はじめましてのごあいさつ
インターホンを鳴らすと、「ようこそ」と出迎えてくれたお母さんの後ろから、小さな女の子が笑顔をのぞかせています。わたしたちが「こんにちは」と声をかけると「こんにちは!」と言って、またお母さんの後ろに隠れてしまいました。
uni accessoryさんは、ちょっぴりシャイな女の子のようです。
もともとはお母さんが趣味で集めていたアクセサリーパーツを使い、娘さんが自分用にアクセサリーをつくっていたのだそう。ある日「これをおねえさんたちにつけてほしい!」と言い始めたことから「だったらお店屋さんをしてみたら?」とアドバイスしたことをきっかけにminneでuni accessoryをスタートしたのだといいます。
想いを込めてつくった作品と丁寧なコミュニケーションで、日に日にファンを増やしているuni accessoryさん。今回は、作り手である娘さんとお母さんのふたりにお話をうかがいながら、制作の様子を見せていただきました。
uni accessory
5歳の女の子がつくるアクセサリー屋さん。デザイン画からネーミング、制作までを娘さんが担当、お母さんは見守りとお手伝いを担当しています。
https://minne.com/@unicompany憧れのユニコーン
uni accessoryさんの制作の傍らにいるのはユニコーンのぬいぐるみ。プレゼントでいただいたもので、ひと目見た瞬間から大好きになってしまったのだそう。
とってもかわいいユニコーンですね。ユニコーンのお名前を教えてください。
ゆにちゃんのどんなところが好きですか?
uni
accessory
一緒にいるとやさしい気持ちになれたりするところ。アクセサリーをつくるときも、寝るときも、ゆにちゃんと一緒。
お母さん
ショップ名の「uni accessory(ゆに あくせさりー)」もユニコーンからきているんです。お店屋さんで得たお金で、ユニコーンを飼いたいんだよね?
5歳のアクセサリー作家・uni accessoryさんの目標は、ユニコーンを飼うこと。お母さんは、悩みに悩んだあげく、できるところまでは叶えてあげたいという想いで見守ることを決めたのだといいます。
uni accessoryさんの愛用のペンもユニコーンモチーフ。お手紙を書くときに使うペンなのだそう。
ゆにちゃんは相棒のような存在なんですね。もし本物のユニコーンを飼ったら、何がしたいですか?
uni
accessory
ユニコーンの背中に乗って家族でお散歩がしたい!
お母さん
みなさんにもあたたかい目で応援してあげていただけたら嬉しいです。
uni accessoryのアクセサリー
uni accessoryさんのInstagramより。
uni accessoryさんの作品づくりは、デザイン画を描くところからスタート。ひとつひとつのアクセサリーに、イメージを元にしたネーミングが付けられているのも特徴です。
今いちばんお気に入りの作品を教えてください。
uni
accessory
妖精さんのシャボン玉のピアスです。きらきらでかわいい。
「妖精さんのシャボン玉」と名付けられた作品。シャボン玉の妖精さんがつけてるピアスをイメージしてつくったのだそう。ガラスボールの中には水が入っており、ピアスが揺れるたびに水の揺らめきも楽しむことができます。
もともとはお母さまが集めていたアクセサリーパーツで制作を始められたということですが、デザイン画がある場合、パーツ選びはどのように行なっているのでしょう。
お母さん
金具や道具はわたしが勝手に買い足しますが、パーツ自体は一緒にサイトを見て、デザイン画に似たものを、ふたりであれこれ言いながら発注しています。
あれこれ言いながら(笑)、母娘という感じで微笑ましいです。
お母さん
一緒に見ていると、あれもかわいいね、これもいいね!と止まらなくなってしまうので(笑)、最近は見る回数を減らしています。
デザイン画をもとに、一緒にパーツ選びもする。主体はあくまでも娘さんなんですね。
お母さん
そうですね。彼女のイメージを大切にしています。作品のネーミングも娘の発想に任せているんです。ただ、もっと専門的な、例えばアクセサリーとしての使いやすさ、つけ心地などに関しては、わたしもそこまで知見がないので、すこしずつ学びながらアップデートしています。
SNSのDMなどで、他のアクセサリー作家さんから「ここはこうすると耳から落ちにくくなるよ」「このパーツがおすすめだよ」などアドバイスをいただくこともあるそう。
お母さん
娘のものづくりを応援してくださる方が多くて、本当にありがたいですね。
アクセサリーづくりのどんなところが好きですか。
uni
accessory
たのしい。きらきらとか、ちりんちりんって音が鳴るのが好き!
見守る心得
「何かつくりたい!」と作業机に向かったuni accessoryさん。無言で黙々とアクセサリー制作に励みます。ひたすら没頭する姿はまるで職人のようで、背中から集中力がひしひしと伝わってきました。
途中「これもやりたい!」と、レジンのパーツづくりにも初挑戦。やけどなどをしないように、お母さんがそばでしっかり見守ります。
娘さんの制作をそばで見ていて、もどかしかったり、つい口を挟んでしまうようなことはありますか?
