特集

新作おしえてvol.60「hakobeさんの新作、スワッグ・秋を迎えに」

作家さんにSNSで「新作」を募集し、編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。今回ご紹介するのはhakobeさんの新作、「スワッグ・秋を迎えに」です。

作り手は、hakobeさん
八ヶ岳南麓の小さな工房で、主に地元産のドライフラワーを使いリースやスワッグ等のアレンジを制作。
https://minne.com/@cherchan

hakobeが生まれるまで

hakobeさんが子どもの頃、お祖母さまが造花をつくる仕事をしていたことから、幼いながらに「自分も花をつくる人になりたい!」と思っていたそう。そんな影響を少なからず受けたことが、今のhakobeさんにつながっています。

hakobe
祖母の影響でお花をつくる人になりたいと思っていたものの、1度は会社員となり結婚、そして出産。すこしずつ子育ての手が離れるにつれ「やっぱりお花に携わる仕事がしたい」と思い、32歳の時に会社員を続けながら本格的にお花の勉強を始めました。

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生花・プリザーブドフラワー・レカンフラワーとひと通り勉強した後に、たまたま立ち寄った図書館で『僕のドライフラワー・ノート』(著/藤島新)を偶然見つけました。

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その本を見て、ドライフラワーのあまりの美しさに思わず感動。どうしても藤島先生のレッスンを受けてみたいと思い、わずかな望みをかけて連絡を取りました。藤島先生は普段、東京でお店と教室をされているのですが、ラッキーなことにわたしの地元・山梨県北杜市にもお店を持っていました。年に2回(5月・8月だけ)北杜市のお店がオープンします。その時期限定ですが、東京に行かず地元でレッスンを受けられることになりました。これがわたしにとって、最もラッキーなできごとでした。その後、東京青山の教室にも何回か通いましたが8年経った今でも年に2回(5月と8月)は、北杜市のお店にレッスンに通っています。

かわいらしい色合いと、ころんとしたシルエットが魅力的な、ミモザとミニバラのバスケットアレンジ。

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退職する決心がつかないまま月日が流れ、子どもがいよいよ就職し、親元を離れるタイミングで、ようやく本格的にお花の仕事1本に絞ることに決めました。それが48歳の時でした。

日常に溶け込む作品を

美しい花々が際立つデザインが魅力的な、hakobeさんの作品。制作においてのこだわりについてもうかがってみました。

4種類のバラを贅沢に使った、華やかで大人カラーの落ち着いた色合いのバスケットアレンジ。「クラッシックローズのバスケットアレンジ

hakobe
時期やお花の種類によっては県外産や海外産のものもありますが、なるべく地元産のドライフラワーを使うよう心がけています。日常の生活に、すっと溶け込み馴染んでいくような…ナチュラルな雰囲気で、落ち着いた優しい色合いの作品づくりを心がけています。

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また、どの作品も手間と時間をかけて、丁寧に制作しています。忙しい毎日の中で、ふっとドライフラワーが目に入り…それだけで、心が穏やかになり癒されたていただけたら、そんなことを思いながら制作しています。

新作は、「スワッグ・秋を迎えに 」

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「秋らしいスワッグをつくりたい」と考えていたときに、ケイトウの赤い花が目にとまりました。太陽のように赤い色合いですが、よく見るとベルベットのような質感で厚みのある花びらに『温もりのある秋』を感じました。ここ最近、朝晩は随分と涼しくなり、夕方、日が落ちるのも早くなってきました。夏は終わり、もうそこまで秋が近づいてきています。夏が終わる物悲しさを抱えながら、そこここに見え隠れする秋をひとつひとつ拾い集めて『秋』を迎えに行ってみよう、そんな気持ちでつくりました。

hakobe
花材は一部を除いて、ほとんどが北杜市産のドライフラワーです。特にユーカリにはこだわりがあり、信頼している北杜市の方が栽培しているものを分けてもらっています。葉付きや枝振り、枝全体のナチュラルな雰囲気がとても気に入っています。

hakobe
赤いケイトウと木の実のバランスを考えて、何回か組み直していちばんバランスの良い配置にしています。さり気なく入っている茶色の小さな花は、ネイティブフラワー「プロテア」のペテロです。ネイティブフラワーとは、(ワイルドフラワーと呼ばれることもあります)南アフリカやオーストラリアなど、南半球が原産の植物の総称です。プロテアのお花は、全般的に派手な色合いでサイズも大きく、個性的なフォルムをしているものが多いのですが、中でも、ペテロは落ち着いた茶系で形も小振りです。輸入量が少なく、貴重な花になります。そんな貴重なペテロを使い制作している点もこだわりのひとつです。

最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。

hakobe
minneで販売を始めて6年目になります。活動は自分のできる範囲で行っているので、作品数は決して多くはないのですが…たくさんの方に訪問していただき、お気に入りやフォロー、そしてお買求めいただきまして本当に嬉しく思い感謝の気持ちでいっぱいです。何気ない毎日の生活の中に、ドライフラワーがすっと馴染み溶け込んでいき、あなたの心にポッと明かりを灯す。そんな癒しが提供できたらいいなと思いながら制作しています。

9月~12月は、母の日と肩を並べる位に忙しい時期です。いつもはドライフラワーを中心にアレンジしていますが、この時期だけは、小さなお子さまからおじいちゃん・おばあちゃんまで、ご家族そろってみなさんで楽しんでいただけるように、破損や劣化が少ないアーティフィシャルフラワーを使った作品も制作しています。どうぞ、のぞいてみてくださいね。

スワッグ・秋を迎えに


連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。

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文 / 堀田恵里香

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