特集

デザイナー・julico.designさんの「かばんの中身」見せてもらいました。

minneでご活躍中の作家のみなさんに、「かばんの中身を見せてください」とお願いしてみました。ものづくりをされる方のかばんの中には何が入っているんでしょう。今回は、julico.designさんのかばんの中身を見せていただきました。

今回の語り手は

インテリアデザイン・アクセサリーデザインを手がけるデザイナー。身近な素材にフォーカスし、紙・糸・リボンを編み込み融合させた立体モチーフのアクセサリーを制作されているjulico.designさんのかばんの中にはどんなものが入っているのでしょうか。

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かばんの中には・・・

今回は、日常編、お仕事編に分けて、愛用のかばんとその中身を見せていただきました。

いつもの日常編

基本的には長く使いたいという想いがあるので、デザイン性や耐久性・実用性の高さを意識して選んでいますが、やはり最終的に決め手になるのは好みです(笑)。色や質感が好きかどうか、アイテム同士を組み合わせ、一緒に持ったときに、バランスの良さや落ち着きを自分が感じるかどうかを重視して選んでいる気がします。インテリアのトータルコーディネートと同じ感覚です。

・財布
・名刺入れ
・エコバッグ
・クロッキー帳
・ペン
・手帳
ペンケース
・アクセサリーケース
・桐箱
・ 自作の装身具
・ハンドクリーム
・携帯
・キーケース
・ハンカチ
・ポーチ

普段使用しているバッグは、メタリックカラーの縦長トートバッグ。Fil D’araignee(フィル・ダレニエ)の、内ポケットの付いた帆布製のシンプルトートです。
丈夫な帆布生地に京都の職人さんがひとつひとつメタリックに手染めし丁寧につくられたもので、肌なじみのよい華やかなコッパー色がお気に入り。普段着ているモノトーンやベーシックカラーの服と相性がよく、適度な色味と質感を足してくれるうえに耐久性があるので荷物の多いわたしには重宝しています。素敵なデザインで実用性があるかどうかがこだわりポイントです。

お仕事編

仕事用アイテムは実用性で選んだものが中心。本業では関わる方の人数が格段に増えるので、名刺入れは作家活動と別に、収納力の高いETTINGERのものを使用しています。ブラックレザーの外装にビビッドなイエローのインナーカラーが印象的でお気に入りです。

・名刺入れ(本業インテリアの仕事用)
・仕上げ材のカットサンプルなど
・レーザー距離計
・コンベックス
・図面ファイル

普段用のかばんと併用で使うとなると、丈夫な帆布バッグが重宝します。仕事アイテムは都度内容や重さが変わるので、中身に合わせてマチ付き・マチなしを使い分けています。デザイン監理で現場に行く際、白く汚れることも多いので生成り系を選ぶことが多いです。

作家活動を支えるアイテムたち

作家活動専用に使っているIL BISONTEの名刺入れ。レザー製でコロンと丸みがあり愛らしいフォルムなのに、実は一切縫い目がなくスタイリッシュで丈夫なつくり。作り手の妥協のなさ、ストイックさを感じるような一品です。深いグリーンカラーもお気に入りです。

紙がクリーム色タイプのmarumanクロッキー帳はエスキース用に。大学時代からポケットサイズとスクエアサイズを愛用していて、外出時はポケットサイズを使っています。鉛筆とフリクションペンを併用していますが、やっぱり鉛筆のほうが書き味がなめらかで大好きです。

数少ない柄物アイテムのひとつで、5~6年前に購入したmont boucheさんのポーチをペンケースとして使用しています。ふっくらと立体感のある模様の織地と上品な光沢が大のお気に入りです。ペンケースの中にはいつも、フリクションペンと鉛筆・消しゴム・クロッキー帳・三角スケールが入っています。

mont bouche(モンブッシュ)さんの「フランス生地の花柄ポーチ(アイボリーL)

自分を知ってもらう名刺代わり

ダスティピンクの円形ポーチは、たまたま行くことができた研修旅行先のイタリアで購入したもの。内側が赤のドット柄になっていてとてもかわいらしいんです。アクセサリーケースとしてその日身につけるものはもちろん、試作品も入れて持ち歩いています。

julico.designさんの作品

外出先やインテリアの仕事の打合せ先では、試作品を見ていただくこともしばしば。会話が広がり、より自分を知ってもらう名刺代わりになってくれている気がします。特に1年ほど前から制作を始めた和装小物の帯留めは、趣味和装という意外な共通点の発見から話が盛り上がり、意気投合することも。インテリアの打ち合わせで来て、装身具の意見もセットでいただいて帰ってくることもあります。客観的なフィードバックは軌道修正に繋がるので、本当にありがたいです。
最近はより繊細な素材を用いることが増えてきたこともあり、潰れないよう頑丈な桐の小箱を併用しています。


私的さが増すほど優しくなる色合い

ハンカチはやさしい色合いのものや肌触りのよいものを選んでいます。これはCoci la elle(コシラエル)さんのハンカチで、プレゼントでいただいたもの。トーンの落ち着いた大胆な水彩画が描かれていて、溶け合うニュアンスカラーにうっとりします。

カバンの中を改めて見て感じたことですが、財布や手帳・名刺入れなど、仕事に関わり人目に触れる機会の多いアイテムは色味が深く質感も落ち着いていて、アクセサリーケースやハンカチ・ポーチ・その中身…と、アイテムのプライベート感が強まるにつれ、やさしいトーンやキラキラ感を求める傾向にあるようです。無意識で選んでいるところもあるので、こんなに分かりやすく、はっきり分かれているとは今まで気づきませんでした。

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次回の作家さんのかばんの中身もおたのしみに。
編集 / 中村瑛美里

【連載】バッグの中身
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