レポート

「minneのハンドメイドマーケット 2023」こんなお店がありました〈2〉

9月16日・17日・18日の3日間にわたって、東京ビッグサイトにて開催された「minneのハンドメイドマーケット2023」。4年ぶりの開催となる今回は、「Journey」というコンセプトのもと多くの作家・ブランドが集まり、個性豊かなブースが会場に並びました。その中から、編集部の目にとまった一部を振り返ってご紹介します。

新たな発見に満ちた3日間

シルバーウィークの連休を通して開催された「minneのハンドメイドマーケット2023」。出展ブースの数は3日間で2,400を超え、大盛況のうちに幕を閉じました。旅をするように新たな「好き」を見つけてほしい、という想いのもと企画された今回のイベントでは、会場内もエリア分けされ、好奇心をくすぐる数多くのブースが出展されました。

ここでは、出展ブースのご紹介と合わせて、作家・ブランドのみなさまからいただいた出展への想いや、イベントで印象的だった出来事、感想などもご紹介します。

「minneのハンドメイドマーケット2023」に足を運んだ方もそうでない方も、旅の思い出を振り返るようにイベントでの写真やコメントを楽しんでくださいね。

小鳥がさえずるような空間

透明水彩で描いた動植物のイラスト作品や、そこから図案化したブローチ、刺繍キットなどを制作されている「近藤 朱」さんのブース。当日は刺繍作品の繊細な色使いをよく見ようと立ち止まる来場者も多く、優しい作風にみなさんほっこりと頬を緩めていました。

近藤 朱
「刺繍を始めてみたい」「興味はあるけれど一歩を踏み出せない」といった方に、刺繍キットがどんなものなのかを実際に見て、触って、知っていただく機会になればいいなと思い、今回出展の応募をさせていただきました。インターネットの画面越しでは伝えきれない刺繍の色の鮮やかさや質感を、リアルの場ではより感じていただけるのではないかと以前から考えていたので、案内が届いてすぐに出展を決意しました。

近藤 朱
ブースにお越しくださったお客さまひとりひとりとのやりとりがどれも特別なものでしたが、お買い物候補の中から1日かけてご検討くださり、刺繍ブローチをご購入くださったお客さまや、通販で以前ご購入いただいたキットの完成品をお持ちくださったお客さまがとくに印象的でした。画面上のやりとりだけでは見えないお買い物の様子や、以前の購入者さまとお会いできるとても貴重で光栄な時間でした。

近藤 朱
また、お客さまから制作のヒントとなるようなご意見やご要望を生で受け取ることができたり、個展の案内に興味をもってくださったりと、「ハンドメイド」の枠を超えたたくさんの方々と出会えたのは大きな財産になりましたし、他の出展者さまのブースを見るだけでも、勉強になり自分自身の課題を考える刺激となりました。これからもお手に取ってくださった方々に喜んでいただけるように、真摯に制作に向き合っていきたいと思います。ありがとうございました!

「近藤 朱」さんのショップを見る

工房を訪れたような豊富なラインナップ

陶芸職人「you 祐山窯」さんのブースには、美しいプレートやマグカップがずらり。思わず手を伸ばして触れたくなるような土の質感は手仕事ならではです。you 祐山窯さんの作品のファンの方が新作を求めてブースに訪れる場面もみられました。

you 祐山窯
2020年からminneでの出品を始め、出品をきっかけに『ロリエ プレート』を制作してからは、嬉しいことに多くのお客さまに作品をお届けすることができました。またレビューなどでも温かいコメントをいただいて日々感謝しております。お客さまと直接触れ合えるイベントへの出展は以前より楽しみにしておりましたが、コロナ禍になり、開催されず残念に感じていたので、今回開催されることを知りぜひ参加したいと思い、出展しました。

