作り手は、あたり工房さん
あたり工房
ふと目が合って「かわいい!」と思えるような作品を目指して、主に猫をモチーフにした彫刻作品を制作。
https://minne.com/@dakkoneko7
https://minne.com/@dakkoneko7
あたり工房が生まれるまで
ご結婚されるまで日本画家として活動していたあたり工房さん。人工木材との出会いを機に、彫刻に挑戦してみることにしたのだそう。
前足の付け根を持って抱っこしたときの脱力した猫の姿をモチーフにした「抱っこ猫シリーズ」。
あたり工房
もともと美大で日本画を勉強していた流れで、卒業後は日本画を描いていました。結婚後、場所もお金も時間もかかる日本画は続けられず、それでも絵本を描いたり、消しゴムはんこをつくったり、机ひとつでできることをコツコツとやっていました。
あたり工房
そんなとき、夫が職場から人工木材の切れ端を持って帰ってきて、その木材で招き猫を彫ったのが「あたり工房」の始まりです。平面の世界とは違って、立体に着色する面白さにすっかりはまってしまったんです。
「かわいい」のパワーを感じる作品を
リアルな猫の“一瞬”を切り取ったような、絶妙な表情や仕草が魅力的ななあたり工房さんの作品。制作においてのこだわりについてもうかがってみました。
ねずみのキャップが付いた「ネコちゃんボールペン〜ネズミと寝てます」
あたり工房
作品の説明文の冒頭にも必ず書いているのですが、「頑張っている人を後押ししたい」をコンセプトに制作しています。あたり工房の作品を見たり触れたりしたときに心に湧いたパワーで、次、何か行動を起こす原動力になったら、という想いで作品をつくっています。
ひょっこり顔を出す猫がキュートな「デニム風だっこ猫スマホケース」
あたり工房
日本の「かわいい」文化って、どこまでもやさしくパワーがあるから、それでみんなが元気になってくれたら嬉しいです。誰が見ても「かわいい」と思えるものを目指しています。
新作は、積み木ねこ
あたり工房
引っ越しをきっかけに、念願だった猫を飼い始めたんです。これまで、目で見たり、作品をつくったりすることはありましたが、実際に一緒に暮らしてみると想像以上に猫ってかわいくて、不思議で…。
あたり工房さんの愛猫・もなか
あたり工房
特にびっくりしたのは、やわらかくて、しなやかなところでした。箱に入って丸まっているのがすごくかわいくて、何か作品にならないかな、と。そんなとき、画材屋さんでアクリルキューブ見つけて、これに丸まった猫ちゃんを入れたら絶対かわいい!とひらめきました。
あたり工房
2cmの四角の世界に、丸くて小さな猫ちゃんを入れて完成する「積み木ねこ」ですが、四角の中に丸いものをどうかわいく入れるかを試行錯誤しました。
あたり工房
大切にしたのは、あまり四角になりすぎず、猫らしさを保つこと。また、小さい作品なので、肉球やひげは1mmほど。日本画で培った面相筆のさばきは、ぜひ見ていただきたいところです。
最後に、記事を読んでくださった皆さんに向けてメッセージをいただきました。
あたり工房
わたしがこうして、ものづくりを続けられたのもいろいろな出会いがあったからです。最初にハンドメイド作品を売り出せるminneさんとの出会い、新しい価値観を教えてくれる素材との出会い、買っていただいたお客まとの出会い、たくさんの小さな出会いが幾重にも重なって、よろこんでいただける作品ができているんだと実感しています。これからも感謝の気持ちを大切にしながら、新しい作品をつくっていきたいです。
連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。
文 / 堀田恵里香