インタビュー

支え合う育児と制作活動。夫婦作家MISCHIEFさんの、子どもに語り継ぎたい「かっこいい」ものづくり。

今回ご紹介をする、MISCHIEF(ミスチフ)さんは、ご夫婦で作家活動しながら育児も両立されています。MISCHIEFさんの作品たちがつくる、やわらかな世界観は見ているだけでも楽しくてワクワクします。そんな魅力あふれる作品たちをつくるMISCHIEFさんですが、いったい育児と作家活動のバランスをどのようにとっているのでしょうか。ノリーさんとコムさんに、作品の生まれたルーツや制作のウラ側をお伺いしてきました。どうやらご出産を機に、つくる作品たちも少しずつ変化をしているそうで…。

今回ご紹介をする、MISCHIEF(ミスチフ)さんは、ご夫婦で作家活動しながら育児も両立されています。MISCHIEFさんの作品たちがつくる、やわらかな世界観は見ているだけでも楽しくてワクワクします。そんな魅力あふれる作品たちをつくるMISCHIEFさんですが、いったい育児と作家活動のバランスをどのようにとっているのでしょうか。ノリーさんとコムさんに、作品の生まれたルーツや制作のウラ側をお伺いしてきました。どうやらご出産を機に、つくる作品たちも少しずつ変化をしているそうで…。

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飽きっぽいわたしでも唯一続いた、絵を描くこと

独特な世界観に、愛くるしいキャラクター作品をつくるMISCHIEFさんですが、おふたりはどんな幼少期を過ごされてきましたか?

ノリー 私は結構、何にでも興味を出しちゃうタイプでしたね。カメラやお絵描きだったり、他にはギターもやりました。やりたいことは、片っ端からやってといった感じで…。そして、すぐ投げ出すっていう(笑)。そういう意味では、長く続いてることって、絵を描くことだけのような気がします。

コム ぼくも彼女と似たような感じかなって思うのですが…。小さいときは、お菓子の箱を集めて何か立体物をつくったり、DIYみたいな、大きなものをつくることが好きでしたね。あと、母が着物に絵を描く仕事をしていたので、その隣で同じように絵を描いたりしていましたね。

ふたりに共通しているのは絵を描くことなのですね。はじめてのものづくりはどんなものをつくりましたか?

コム 母の日に筒の箱をつくって、紙を貼り付けて飾り付けしたものをプレゼントしたことが印象に残っています。

ノリー 私は夏休みの宿題で「感想画」っていうものがあったのですが、それが毎年楽しみだったんですよね。読書をし終わって、その感想を文字じゃなくて絵で描くんですけど、本の物語を自分の頭の中で想像して絵を描くことが本当に楽しくて毎年楽しみでした。

コム ぼくもあったけれど、逆にそれが苦手だったな。母にお願いしちゃっていましたね(笑)。

自身の作品に影響を与えたモノや作品などはありますか?

ノリー 私は「サンダーバニー」っていうキャラクターが大好きで。なのでその作者の、ロドニー・アラン・グリーンブラットさんに影響を受けましたね。キャラクターになる前の立体物だけが載っている本というのがあって、それを読んだときに「あ、こういうのを作りたい!」と思いましたね。

コム んー、ぼくは影響を受けたものなどそういったものがなく、世界観といったものは自分に特にないなっていうことを自覚していて。だからなのか、そういったものを持っていないからこそ、彼女に惹かれたのかなって思っているんですよね。

彼女の世界観を応援したいなって思った

MISCHIEFさんは夫婦で作家活動をされていますが、どういったきかっけがあって共同で制作をされることになったのですか?

ノリー 夫婦で活動という前に、私たち元々は同じ専門学校の同級生でした。学校を卒後した後に、たまに共同展として一緒に個展を開いたりなどしていました。 

コム そう。当時のぼくはアナログで、彼女のほうがデジタルに詳しくって。なので、「教えてもらえないかな」ってお願いしていた流れで一緒に活動をはじめましたね。最初は、ポスターやフライヤーをつくったり。その後も、それぞれ別々に作品制作をしていましたけど、そのときからすでに彼女は今のような世界観の作品を持っていて、別々でやるより、彼女の世界観を優先したほうがきっと良くなるような気がしたんですよ。

ノリー 当時は、下書きから色塗りまでひとりでやって、コムがそのフォローっていう感じだったんですけど、実は私はそんなに色塗りのセンスがないっていうか得意じゃなくって(笑)。なので、そこの色塗りの部分やディティールを書き込む部分をお願いする形で、役割分担が決まっていきましたね。

コム 上京してきた2010年ごろからこういった作品をつくってはきましたけど、結構最近まで試行錯誤していました。こういった背景が水彩で、絵の感じっていうのは。

お子さまを出産されてから、自身のつくる作品に何か変化が起こったりはしましたか? 育児と作品制作においてはどうバランスを取っていますか?