you 祐山窯
普段、イベントへ出展する際は「工芸エリア」に出展することが多いのですが、今回「生活雑貨エリア」へ出展したことで色々なジャンルの作家さんと交流ができました。今回のために新作のマグカップを用意して行ったので、それを目当てにお客さまが来てくださったのはとても嬉しかったです。また、ZAZEN BOYSの向井さんをBGMに出展できたことはとても贅沢な時間だったなと・・・笑。
他にもワークショップが充実していたり、通路を広くとっていたりと子ども連れのお客さまも買い物がしやすい雰囲気だなと感じました。スタッフの方も多くいらっしゃったので、トラブルもなくスムーズに進められ、楽しく過ごすことができ感謝しております。ハンドメイドイベントへの出展にはまだ日が浅く、他の作家さまのディスプレイやお店づくりは自分の未熟さを痛感するとともに刺激になることもたくさんあり、多くの学びを得ることができました。自分自身これからも精進して作品やお店づくりを追及していきたいと思います。

「you 祐山窯」さんのショップを見る

絵本のような空想街の世界

ポストカードやスマホケース、しおりやマグネットなどさまざまな雑貨がどれも物語のある空想街の世界観で統一され、ファンタジーな空間をつくり出していた「空想街雑貨店」さん。童心に帰るとはこのこと。大人も作品の世界観に浸ってしまう素敵なブースでした。

空想街雑貨店
空想街雑貨店は、より多くの方々にワクワクをお届けするため、日々空想の世界をかたちにしています。今回は、空想街の「今」をご覧いただくために、実店舗とネットショップを飛び出してきました。空想街雑貨店の一スタッフとして、空想街に興味を示してくださったみなさまの頭の中で空想世界が広がることが、なにより幸せです。「これからも空想街があらゆる場所で生まれ続けますように」 そんな思いを胸に、本イベントへ出展しました。

空想街雑貨店
わたしが参加した3日間でとくに印象に残っているのは、会場にいらっしゃる方々から伝わってくる「好き!」という気持ちの表れです。例えば、来場者さまがたくさんの作品に触れて、新しい「好き!」と出会う瞬間。例えば、他の出展者さまの展示やワークショップ、お話から感じられる自身の作品に対する「好き!」という気持ち。たくさんの「好き!」を肌で感じることができ、3日間ずっとドキドキ、ワクワクしていました。ハンドメイドマーケットでは、そんな「好き!」を声を大にして謳うことができ、しかもそれを共有することができる。こんなに幸せなことはありません。本当に楽しい時間を過ごすことができました。運営をしてくださったminneスタッフのみなさま、素敵な出会いをくださった出展者のみなさま、たくさんの笑顔をくださった来場者さま、ありがとうございました!

「空想街雑貨店」さんのショップを見る

まるで小さな遊園地

レーザー加工機で切り出した木や革、アクリルなどを組み合わせたインテリア雑貨を制作している「minimums」さんのブース。“小さな世界”をコンセプトにつくられた色鮮やかな観覧車やサーカステントがたくさん並び、ブースはまるで小さな遊園地のようでした。

minimums
東京のイベントに出展し始めて2年、待望のminne主催イベントということで、ぜひminneファンのみなさまにわたしの作品を直接見ていただきたいという気持ちに加え、4年ぶり開催ということで、イベントを一作家として盛り上げたいという気持ちで出展を決めました。

minimums
ちょうど「minneとものづくりと」内でインタビュー記事を取り上げていただいたおかげもあって「minimumsのことを知っている」「作品を見たことがある」というお客さまにたくさん声をかけていただけました。普段はネット上でしかやり取りのないお客さまと直接お話できたことも良い体験となりました。また運営やスタッフの方々の心配りが非常に良く、かなりの人数のスタッフが常に会場内を巡回して何かあるとすぐ対応をしてくれた他、時間に関する効果的な場内アナウンスや分かりやすく、デザイン力のある看板の設置、イベント後搬出時の見送りなど、出展者側として「こういうことしてくれたら嬉しいな」ということをひと通りしていただけことが印象強く感じました。

minimums
日程、天気、運営の質は過去例を見ないほど良かった一方で、集客力についてはすこし課題を感じました。こればかりは他会場での競合イベント等、運の要素もあるのですが、やはりハンドメイドイベントでは集客力がすべてとなるので、残念に思う部分も一部ありました。しかし、集客を運営だけに依存せず各作家も個々に集客力アップに努めなくてはならないし、通販でも買えるこの時代に、「通販とは違う!」「是が非でも行きたい!」という気持ちになっていただけるような創意工夫が、出展者にも強く求められているとも感じました。次に大きく飛躍するために力を蓄えたのが今回と捉え、出展者としても変化を恐れず挑戦し、新しい世代が出展しやすい環境をつくっていきたいと思います。次回もぜひ出展させていただきます。

