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【新作おしえて】手編み1点ものニット巾着作家・yumituruさんの「アメリカンレトロなニット巾着」

SNSで編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。今回は手編み1点ものニット巾着作家・yumituruさんの「アメリカンレトロなニット巾着」です。

作り手は、yumituruさん
「かわいい♡ウキウキ♡」をコンセプトに、オールシーズン使えるコットン素材の糸を使って、明るくポップなデザインとカラーの手編みのオリジナルニット巾着を制作。
https://minne.com/@ymtr

yumituruが生まれるまで

手芸全般が得意なお祖母さまと、洋裁を習っていたお母さまの影響で幼い頃から手芸と洋裁をたしなんでいたというyumituruさん。その頃の経験が、作家活動の原点となっているそうです。

yumituru
服飾大学を卒業後、専門学校でグラフィックデザインを学び、デザイン会社に就職。しかし、心身ともに追いつかなくなり退職することに。心にぽっかりと穴が空いたような状態になってしまいましたが、このままではダメだ、何かしなければという想いがふつふつと沸き起こり、自然と編み物を始めていました。

『オズの魔法使い』のドロシーの衣装のような、ブルーのギンガムチェックと赤いハート柄の巾着。
「ハートチェックニット巾着」

yumituru
編み物をしている時間は、無心になって黙々と作業することができ、ひと目編むごとに、心が落ち着いていくのが自分でもわかりました。ちょうどその頃、minneの存在を知り、コツコツと制作したニット作品の販売をスタートしました。当時はアクセサリーを中心に、棒針・かぎ針の両方を使って制作していましたが、その後棒針編みにハマり、今のyumituruに至ります。

楽しかったいちご狩りの思い出を思い出しながら制作したという作品。
「いちごのニット巾着」

yumituru
年齢とともに落ち着いてしまいましたが、10代の頃は毎日派手なファッションをして自分の気分を上げていました。ハンドメイドをするようになり、カラフルで明るいカラーのパワーはすごいなあ、と改めて実感。自分ときっと同じ想いをされている方に持ち歩いてもらえる小物を模索している中で、巾着にたどりつきました。

yumituru
棒針で編み地を編むと、“オリジナルの生地を一から制作している”感覚になります。手に取られる方にも“特別な巾着”と感じていただければという想いと、編み物に触れたときの暖かさや、かわいい作品を手にしたときのウキウキした気持ち…さまざまな経験や想いを具現化させた結果がyumituruの手編み1点ものニット巾着なんです。

かわいい♡ウキウキ♡の気持ちを大切に

ショップページを見ているだけで楽しい気持ちにさせてくれるyumituruさんの作品。制作のこだわりについてもうかがってみました。

yumituru
ブランドのコンセプト「かわいい♡ウキウキ♡」のとおり、制作する側も「かわいい♡ウキウキ♡」できる作品を編むことを大切にしています。

90年代のファッションや雑貨、文化を思わせるレトロなデザイン。
「お花パッチワークのニット巾着」

yumituru
コンセプトは、yumituruの作品を購入してくださったお客さまが、作品を見て、かわいい!だけではなく、巾着を使うことを想像して、そして実際に使ってみてウキウキとした気持ちになってくれたら嬉しいなという想いから掲げたものです。そのためにはまず自分が同じ気持ちになれる作品を編むことが大事だと思っています。そうやって完成した作品がお客さまの元に届いたときに、かわいい♡ウキウキ♡をお客さまと共有できたと実感でき、わたし自身も嬉しい気持ちになれます。

スワッグをイメージして制作された巾着。儚い色合いが、乙女心をくすぐります。
「【受注生産】フラワースワッグのニット巾着」

yumituru
そして、かわいい♡ウキウキ♡を表現するために大切にしていることが「色」「素材」「編み図」「1点もの」の4点です。まずはyumituruの特徴のひとつとなっているカラフルな「色」使い。わたし自身がカラフルで明るい色が大好きで、色からパワーをもらって日々をより楽しく過ごすことができている経験から、yumituruのニット巾着からも色のパワーを感じ取ってもらえるように色選びにはこだわって制作しています。ニット作品といえばほっこりナチュラルな雰囲気を連想させますが、近年発色の良い毛糸がたくさん販売されるようになり、yumituruが想い描く作品がつくれるようになりました。

yumituruさんの作品は、一部ミニシリーズもラインナップ。手の平サイズなのでワイヤレスイヤホンなどを入れるのにぴったり。
「ニット巾着mini(ハート)」

yumituru
次に「素材」。yumituruのニット巾着はコットン素材の毛糸を主に使用しています。ニットといえばウール素材が主流ですが、どうしても秋冬というイメージが強いので、年中持ち歩ける巾着をつくるには不向きな気がして悩んでいました。ニット巾着は伸縮性が良く、容量を気にせずザクザクとものが入れられて、入れる物に合わせて編み地がなじんでくれる特徴があります。yumituruのニット巾着をいつでもどこでも持ち歩いてもらいたいですし、かわいい♡ウキウキ♡を1年中楽しんでいただきたいので、通年使えるコットン素材を選んでいます。

