皆に福をもたらす救い主なのに?こりゃつくらねば!」。
そうしてつくり始めたのが半年前…。

masute
どんなに気合いの入った作品といえども、masuteの「新作、一旦寝かす」からは逃れられず…気づけば肝心の猫の日(2月22日)にも間に合わないという大失態。白猫もさすがに招く手を下ろしたかに思われたそのとき…なんとこの特集記事にお声かけいただいたのでした。これって絶対白猫ちゃんのお陰ですよね?

「猫スタイをつくるときは、いつもお揃いでハンカチもつくります。スタイを卒業したお子さまや、大人の方にも手にとってもらいたいという想いからです」。

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今回の新作「白猫スタイ」に関しては、特にカラーにこだわりました。染色の色味も限られた中、どれだけあの柔らかな感じを出せるか。猫に色が無い分、差し色でどうボリュームを出せるか。平面コンテでは絞れず、実際に何回も試作して、今の形に仕上がりました。

最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。

masuteギャラリーでは、猫のほかにもカラフルでゆかいなデザイン、おむつ布を活かした便利なアイテムをたくさんご用意しております。
複数枚ご注文いただければ、お好きな色や模様のカスタムも可能です。気になるものがありましたらぜひご相談ください。それでは、記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。皆さまとの「出会い」に感謝です!!

軽やかスタイ 白猫はこちら


連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。

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文 / 堀田恵里香

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