インタビュー

イラストレーター・misa itoiさん「描きたいのは“異国の楽園”」

【PR】ユニークなモチーフ選びとカラフルな色使いで独自の世界観をつくりあげるイラストレーター・misa itoiさんの「ものづくり」をご紹介します。絵が苦手だったところから絵を描く仕事につくまでの道のりや、作品へのこだわり、そして今後の展望までをお話いただきました。

misa itoi
映像作家・イラストレーター。手描きのイラストを用いてさまざまな雑貨を制作。
https://minne.com/@misaitoi/

コンプレックスを抱えて

misa itoiさんの作品といえば、独特なタッチとカラフルで楽しい色使いが思い浮かびます。プールに浮かぶおじさんなど、モチーフもキャッチーでたびたび心惹かれているのですが、イラストレーターとして作家活動を始められたきっかけを教えてください。

アート作品としてお部屋に飾って楽しみたくなる「5枚選べるポストカードセット」。

misa itoi
もともと、大学で映画の撮影を専攻したことから始まります。
卒業後に映像制作会社で働いていたんですが、ディレクターなのに絵が描けないことがとにかくコンプレックスで...。

絵が描けない⁉️もともと絵が得意だったのかと思っていました。

misa itoi
実はいまだに絵が下手で...と悩みながら描いていたりします(笑)。

それは意外でした。どのような過程を経て「描ける」ようになったのでしょう。

misa itoi
仕事上、絵コンテが必要だったり、「絵を描いて説明して!」と言われることもあって、まずは自分の手で表現できるようにならなければと思ったんです。絵の予備校に通ってデッサンやドローイング、立体作品をつくる中で、手描きのアートアニメーションに興味を持ち始めました。

手描きのアニメーションというと、何枚も何枚も絵を描くわけですね。絵に対して苦手意識があったところから考えるとすごい飛躍です。

misa itoi
そう言われるとたしかにそうですね(笑)。描くことの楽しさを知ってしまってからは表現したい、という気持ちがどんどんふくらんでいって。そこから今度は「動かすためのイラスト」を描けるようになりたいと思うようになり、パレットクラブスクールというイラストスクールに通うことにしました。

出会いと繋がり

本格的に「描く」ことを学ばれたんですね。

misa itoi
そうですね。知識やテクニックはもちろんですが、さまざまな出会いがありました。わたしのイラストは線画のものとペインティングのものがあるんですが、ペインティングのものはダーマトグラフと透明フィルムを使って描いています。このダーマトグラフという画材は、パレットクラブスクールでイラストレーターの飯田淳先生のワークショップに参加した際に出会いました。

ガラスや金属などにも描けるダーマトグラフと透明フィルムがmisa itoiさんの愛用道具。「発色と描き心地が好みのダーマトグラフと、いろいろ試して選び抜いた透明フィルムは作品制作の相棒のような存在です」。

misa itoi
「透明なものに描く」というテーマで初めてダーマトグラフを使ったとき、自分の表現したい空気感にしっくりきたんです。色数が少ないのと折れやすいのが玉にきずですが、発色もとても良くて。出会って以来ずっとお気に入りの画材です。

misa itoi
それから、minneとの出会いもパレットクラブスクール時代でした。通っていた当時からフリーランスとして働き始めていたのですが、仕事が途切れてしまうこともありました。そんなとき、イラストレーターの友人2人がminneでグッズ販売をしていて勧めてくれて。「とにかく販売を続けることが大事」などのアドバイスを受けつつ、軽い気持ちで始めてみたんです。

イラストを学びながら描く仕事につき、制作を続けてきた中で印象的なできごとがあれば教えてください。

misa itoi
minneではリピーターのお客さまがいらっしゃるのが何より嬉しいです。
イラストレーターとしては、思いがけずコンペに入選して、素晴らしい先輩方や仲間に出会えたこと。そこからさらに繋がりができて、憧れのギャラリーで展覧会をさせてもらったり、絵を購入したいという方にも出会えたり。夢だった映画のポスターのお仕事を尊敬するアートディレクターさんからいただいたりもしました。クリスマスなど百貨店の催事のお仕事で大きく絵を使ってもらえたことは、とても感慨深いです。まさか絵を描く仕事をするようになるとは思っていなかったので、今こうしてお仕事のご依頼を戴いていること自体、数年前の自分からすると、びっくりですね...!