毛糸のあたたかみが伝わってくる、ニット巾着とニットアクセサリーのセット。
「【セット販売】巾着とアクセ6点セット」

yumituru
3つ目は「編み図」。yumituruのニット巾着は編み込み模様の作品が多く存在します。モチーフの表現にベストなバランスを見つけるためにドット絵を描くように1目1目大切に図案を手作業で制作しています。そうすることで“yumituruらしいニット巾着”が生まれると考えています。またボーダーやチェック柄など定番の柄を編むときも、まずは1から自分の手で図案をおこして制作するようにしています。

プレゼントラッピングをイメージして制作された作品。
「プレゼントなニット巾着」

yumituru
最後に「1点もの」。数多くの作品の中からyumituruのニット巾着を見つけてくださったお客さまが更に特別な気持ちになっていただけるように、選んでいただいたニット巾着がお客さまだけの特別なものになるように、「1点もの」にこだわり、心を込めて編んでいます。

新作は、アメリカンレトロなニット巾着

yumituru
いつも新作を作る時は編みたいモチーフやテーマを書き出すことから始まります。今回は「ポップコーン」「サーカス」「ダイナー」「ロカビリー」「オルテガ柄」といったキーワードから、これらに共通している“昔ながらのアメリカ”、“50〜70年代のアメリカ”の要素をまとめた「アメリカンレトロ」のテーマで全5作品を制作。
以前からファッションブランドが大きなテーマを元にコレクションを発表するようにニット巾着の新作をつくってみたいと思っていたので、今回このような形で新作発表することに決めました。

「ポップコーンのニット巾着」

yumituru
特に試行錯誤した新作は「ポップコーン」「ダイナー」「オルテガ柄」の3作品です。「ポップコーン」は2019年に開催された「minneのハンドメイドマーケット」に出展した際に1度制作したことがあり、今回復刻作品として制作したのですが、当時使用していた糸が一部廃盤になってしまい似たような糸を探すのに苦労しました。結果、いい素材感の糸と出会うことができ、編み方も工夫することで無事復刻させることができました。

「ダイナーのニット巾着」

yumituru
「ダイナー」は色の組み合わせにこだわりました。特に、差し色として使用しているミントグリーンはこだわりを持って選びました。ひとくちにミントグリーンと言っても糸の質感や染色の違いで微妙な差が生まれるので、アメリカのダイナーでよく使われている蛍光にも近い鮮やかさで青みの強いミントグリーン(ほぼライトブルーと言っても良いくらい)の糸を探すのに苦労しました。

「オルテガ風ニット巾着」

yumituru
一番つくるのが大変だったのが「オルテガ柄」です。オルテガ柄とはネイティブアメリカンの三角形やひし形を組み合わせたような幾何学模様のことで、横に長い三角形やひし形が多くみられる柄なのですが、編む方向は下から上へ縦方向に向かって編むのでどうしても縦長になってしまい、編み図を書き直しては何度も試し編みをしました。また4色の糸を編み込みながら進めていくので、裏面に渡る糸が長くならないように細かく色変えするなど編み図を工夫しました。


最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。

サーカステントをイメージして制作。
「サーカスのニット巾着」

yumituru
最後まで読んでくださりありがとうございました。作品づくりに対する想いが少しでもお伝えできたら嬉しいです。今回の新作以外にもさまざまなテーマで編んだかわいい♡ウキウキ♡な気分になれる手編み1点ものニット巾着を販売していますので、ぜひyumituruのショップに遊びにいらしてください!

アメリカ50sファッション・ロカビリーファッションをイメージして甘辛MIXな雰囲気に仕上げられた作品。
「ロカビリーのニット巾着」

yumituru
また、月ごとの”推しニット巾着”をXインスタグラムにて発信していますので、お買い物の参考にぜひご覧いただけたら幸いです。threadsでは制作の様子などを投稿しているのでご興味ありましたらぜひご覧くださいませ。yumituruのニット巾着を気に入ってくださった方の元へ作品をお届けできるのを心待ちにしております。この度は貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

・オルテガ風ニット巾着
https://minne.com/items/38939870
・サーカスのニット巾着
https://minne.com/items/38939966
・ロカビリーのニット巾着
https://minne.com/items/38940017
・ダイナーのニット巾着
https://minne.com/items/38940072
・ポップコーンのニット巾着
https://minne.com/items/38940119

あなたもminneで作品を販売してみませんか?

minneは現在90万件以上を超える作家・ブランド(※1)による1700万点以上の作品が、販売・展示されている、国内最大級(※2)のハンドメイドマーケットです。
つくり手がものづくりに集中できるよう、作品は代理人の手を通して届けることもできます。
「ものづくり」の世界がますます広がるminneで作品を販売してみませんか?

(※1)2024年1月末時点
(※2)ハンドメイド作品の販売を主軸とするハンドメイドマーケット運営会社2社のIR資料公表数値及びサイト公表数値を比較。2024年1月31日時点、GMOペパボ調べ。

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文 / 堀田恵里香

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