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仏花とは?読み方と意味
仏花とは、仏壇にお供えする花のことです。「ぶっか」「ぶつばな」と読みます。普段、何気なくお参りの際に花をお供えしますが、その理由をご存知ですか?香、灯明、花の3つからなる「仏の三大供養」のひとつである花は、仏様の供養に欠かせないものです。花をお供えすることで仏様から「慈悲」の心を分けていただけるといわれています。また、故人やご先祖様へ感謝する気持ち伝えるためにも花をお供えするのです。
仏花を飾るタイミング
自宅に仏壇がある場合は、普段から花を飾り、花が萎れる頃に取り替えることが理想的です。菊やカーネーションなど比較的日持ちする花を選ぶと、取り替える頻度を抑えることができますよ。ただし、花が枯れるたびに花を購入して取り替えるのが難しい場合には、月初や15日頃など月に2回程度の無理のないペースでの交換でも問題ありません。大切なのはお供えするときに感謝の気持ちを込めること。故人の月命日や法事、お盆、お正月といったタイミングで飾る方も多くいます。
仏花の飾り方
基本の飾り方
仏壇に花を飾る際には、「花立」と呼ばれる花瓶を使います。花立は左右で一対になる位置に置き、同じ花束を左右対称に飾ります。そのため、同じ花束をふたつ用意することが基本です。花の正面は、仏壇側でなく自分側に向けます。これは、お参りする人の心を楽しませることが仏様の喜びと考えられているためです。
花立がひとつしかないときの飾り方
最近では、従来の仏壇がコンパクトになり飾れるスペースが少ない場合もあります。もし花立がひとつしかない場合は、一束だけ飾っても構いません。仏壇に向かって左側に花立、中央に香炉、右側に火立(ロウソク)を飾ります。
仏花の色
仏花には、お供えするタイミングによって花の色の選び方に特徴があります。また、色の種類は奇数でそろえるのもマナー。四十九日を過ぎ、年数の経過とともに花の色にこだわらずに飾る場合もありますが、一般的に選ばれる仏花の色は以下の通りです。
一周忌、三回忌:白を中心に、淡い黄色やブルー、紫など落ち着いた色を入れる
仏花の本数
仏花の本数は、一般的に3本・5本・7本など奇数がよいとされています。奇数は半分に割れずバランスがいいことに由来するそう。花は二束一対で用意するのが基本です。仏壇の花立それぞれに3本×2、5本×2、7本×2など、左右で同じ本数を飾りましょう。
仏花に使われることの多い花の種類
仏花には、日持ちの長い花がよく選ばれます。代表的な花は、菊(大菊、小菊、スプレー菊、ピンポン菊など)、胡蝶蘭、カーネーション、ユリ、トルコキキョウなど。これらの花は一年を通して手に入りやすく、仏花としても古くから親しまれています。季節に応じた花を飾りたい場合は、春・秋はスターチス、夏・秋はリンドウなどもおすすめ。香りの強い花は仏花に適さないので、ユリは香りを抑えたものを選ぶのがよいでしょう。仏花に適さない花については、次章で詳しくまとめています。
仏花に適さない花
仏花としては控えたほうがよい花の種類をご紹介します。故人が好んでいた花などを除き、適さない花のポイントを押さえておくと安心です。
香りの強い花
ユリや金木犀、カサブランカなどの香りの強い花は、お線香の香りと混ざってしまうので仏花には不向きとされています。虫が寄ってきてしまうという理由で避けられる場合も。お供えする花選びの際には、香りを抑えた種類を選ぶのが無難です。
トゲのある花
バラやアザミなどのトゲのある花は「殺生」を連想させるため、仏花には適さないとされてきました。ただし、最近では故人が好きだった花としてお供えされることも増えています。その場合、茎に触れて怪我をすることもあるため、トゲを切り落としてお供えすると安心です。
毒のある花
毒のある花は、仏様に毒をお供えすることと考えられタブーとされています。スズランやスイセンなどスミレ科の植物は毒性があるため花選びの際には注意が必要です。彼岸花やチューリップなども根に毒を持つことから避けられる傾向にあります。
縁起が悪いことを連想させる花
彼岸花や椿、むくげなど、縁起が悪いことを連想させる花も避けた方が無難です。彼岸花は根に毒を持つことや「死人花」とも呼ばれ「死」を連想させるため避けられます。花が首から折れて落ちる椿も同様です。一日で萎んでしまう一日花のむくげは「無常」を連想させるため仏花には適さないとされています。
食べ物の花
穀物や野菜などの食べ物の花も仏花には不向き。アワや麦、稲、オクラなど人が口にするものを仏花としてお供えするのは縁起が悪いという考えからです。
仏花は造花やプリザーブドフラワーでもよい?
