目次
帆布とは?
「帆布」とは、「はんぷ」と読み、字のとおり古くから船の帆に使われてきた素材です。国産帆布のおよそ7割は岡山県倉敷市で生産されており、その他にも広島県尾道市、滋賀県高島市などが有名な産地です。帆布の特徴はとにかく丈夫な点。綿や麻を平織りしてつくられた厚手の生地は、その耐久性や通気性、水にも強いことから、体育のマットや絵画用のキャンバス、バッグなどの衣料品にも幅広く使われています。使い始めは固く感じる生地が、使えば使うほどやわらかくなり、色合いも馴染んでくるといった経年変化を楽しめる点も魅力です。
キャンバス生地・ダック生地とは何が違う?
帆布は「キャンバス生地」とも呼ばれます。つまり、帆布もキャンバス生地も呼び名の違いだけで、どちらも同じ生地を指します。キャンバスとはギリシャ語由来の名称です。帆布(キャンバス生地)は号数や仕様の基準を日本が規定しています。
一方、ダック(Dock)生地は、オランダの「麻布」という意味の「Doek(ズック)」に由来する生地です。アメリカで一般化した生地で、号数や仕様の基準をアメリカ政府が規定しています。帆布とダック生地はほぼ同じものだと解釈して問題ないといえますが、厚さの単位や基準が異なっているところがポイントです。
帆布の主な生産地
国産帆布のおよそ7割は岡山県倉敷市で生産されています。その他に広島県尾道市、滋賀県高島市などが有名な産地です。世界的に見ると、帆布の生産地のトップは中国です。中国のように綿花の生産量の多い南アジアも、次いで帆布生地の生産が盛んな地域です。
帆布の魅力と愛される理由
長年愛され続け、エプロンやバッグ、アウトドア用品などさまざまなアイテムに使用される帆布。そんな帆布のもつ4つの魅力についてご紹介します。
耐久性がある
帆布は、もともと船の帆に使われていたほどに丈夫な生地です。よりあわせた綿糸を平織りにした厚手の生地なので、とにかく耐久性に優れており、摩擦にも強いのが特徴です。
耐水性がある
高密度に平織りされた帆布は、織り目が非常に細かいので水を通しにくい性質ももっています。突然の雨にも強い帆布生地は、バッグやアウトドア用品にも広く使われています。
通気性がよい
綿や麻などの天然素材でつくられた帆布は吸湿性に優れているだけでなく、よりあわせた糸の細かな隙間が空気を通すため通気性も抜群です。
経年変化を楽しめる
帆布は、使い込むほどに生地がやわらかくなり、風合いの変化を楽しむことができます。そんな経年変化とともに自然と愛着がわくところも帆布の魅力のひとつです。
帆布が用いられる主なアイテム
耐久性にも防水性にも優れた帆布生地は、上の表のように衣料品はもちろん、アウトドアやスポーツ用具にも幅広く使用されています。使い始めは固く感じる生地ですが、使えば使うほどやわらかくなり、色合いも馴染んでくるといった帆布ならではの素材感が味になるアイテムばかりです。
帆布の号数とは?
帆布には1〜11号までの号数があり、号数が小さいほどよりあわせる経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の本数が増えていくため、「厚い」生地となります。厚い帆布は、馬具や業務用の生地としても使用されています。わたしたちにとって身近な衣料品としてよく使われるのは8〜11号の帆布です。8号はハリのある厚さで型崩れしにくく、11号は家庭用ミシンでも縫いやすい厚さのためハンドメイド作品でもよく使用されています。ちなみに、海外製の帆布は、厚みを表す単位が号ではなくoz(オンス)になります。
帆布の製造方法の種類
実は、帆布は製造方法にも種類があり、それぞれに歴史や特徴をもっています。簡単にそれぞれの特徴をチェックしてみましょう。
レピア織機: 左右に設置した「レピア」とよばれるパーツが、緯糸を端から端へと一方向に運ぶことで生地を織っていく製法。
ウォータージェット織機:水が噴射する力で緯糸を端から端へと勢いよく貫通させ、高速に生地を織っていく製法。吸水性のある綿などの天然繊維には使用不可。
エアジェット織機:緯糸を空気が噴射する力で端から端へと勢いよく貫通させ、高速に生地を織っていく製法。天然繊維を扱う際に有効。
以前は、「シャトル織機」と「レピア織機」とよばれる製造機で織るのが主流でしたが、現在では高速に生地を製造できる「ウォータージェット織機」「エアジェット織機」による製造が中心となっています。
また、生地に色や柄を付ける方法には「先染め」と「後染め」があります。先染めとは、糸を先に染色してから、生地を織っていく方法で、後染めとは、仕立て終わった生地そのものに染色を行なう方法です。先染めは、ストライプやチェックといった模様を表現しやすく、後染めは低コストに染色できる魅力があります。