ノリー 子どもが生まれてからは、やっぱり作品制作も子どもの生活リズムに合わせてってなりましたね。だからものづくりの時間は、子どもが眠ってからになりましたね。

コム ぼくが休みの日は、どちらかが子どもを見て、どちらかが作品づくりという感じです。先ほどもありましたけど、作品の役割分担としては、イラストの下書きは彼女がして、ぼくは色塗りを担当。お互いに担当するところははっきり分けて、集中してつくっています。

ノリー クッションやアクセサリーはそういった分担ですけど、他にもカードやポチ袋みたいな紙モノもあって、そういったものはコムがやってくれてるので助かっています。また、作風の変化っていうほどではないのかもしれませんが、これまでは自分の好きな世界観っていうのが優先していたかと思うのですけど、子どもが生まれてからは、子どもでも楽しめるような作品をつくりたいなって思うようになりましたね。キャラクターも少し変わったかも。

コム そうだね。キャラクターのフォルムもちょっとポテッとして、愛嬌がある感じになったかも。あと、デザイン以外でいえば、作品の肌触りだったり素材を気にし出すようになったなって思いますね。

ものづくりと子育てのどちらも手を抜きたくない

MISCHIEFさんの独自のこだわった制作方法や、こだわりはどんなところにありますか?

ノリー 作品づくりで一番重要視しているのは、キャラクターの世界観です。私はキャラクターを描くときにいつも、そのキャラクターの性格だったり住んでるところなどの、バックボーンみたいなことを思い描きながら描いていまして。動物といっても、ただの動物じゃないというか…。

コム それでぼくはその、ポンと出た彼女の思いつきみたいなものを教えてもらうんですよ。「性格はこうで~」とか「こういう森に住んでる~」みたいな。ふわっとしたものなんですけど(笑)。漠然としたイメージから、そこに肉付けをして具体的決めていくのは、ぼくの仕事ですね。あと、子供に生き物に興味をもってもらうためにも、その生き物のもつ大きな特徴はなるべく変えないようにしています。例えば、カメレオンなら「指は何本だろう」と細かく調べたりすることもあったり。そこに、その動物の世界観を考えたもの、羊がお花柄だったり、キリンのタテガミが虹色だったりなんてことを加えて作品に個性を出すんです。

ノリー 子どもが楽しんでくれて、キャラクターを好きになってもらったその先に、生き物にも興味を持ってもらいたいなって思うんです。

MISCHIEFさんの今後の活動目標をおしえてください。

ノリー 今は育児に精一杯で、制作が思うようにできていないんです。私は作品もたくさんしたいし、育児にも手を抜きたくないんです。だから、育児を言いわけにせずに、これからも協力しあってたくさんの作品をつくっていきたいなって思っています。いつか自分の子どもに、作品づくりをしている自分たちの姿を知ってもらって、楽しんでもらえたらうれしいなって思いますね。

コム ふたりで話しているのは、いつか自分たちのキャラクターを絵本にしたいねって。キャラクターの世界観でいっぱいにした、遊べるスペースをつくるのも夢ですね。

ノリー 作家活動と子育てってすごく大変ですけど、日々励みになるのは、購入者さんの声ですね。minneさんでも、レビューやメッセージで買っていただいた人の声が届くのでいつも喜んでいます。以前、雑貨屋さんで働いていたときに、自身の作品をお置かせてもらっていたんですけど、プレゼントとして作品を選んでいただいたときは本当にうれしかったです。

コム そうやって、自分たちの全然知らない人の「生活の一部』として作品を選んでくれていることは本当にありがたいことなので、うれしいなって思いますね。

プロフィール

I prof

MISCHIEF(ミスチフ)さん

夫婦2人で、個性豊かな生き物が描かれたクッションのほか、ブローチやポストカード作品も制作している。

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