お母さん
実はわたしも最初はアクセサリーづくりをしたくて、いろんなパーツを買い揃えていたんです。ところが実際につくり始めてみたら、細かい作業が全然向いてなくて(笑)。どちらかといえば感心しながら見ていることが多いです。娘の力が足りなくてできないところや、危ないなと思う工程はお手伝いしています。
アクセサリーづくりで頑張っているところは「金具を穴の中に入れたり、ペンチでかちっとするところ」とuni accessoryさん。
minneはオンラインのマーケットですが、プロフィールページの紹介文や、注意書きなど、お母さんがとても丁寧にサイト運営をされている印象です。ネット販売という環境において気をつけているところを教えてください。
お母さん
なによりも娘が特定されないことを第一に考えています。傷ついたり負担になることはさせたくないですし、それがプレッシャーや中傷に繋がることがあれば、ものづくりへの楽しみや自信もなくなってしまうと思うので。あとは、あくまでも娘の作品なので、その良さが伝わればいいなという気持ちで行っています。
アクセサリーが最初に売れたときのことを覚えていますか?とuni accessoryさんに質問すると、大きくうなづき「とっっても嬉しかった!」と笑顔で答えてくれました。
これから子どもと一緒にminneでものづくりを楽しみたいと考えている親御さんにも参考にしていただけたらと思います。親として、子育てにおいて大切にしていることがあれば教えていただけますか。
お母さん
肌や目や髪の色、空や葉っぱなどに決まった色が無いこと、男の子だから女の子だからという区切りをつけないことなどは日頃から伝えていて、なるべく自由に表現することの芽をつまないように気をつけています。
こうして取材中にuni accessoryさんの「もっとつくりたい」という声をたくさん聞けるのも、自由な表現を楽しんでいいんだ、というベースがあるからのように感じます。そんなものづくりを楽しむ娘の母として大切にしていることはありますか。
お母さん
ものづくりに関わらず、娘が「やってみたい」と言うことは、できる限り一旦やらせてみています。時間がゆっくり確保できない、下の子がまだ幼いので近くにいると危ないなどのときはできないですが、別日にずらしても必ず1度、挑戦する機会を設けています。
ゆっくり、丁寧に
椅子を横に並べて一緒に楽しそうにアクセサリーをつくるふたり。uni accessoryのアクセサリーは親子のあたたかな時間の中でひとつひとつ完成していきます。
作家活動を始めてみて、娘さんの変化を感じたところはありますか。
お母さん
もともと集中力のある子ですが、さらに持続してひとつのことに取り組むことができるようになったなと感じます。あとは、最近は「これピアスにしたらかわいいんじゃない?」と日常の中から、ひらめきが浮かぶ様子を見て、この子なりに、日頃からアクセサリーをつくることが頭の片隅にあるんだなと感心しています。
途中、uni accessoryさんは自分の耳にアクセサリーを当てながら、仕上がりイメージを何度も鏡で確認していました。「もっときれいなアクセサリーができないかな」と考えながら、次につくるアクセサリーのイメージをふくらませていくそう。
minneでショップを開設して4ヶ月でフォロワー数は260人を超えていますね。
お母さん
実はたくさんの方にuni accessoryを知っていただけるきっかけがあったんです。
それがこちら。イラストレーター・やまもとりえさんのTwitter投稿です。
お母さん
もともとはわたしが、何年も前からやまもとりえさんが好きでSNSをフォローしていたのですが、娘が絵や物語を理解できる年齢になってからは一緒に見たりしていました。たまたま“ピアスをあけました”という投稿を一緒に見ていて、「つけてほしいね」と話していたのでDMさせていただいたのがきっかけなんです。
とってもよろこんでくださっていますね。反響はいかがでしたか。
お母さん
uni accessoryとしてはInstagramもネット販売も始めたてで、知人の口コミで細々と販売をしていたのですが、やまもとりえさんが投稿してくださり、フォロワーさんがすごく増えました。娘の作品を「かわいい」と言ってくださり、ありがたいことに購入してくださる方も増えました。娘の作品を気に入ってくださること、夢を応援してくださること、アクセサリーを身につけた感想や写真を送ってくださり、それを娘が見てよろこぶ姿が、なによりも嬉しいです。
お客さま宛にサンキューカードを書くuni accessoryさん。おねえさんが自分のアクセサリーをつけているところを想像しながら、嬉しい気持ちを込めて書くのだそう。「最初に、ありがとうってお手紙を書きたい!と言われたときはびっくりしました」とお母さん。
お母さん
本人にはしっかりとこだわりがあって、納得がいくまでやり直す性格なので、ひとつひとつの作品づくりに時間はかかるけれど、丁寧に大切に、手を込めてつくっています。
uni accessoryを通して笑顔になる人がこれからますます増えそうな予感です。今後の活動についてもお話をうかがってみました。
娘さんの今後の制作や活動に期待することはありますか。
お母さん
今まで通り、楽しんで取り組んでくれれば、それだけで良いと思っています。せっかく楽しそうなので、つくる時間は減ってもずっと続けてくれればなぁと願っていますが、今後小学生にあがって生活スタイルも変わりますし、いつか飽きてしまうときがくるかもしれないなと思っているので、母としては強制はせず見守っていくだけかなと思っています。
「将来なりたいのは、アクセサリー屋さん。それか、アイス屋さんかケーキ屋さん」と教えてくれたuni accessoryさん。
最後に、まだつくっていないけれど、これからつくってみたいアクセサリーはありますか。
uni
accessory
いっぱいある!人魚のピアスとか、色が変わる宝石のアクセサリー。紫とピンクが好きだから、色のアクセサリーもつくりたい!
あふれんばかりの創作意欲。uni accessoryのショップページには、これからカラフルな作品も続々登場予定とのこと。一体どんなネーミングのどんなデザインが並ぶのでしょう。楽しみです。みなさんもぜひ訪れてみてくださいね。
取材・文 / 西巻香織 撮影 / 真田英幸
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