帆布バッグは洗濯できる?洗い方とお手入れ方法
ここからは、帆布のお手入れ方法についてご紹介します。洗濯機での丸洗いは型崩れの原因や色落ちにつながるため避けましょう。
全体の洗い方
汚れが気になり、どうしても全体を洗いたいという場合には、洗面器に30度前後の水を張り、中性洗剤を溶かしバッグをゆっくり浸します。やさしく押し洗いをしたらしっかりとすすぎ、タオルなどで水気をとって陰干しするのがおすすめです。
小さな汚れの落とし方
バッグの表面や角の気になる小さな汚れは「消しゴム」でやさしく擦ってみましょう。帆布の色落ちや傷みの原因になるので力の入れすぎには注意。
水濡れの対応
雨やキッチンでの水ハネなど、帆布が水に濡れてしまった場合は、まず乾いた布で水分を拭き取ります。その後に、かたく絞った濡れた布でバッグ全体をやさしく拭くとシミ汚れを防止できます。
日常のお手入れ
帆布は、よりあわせた糸がみっちりと規則正しく織られた生地なので織り目にほこりが付着してしまうことも。帆布バッグを使った後は、衣類用のブラシや乾いた布でやさしく織り目に沿って払ってあげるのがおすすめです。より綺麗な状態で長く愛用できますよ。
minneで見つかる、人気の帆布バッグ11選
ここからは、minneで見つけた人気の「帆布バッグ」をタイプ別にピックアップしてご紹介します。機能性にも耐久性にも優れた帆布バッグの中から、ぜひお気に入りを探してみてください。
トートバッグ
丈夫な帆布バッグは大荷物を入れても安心です。お買い物のエコバッグとしても大活躍してくれますよ。
仕切りが嬉しいビジネストート
A4サイズの書類やノートパソコンもすっぽり入る帆布トートバッグ。中央に仕切りポケットがあり機能性も抜群です。
ミモザカラーのバケツ型バッグ
ファッションのアクセントになる鮮やかなミモザカラーが魅力。使いやすいバケツ型で、500mlの水筒や一眼レフカメラも入るなど見た目以上の収納力です。
大人かわいいくすみカラー
ピンクとグリーンのくすみカラーから選べる帆布トートバッグ。長い持ち手を自由にアレンジでき、大きなリボン結びで大人かわいいフォルムが楽しめます。
ショルダーバッグ
撥水性の高い帆布バッグは、天気を気にせずどんなおでかけにも連れて行きたいアイテムです。
落ち着いたマスタードカラー
使いやすいサイズと色味でどんなファッションにも馴染むショルダーバッグ。丈夫な8号帆布が使用されています。
ヴィンテージ加工の風合いが◎
年齢性別を問わず使えるシンプルな帆布ショルダーバッグ。500mlのペットボトルも収納可能です。
街歩きにぴったりの小さめショルダー
文庫本を入れてカフェに行きたくなるような、上品でかわいいデザイン。肩紐の長さや生地のカラーはオーダー可能です。
持ち手が革の帆布バッグ
帆布は革素材との相性も抜群。特に汚れやすい持ち手が革素材のバッグはお手入れも簡単で長く愛用できます。
使いやすい自立するバッグ
厚みのある4号帆布を使用したしっかりとしたつくりのトートバッグ。自立する丈夫なバッグは荷物の出し入れが多い、子育て中のパパ、ママにもおすすめです。
ピンクが映えるデザイン
女性らしいヴィンテージピンクと白のバイカラーが目を惹きます。持ち手にはオプションで本革使用のハンドルカバーをオーダー可能。
リュック
荷物が多い人に人気のリュック型をご紹介します。帆布生地の丈夫さを活かしてさらに安心感がアップ。
おでかけしたくなるリュック
A4サイズがすっぽり入り、ペットボトルの収納にもぴったりのポケットが付いています。作品名「hike」の名のとおり、思わず外に出かけたくなるリュックです。
飽きのこないデザイン
帆布×牛革のカジュアルな印象の中にも上品さを感じるデザイン。ビジネスバッグや普段使いのリュックとしても幅広く活躍します。
小さくても機能的
荷物が少ない日も両手をフリーにして楽しもうという作家さんの想いが込められたリュック。パスケースが取り出しやすい背面ポケットなど便利さがぎゅっと詰まっています。
帆布バッグを毎日の相棒に
minneには、帆布の機能性を活かし、作家さんの個性が光るデザインが魅力の「帆布バッ
グ」がたくさんそろっています。日常使いにぴったりな帆布バッグを、ぜひチェックしてみてくださいね。
ライター。IT企業の事業開発やマーケティング、デザイナーなどパラレルワークでの知見を活かしたインタビューや執筆が得意。ものづくり好きの家庭に育ち、特に刺繍やミニチュアが大好き。