作り手は、jadё(ジェイド)さん
〜春夏秋冬〜四季折々の美しさと移ろいを感じながら、身につけられるアクセサリーを制作。
https://minne.com/@jade-0-0-3
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jadёが生まれるまで
年の離れた姉が上手に編み物する様子を見て、幼い頃から手芸に興味を持っていたというjadёさん。小学校では手芸クラブに所属していたのだそう。
jadё
幼い頃は手芸クラブでものづくりに励んでいましたが、社会に出てからは時間も余裕もなく、手芸からは離れていました。結婚式の準備で久々に刺繍をしたことをきっかけに、手芸熱が再燃したんです。
jadё
その後は、自分の子ども用にとベビーグッズやおもちゃをつくるようになりました。子どもがすこし大きくなったタイミングで、次は自分のために何かをつくりたいと思い、我慢していたアクセサリーづくりを解禁することに。タティングレースにハマったのもその頃でした。
左右で異なる花の刺繍が目を惹く作品。タティングレースでつくられた立体的な蝶が躍動感をプラスしてくれます。「蝶々と秋 イヤリング/ピアス」
jadё
針を使わないので、子どものお昼寝中でも近くで制作することができましたし、糸とシャトルがあればどこでも気軽につくることができるので育児の合間時間にぴったりでした。
ものづくりのルーツは祖父母から
四角い額縁の中に一輪のガーベラが咲いているようなデザインの耳飾り。「garberra◇ イヤリング/ピアス」
jadё
自分自身のものづくりのルーツを考えてみたことがあります。小学校の長期休みになると、祖父母の家にお泊りに行っていました。大工だった祖父の家には工房があって、作業台の上にはいつもたくさんの木材が並んでいました。寡黙で職人気質な祖父はすこし怖かったけど、工房はいつも木のいい香りがしていてわたしは怒られないようにこっそり作業風景をのぞくのが好きでした。
角度によってオーロラに輝くクリアパーツが主役。「透明くらげ イヤリング/ピアス」
jadё
夏のある夜には、祖父母の育てた月下美人の花が咲くのを夜通し見たこともあります。お花の持つ、生命力にあふれた美しさに魅了されたのはこの時からでしょうか。ものづくりへの情熱と、お花好きはきっと祖父母からの遺伝ですね。
リアルだけど、かわいらしく
見れば見るほどに繊細で、思わずうっとりと見入ってしまうjadёさんの作品。制作においてのこだわりについてもうかがってみました。
耳元で可憐に揺れる姿がかわいらしい。「すずらん イヤーカフ」
jadё
まず大切にしていることは、軽いつけ心地であるということです。わたし自身、耳たぶが厚めで、長時間イヤリングをつけると痛くなりやすいので、できるだけ負担をかけないように重たいパーツは使わないようにしています。
刺繍とタティングレースは、少量の布と糸でできるのでかなり軽いんです。刺繍も、最近はオーガンジーという薄くて透ける布を使用し、どんどん軽量化しています。
刺繍とタティングレースは、少量の布と糸でできるのでかなり軽いんです。刺繍も、最近はオーガンジーという薄くて透ける布を使用し、どんどん軽量化しています。
白いビーズ部分を取り外して2wayで使えるデザイン。「目玉焼きクラゲのイヤリング/ピアス」
jadё
お花と海月のデザインに共通することですが、色味や形など、パッと見ただけで“これは〇〇だ”とわかるようにしています。理由は、「自分の推し」をアクセサリーにしているからです。好きなものをいちばん身近に感じられるってすごく幸せじゃないですか?(わたしがオタク気質だからでしょうか…?)
グラデーションになるように配置されたビーズが美しい、「ギンカクラゲシリーズ」
jadё
また、耳は2つしかないので、必然的につけられない、自宅待機のアクセサリーも出てくると思うのですが、アクセサリーケースに入っているのを眺めているだけでもかわいいな、好きだな、とニヤニヤできるように、リアルなデザインにこだわっています。
リアルだけど、かわいらしいjadёさんの代表作のひとつ。「アカクラゲ イヤリング/ピアス」
jadё
販売を開始した頃は、今後どういう作品をつくるべきか悩んだ時期もありました。手芸好きがゆえに、いろいろな技法を試し、ハマり、それぞれをつくっていくことでギャラリーが雑多になってしまうような気がして、「技法を絞るべきかどうか」を、minneのYouTubeチャンネル『おはようminneLAB』に相談したこともありました。
まるで耳たぶでくらげが気持ちよく泳いでいるよう。
jadё
その際、minneの作家活動アドバイザーの和田まおさんに「器用さは強み。技法をまたいで組み合わせられることはメリット」と助言をいただいたことで、わたしの作品のメインとなる刺繍×タティングレース×ワイヤーワークが誕生しました。さらに、技法をミックスすることで、より“リアルさ”を追求できるようにもなりました。代表作のアカクラゲは、この技法ミックスによって誕生した作品です。
新作は「タコクラゲ(茶)ピアス/イヤリング」
jadё
2年ほど前に既存デザインのタコクラゲ(青)を制作したのですが、最近になって色違いが実在することを知りました。
今回の新作のもとになった、「タコクラゲ(青) ピアス/樹脂ノンホールピアス(イヤリング)」
jadё
住環境や体内の褐虫藻(植物プランクトン)の違いですこしずつ色が変わるのだそうです。知ってしまったからにはつくらなければ!と思い制作するにいたりました。
jadё
デザインについては、既に完成しているものがあったので悩まなかったのですが、いつも時間がかかるのが、糸選びです。リアルさを追求しつつも、アクセサリーとしてのかわいさも必要なので、黄色~茶色の糸をずらりと並べ、あれでもないこれでもないと悩みました。
jadё
クラゲの口腕部分はクリアなビーズを使用しているのですが、その部分と合わせた時の違和感はないか、試作を重ねて、納得のいくものに仕上げることができました。
最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。
jadё
minneで販売を始めてから4年が経ちます。最初は育児の息抜きでしたが、今となっては制作が生きがいとなっています。飽き性なわたしが、こんなに長く制作を続けてこられたのは、わたしの作品を見てくれるみなさまのおかげです。
これからもリアルとかわいさを追求し心を込めて制作していきますので、よろしくお願いいたします。
これからもリアルとかわいさを追求し心を込めて制作していきますので、よろしくお願いいたします。
タコクラゲ(茶)ピアス/イヤリング
連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。
文 / 堀田恵里香