仏花は必ずしも生花である必要はありません。造花やプリザーブドフラワーをお供えしても問題ないとされています。古くは、花は飾りではなく生命の象徴とされていたため、生花であることがよいとされてきました。しかし、近年ではペットがいたり、ライフスタイルが変化したりなどさまざまな事情で生花をお供えできないことも増えています。何より大切なのはお供えするときの感謝の心。頻繁な花の取り替えが難しい場合には、造花やプリザーブドフラワーを取り入れてみるのもおすすめですよ。造花とは、ポリエステルなどの素材で花を模してつくられた飾りのこと。プリザーブドフラワーとは、特殊な保存加工を施された生花のことを指します。
プリザーブドフラワーを使ったおしゃれな仏花9選
ここからは、minneで見つけた、仏花に適したプリザーブドフラワーをピックアップしてご紹介します。
ガラスドームの仏花
限られたスペースでもひとつ置けば華やかになる、ガラスドームに入った仏花です。落ち着いた白×紫のプリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーを使用。
メッセージを添えて贈り物にも
自宅用にはもちろん、お世話になった故人の方へのお供えにも。フレームケースにメッセージを印字可能。マンションなどスペースが限られたお宅にも飾りやすい作品です。
生成り色の温かみのある仏花アレンジ
故人への気持ちを静かに、そして華やかに包み込んでくれるような作品。洋風のお部屋にも馴染みやすい、マムや紫陽花を組み合わせたデザインです。
竹の花器で和モダンに
落ち着いた色合いの竹を使用した花器が特徴。白を基調としつつもみずみずしい緑やピンクに心癒される作品です。明るく故人を送りたいという方にもおすすめ。
バラが主役の仏花アレンジ
生前にバラがお好きだった方にぴったりなアレンジです。一対でオーダーすることも可能。アイボリーと紫のバラにやさしい色合いのマムや紫陽花を添えた、小ぶりで飾りやすい作品。
色付きの小花たちがアクセント
白の菊を中心に、紫や緑、ローズ系のかわいらしい小花たちが散りばめられた作品。いつでも故人と過ごした温かな日々を思い出せるような色合いが特徴です。
大輪の胡蝶蘭で華やかに
ホワイトの胡蝶蘭と落ち着いたグリーンの組み合わせ。色ムラのある黒のボードがアレンジ全体に落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
水の入った花瓶を演出
マジックウォーター(シリコン樹脂)を使用し、まるで水に生けた生花のような見た目に。2個セットなので左右対称に飾ることができますよ。
和菊で落ち着いた雰囲気に
立派な和菊が目を惹くアレンジ。やさしい寒色系の色で落ち着きがあり、故人の性別に関係なく飾りやすい作品です。
仏花に関するよくある質問
最後に、仏花に関するよくある質問にお答えします。故人やご先祖様への感謝の気持ちを込めた仏花選びの参考にしてみてくださいね。
仏花に適した花は?
仏花に適した花は、菊(大菊、小菊、スプレー菊、ピンポン菊など)やカーネーション、胡蝶蘭、ユリなどが代表的。季節によってスターチスやリンドウなどを選ぶと、仏花にも四季を感じられるようになります。長く飾っていられる日持ちのよいものや花弁が散りにくいものが仏花として適しているとされています。
仏花の値段の相場はいくら?
仏花の値段の相場はだいたい500〜1,000円程度とされています。仏花を買う場所や地域にもよりますが、スーパーなどでセットになって販売されているものは1,000円未満で買えることが多いようです。花屋で制作してもらう場合には1,500〜3,000円くらいになることもあります。これらはあくまで相場で、金額によってお供えの価値が決まるわけではありません。
造花やプリザーブドフラワーの仏花はどこで買う?
造花やプリザーブドフラワーの仏花は、スーパーやホームセンター、花屋、ネットなどで購入することができます。お彼岸やお盆の時期になると、100円ショップなどの身近な場所でも造花の仏花が販売されるようです。近くに買える店舗がないという場合には、ネットで仏花用にアレンジされた造花やプリザーブドフラワーを探してみるのもおすすめです。
マナーを知って、故人への感謝を込めた仏花を選ぼう
時代とともにマナーも変化しつつある仏花の選び方や飾り方。minneには、造花やプリザーブドフラワーを用いた仏花がたくさんそろっています。故人やご先祖様への感謝をあらわす仏花選びを楽しんでくださいね。