「minimums」さんのショップを見る

新作の時計「Herstory」をお披露目

作品を見た人が“うふふ”と微笑むようなユーモアと優しさのあるギフト作品を制作されている「うふふまいこ」さんのブースでは、新作の時計作品「Herstory」がメインで展示され、そのユニークなデザインに大人も子どもも興味津々でブースに訪れていました。

うふふまいこ
コロナ禍の前から時間をかけて制作してきた時計「Herstory」の試作がついに完成したので、 たくさんのお客さまに見ていただきたいという思いで出展を決意いたしました。写真では伝わらない、時計のガラスの中に閉じ込められた、女の子のおとぎ話のような世界感をそっと覗いていただけたら嬉しいなと。コロナ禍でなかなか前に進まない制作や試作、またプライベートでも妊娠、出産、育児という転機が訪れ、その合間をぬって作品の試行錯誤を繰り返してきました。その長年の思いがついに発表できるのだとワクワクしながら出展に臨みました。

うふふまいこ
お客さまの笑顔や反応がとても嬉しくて、通りすがりに「かわいい!」とか「おもしろい!」とかちょっとだけでも反応していただけると、作品をつくり続けていて良かったなと「うふふ」な幸せな気持ちにさせていただきました。中でもお子さまや赤ちゃん連れのご家族が、「おくるみクレープ」という作品で遊んでくれたり、写真を撮ってくださったり、 イベントならではの交流があり、わたし自身もたくさん楽しませていただきました。

うふふまいこ
普段はオンラインショップでの販売がメインなのですが、実店舗をいつか持ってみたいという夢があるので、こうやってイベント出展のようにたまに自分のお店が開けると、夢が叶って嬉しいです!やっぱりお客さまとの対話は制作の意欲にもつながりますし、宝物のような時間を過ごさせていただきました。最後に、minneスタッフのみなさまがとてもあたたかかったです。 出展中は何度も助けていただきありがとうございました。たくさんのminneスタッフが常に見守ってくれていたので、安心して出展することができました。とても頼りがいのある方が多く、一緒にお店をつくりあげてくれたような感覚でした。

「うふふまいこ」さんのショップを見る

歩き疲れも癒す鮮やかなグリーン

たくさんのブースがある中でひと際存在感を放っていたのが、寄せ植えブリコラージュフラワーと、花とカゴと暮らしの道具を販売する「アトリエ華もみじ」さんのブース。鮮やかなグリーンが目を惹き、広い会場で歩き疲れた来場者や他の出展者、minneのスタッフまで癒されました。

アトリエ華もみじ
このたびは、3日間出展させていただきましてありがとうございました。全国からこだわりをもった作家さんの作品が集まった場で、出展者さんたちとの交流も楽しく、とてもインスパイアされた3日間となりました。

アトリエ華もみじ
なによりもご来場いただいたお客さまに「緑がきれい」「本物の植物がある!嬉しい!」など喜んでいただけたことは花屋として嬉しい限りで、たくさんの方とお話しさせていただいてアトリエ華もみじのこと、東京店がある東京都東久留米市のことを知っていただく機会となり、出展して良かったと感じております。現在、多くのイベントが再開されている中、 素敵なご縁がどんどん広がる場があることに改めて感謝する想いです。またお逢いできるのを楽しみにしております!みなさま、ありがとうございました。

「アトリエ華もみじ」さんのショップを見る

10月11日(水)には、minneスタッフによる「ハンドメイドマーケット2023」での購入品レポートをお届けします。そちらもお楽しみに。

編集部へ感想を送る

  • Xでポストする
  • Facebookでシェアする