特集

あの人の作業机​​ vol.41 アクセサリー作家・mimiacc

作り手が日々向き合う机の上には、こだわりの道具たちが所狭しと並んでいます。気になるクリエイターのみなさんにお声がけし、作業机や作業部屋を見せていただくことに。今回は、つけた方の日常が「特別な一日」になることを願ってアクセサリーを手がけるmimiaccさんの机です。次にここから生まれるのは、どんな作品でしょうか。

mimiacc
夜景やイルミネーション、雨上がりの水面の輝き。自身が感じたたくさんのきらめきを反映したアクセサリーを手がける。
https://minne.com/@mimiacc

わたしに合った3箇所の作業場

いつから、この作業部屋を使われていますか?

mimiacc
4年前、夫の転勤で山梨に引っ越してきてからこの部屋を使用しています。
制作のメインに使用している材料が、紫外線で硬化してしまうものなので、陽射しがあまり入らない北側の部屋を使用しています。
作品はキラキラしているから、きっとこんな薄暗い部屋で作業しているとはお客さまは思わないだろうな。と密かにそのギャップがおもしろいなと思っています。

いつもショップで見る作品写真がとっても素敵ですが、お写真は違う部屋で撮られているんでしょうか。

mimiacc
はいそうなんです。写真を撮るときは制作部屋とは真逆の南側の和室を使用しています。
明るくやさしい自然光が入ってくるので、写真撮影はこの部屋で行なっているんです。

作業工程に合わせてお部屋を変えているんですね。

mimiacc
パソコンなどの事務作業をするときはリビングを使用していて、家の中の計3箇所でそれぞれ作業しています。
写真と事務作業はいつも後回しにしてしまいがちなので、リビング側に環境を置くことで思い立ったときにさっと作業ができます。作業内容によって環境を変えていることが、わたしにはピッタリなんです。

大切なのはパーツと向き合う時間

制作に使用する道具は普段どのように選ばれていますか?

mimiacc
グリップのフィット感が好きで、工具はずいぶん前から同じメーカーさんのものを使用しています。この仕事をする前にパーツ屋さんで働いていた頃からこのメーカーさんの工具がお気に入りです。思えばピンセットや目打ちなど、他の道具も当時から使用しているため、もう10年程経ちます。
新しいものに新調しようかな、と思うこともあるのですが、「ずっと変わらない部分」も心地がいいです。そういった心地よさが、わたしにとって大事な道具選びでもあります。

長く連れ添い手に馴染んだ心地よさを大切にされているんですね。
作業机、作業部屋で特にお気に入りのコーナーはありますか?。

mimiacc
年明けに新しくしたばかりの、道具類を置いているコの字型の棚がお気に入りです。それまで工具などは作業机の上に出しっぱなしだったのですが、作業を終了するときに全てこの場所に収めて布で目隠しすることで、作業机の上がすっきりとして気持ちがいいんです。

アクセサリーづくりには、さまざまなパーツがあり整理整頓が大変そうなイメージですが、とっても綺麗な作業机ですね。なにかご自身が行なっている整理整頓術などがあれば教えてください。

mimiacc
パーツの整理整頓はいろいろ試して今はチャック袋に入れて種類ごとにまとめ、100均で購入したクリアケースに入れて収納しています。この方法は作家さんから教えていただいたのですが、かさばることなくたくさん収納できて、サイズも種類もさまざまなパーツを使用するわたしにはピッタリな収納方法です。

mimiacc
あとは基本的に「必要以上に増やさない」ことを心がけていますね。パーツもここの一区画しか置いていません。

mimiacc
デザインが生まれるときは、わたしにとって2パターンあります。
ひとつは「何か別の作業」をしているとき。もうひとつは「新しい何かを生み出したい」と思ってパーツと向き合っているときです。

ふとしたときに思いつく。というよりもパーツと向き合うことで何か新たなアイデアを見つけることができるんですね。

mimiacc
はい。手に入ったパーツそのものをいろんな角度からじっと眺めて観察するので、こうやってパーツや資材たちを整理整頓することが欠かせないことのひとつなんです。

わたしのご褒美タイム

作品づくりをしている中で、ご自身にとって癒しとなっているものはありますか?

mimiacc
作業に入るときは必ず飲むコーヒーですかね。ハンドドリップで淹れると気持ちが落ち着くし、漂う香りにも癒されます。お湯を注いでコーヒー豆がぷくっと膨らむ瞬間も大好きです。
そしてもうひとつわたしを癒してくれるのが、リビングのソファーにいる愛犬です。

mimiacc
リビングで行う億劫な事務作業の時間も苦になりません。愛犬を眺めながら、撫でながら、愛でながら作業できる、幸せなわたしのご褒美タイムです。

最後に、作品制作で大切にしていることをうかがいました。

mimiacc
身につけた人のことをイメージしてつくることを大切にしています。
作品を生み出すのと同時に、実際に身につけたときにどんなふうに見えるのか、どんなシーンにどんなお洋服に合わせたら素敵なのか、をイメージします。
身につけているとき、手にしたとき、眺めているとき、どんな風に感じてくれるかな、と相手をイメージして制作することを大切にしています。きらめきがその人に寄り添ってくれるといいな、と思います。

mimiacc
そして、制作以外の時間をとても大切にしています。家族や愛犬との時間、自分の時間をないがしろにしないことで、心地よくものづくりを続けることができます。

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取材・文/中村瑛美里

今後もminneとものづくりとでは、みなさんの「作業机」を募集しております。「#わたしの作業机」(「#minneとものづくりと」をお忘れなく!)の投稿をお待ちしております。

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