見たい景色

misa itoiさんの描くイラストは良い意味でクセがあって印象的で、ハマってしまうんですよね。なので展開にはびっくりしつつも納得です!

ペインティングのイラストは、透明な支持体にアクリル絵の具を使って描いているのだそう。「インスピレーションは海外旅行で見かけた風景、人々、文化と空気感から得ることが多いです」とmisa itoiさん。

misa itoi
ありがとうございます!minneでは特に手描きのイラストを使ってデザインした作品を販売しているんですが、使う人の気持ちが晴れるような、自分らしく生きられるような、個性を受け入れてもらえるような、そんな「異国の楽園」のような雰囲気を意識しています。

異国の楽園とはまさにmisa itoiさんの作品の世界観にぴったりですね。異国の楽園を描くために具体的に意識されていることはありますか。

misa itoi
例えば旅先の写真を参考に描く場合、実際よりも明るめに、カラフルに仕上げることが多いです。ペールトーンが好きということもありますが、自分の見たい景色や世界観に寄せて描くことで、作品を見る人にも非日常の世界に浸ってもらえるといいな、と思いながら描いています。

そんなmisa itoiさんには、以前に「トンボ鉛筆とminneの特別企画」でトンボ鉛筆の画材を使った2つの作品レシピ制作にご協力をいただきました。ここからはその制作を振り返っての感想をおうかがいしていきます。

misa itoiさんの作品レシピ

misa itoiさん考案のレシピ『ABTと水筆で描く「ふわふわ水彩風オリジナルスマホケース」』より。

今回の企画に参加してみて、いかがでしたか。

misa itoi
普段と違ったツールでの創作には苦戦しましたが、見る人に楽しんでいただけていると嬉しいです。案外ツールが違っても、自分らしさのようなものを出せているのかも?というのは新しい発見でした。友人からは、「いつもの作風とはすこし違うけど、かわいい!」と好評でした。

misa itoiさん考案のレシピ『ABTとIROJITENで描く「カラフルなアニマルキーリング」』より。

普段の作品はどのようにグッズ化されているのでしょうか。また、今回のレシピ着想のきっかけを教えてください。

鮮やかな色使いが魅力的な「Waikiki Beach PM4:12 ネオンサンドスマートフォンケース」。

misa itoi
普段は、イラストを印刷してグッズ制作することが多いので、描き貯めている作品の中から、グッズにしたら映えそうなものを選んで作品にしています。今回は、普段、透明なものに描くことが多いのと、minneではスマホケースをメインに販売しているので、その共通項からつくれるものは何だろう?と想いを巡らせて着想を得ました。

どちらの作品もカラフルでチャーミングでした。ABTと水筆、またIROJITENの使用感はいかがでしたか。

misa itoi
ABTと水筆の組み合わせは、手軽にニュアンスを出すことができるので、初心者の方にもおすすめしたいなと思いました。ABTはカラーバリエーションが豊富なので、ちょっと落書きしながらアイデアスケッチするときにも表現の幅が広がります。IROJITENは発色がとても良くて、インテリアとしても素敵なつくりなので、大人の嗜みにもぜひ...。

今後、ABTやIROJITENで描いてみたいものはありますか。

misa itoi
ときどき手描きのアニメーション制作にもチャレンジしているので、そういう、多くの枚数を同じトーンで描く必要があるときにも、ABTやIROJITENを使ってみたいなと思っています。実はすでにいくつか習作をつくってみました。

いつかぜひ公開してほしいです。楽しみにしています!それでは最後に、misa itoiさんの今後の展望を教えてください。

misa itoi
海外への憧れや興味があるので、いろいろな文化圏の方と繋がれるような作品制作、展覧会、お仕事をしてみたいです。また、ちょうど今、友人と一緒に映像制作やものづくりをしたいね、と計画を進めているところなので、ひとりではできない、大きな規模のプロジェクトやアニメーション・映像制作も増やしていきたいです。
パブリックアートやサイトスペシフィックアート、インスタレーションにも興味があるので、物をつくって売るだけでなく、体験を提供して人の心に響くような活動ができたら最高ですね。



misa itoiさんの作品レシピは、トンボ鉛筆のオウンドメディア「FUN ART STUDIO」でご覧になれます。気軽にチャレンジできるレシピになっているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
「ふわふわ水彩風スマホケース」を見る

「カラフルなアニマルキーリング」を見る

取材・文 / 西巻香織

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